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パーフェクトワールドⅠ ~音楽教師は白亜の鳥籠に眠る~
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きらきらと輝くペリドットの小道を、5人分の足音が行く。
「……本当に宝石でできているのね」
森の煌めきに、
仙藤 紫
は感嘆混じりの息を漏らした。
しかし、「でも」と続く言葉は、緊張と警戒の色をはらんでいる。
「よく見ると、どれも何だか鋭利そうね。硬質な美しさ、とでも言えばいいのかしら」
触れると怪我をしそうと付け足された言葉に、応じるは
エレノア・エインズワース
。
「だとしたら、少し残念です。持ち帰って自室の内装に取り入れるのが難しくなりそうですから」
肩を竦めるエレノアだが、その口元には笑みが浮かんでいた。
「そう縮こまらずに、どなたか試してみてくれてもいいんですよ?」
――この森の植物に触れた時、貴方がたの指先に、どれほど綺麗な赤い宝石が咲くのかを。
端正な唇から零れるジョークは、言ってしまえば悪趣味なものだ。
紫が表情を固くしたのさえ、エレノアにしてみたらくすくす笑いの種になってしまう。
「あら? 冗談ですよ、お気になさらず」
ともかくも、冗談を言える雰囲気であるということは確かだった。
彼女のジョークがどのような分類をされるにせよ、だ。
何せ、戦いに備えてエレノアの後ろを行く
サキリ・デイジーカッター
の手の中にナイフが光るのを見るや、あの険呑なぬいぐるみたちは、一行のことを避けて行ってしまうのだから。
「これはこれで味気がないね。ナイフから同族の血の匂いがするのが分かるんだろうか」
だとしたら、ぬいぐるみの嗅覚はかなりのものである。
「中に詰まっているのが綿ではないことも含めて、謎が多い生き物だね」
サキリが肩を竦め、エレノアが微笑し、紫が難しい顔で辺りを見遣るその後ろ。
(鳥の姿で森の様子を観察したいところですが……)
なんて、思案しながら周囲を見回すのは
御巫 時子
だ。
(今鳥になると、皆さんに能力のことがばれてしまいますね)
そうでなくてもと、時子は紫の言う通り格別鋭利に見える草木へと視線を遣った。
小道の向こうの木々を彩る葉は鬱蒼と茂っている。
仮の小鳥の姿であったとしても、その身を傷付けずに森を飛ぶのは中々に困難だろう。
(それに、道を外れたが最後迷ってしまいそうです)
となれば、今は仲間たちと共に行くのが最良の選択肢であると思われた。
「それにしても……ここの植物が鋭利なのは生きる上で必要だからでしょうか?」
「そうかもしれないわね。詳しいことは、私にはよくわからないけれど」
応じて、ノートにペンを走らせるのは、最後尾を歩く
大天使 天吏
。
「天吏さん、何をメモしてらっしゃるんですか?」
時子の問いに、天吏ははにかむように微笑してノートを広げてみせた。
「この世界の動植物について、残しておこうと思って」
少しでも皆の役に立ちたいのだと、天吏は内心とは裏腹の言葉を吐く。
全て計算尽く、怪しまれずに立ち回るための小細工だ。
「わあ、すごいですね……!」
時子の言葉に、天吏はそのかんばせに乗せる笑みを益々深くした。
「……そのノートに、新しいメモが増えるかもしれないわ」
ふと立ち止まって、そんなことを言ったのは紫だ。
彼女の眼差しは、宝石でできたように見える植物――そのエメラルド色の葉の部分に注がれている。
「ここの植物にはなるべく触れたくないけど……この形状なら、護身用のナイフ代わりになるかもしれない」
上手く行けばの話だけれどと付け足して、紫は植物と睨めっこ。
その目は、持ち手になりそうな部分を具に探しているのだが、
「茎から手折ることはできそうだけど……武器にするには工夫が必要みたい」
といった具合で、実際に使える状態に落とし込むのは中々に骨が折れそうだった。
木の枝があればそれに取り付けて……等と考えてはみたものの、適当な物はこの森にはない。
何せ、木の枝さえも錐のような鋭さで森を行く者のことを狙っているのだから。
考え込む紫に、助け船を出したのはサキリだった。
「ナイフ代わりにするなら、自分が持っている物と組み合わせればいい」
「だけど、大した手持ちがないのよ」
「ハンカチくらいはカバンの中にあるんじゃないか?」
茎から手折った葉の持ち手になる部分にそれを巻きつけるのだと、サキリが言う。
紫は、役に立つ物は何もないと思っていた荷物の中を検めた。
学校から出てそのままである。ハンカチは、確かにそこにあった。
「ああ、それが大事な物だって言うならお勧めはできないけど」
「いいわ。今は自分の命の方が大事」
茎から手折った翠玉の葉の茎側の部分を、ハンカチでぐるぐる巻きにする。
握った瞬間手が切れはしないかと恐る恐る持ち手を握る紫だったが、
「問題なさそう……これなら私にも扱えるわね」
取り急ぎながら身を守る役に立ちそうな道具を手に入れて、彼女はふっと詰めていた息を吐いた。
「サキリさん、すごいですね。私も同じ物を……」
作りたいです、と言い掛けて時子の喉からしかし言葉は逃げて行ってしまう。
充分に注意していたつもりだったが、葉の先が指を掠めたのだ。
鋭い痛みを感じるや、指をすっと血の赤が走る。
「まあ、身を以って試してくれたのですか? 成る程、インテリアには使えそうもありません」
なおもそんなことを言うエレノアを余所に、天吏は急ぎ止血用のタオルを時子へと差し出した。
「大丈夫? これ、良ければ使って。あとは、絆創膏……はないけれど、ハンカチなら」
取り出したハンカチを、天吏は傷ついた時子の指に巻く。
とりあえず、一先ずの治療が完了した。
「すいません……ありがとうございますね」
にこりとする時子に、天吏もそっと微笑を返す。
時子の分のナイフも作り終え、一行は森の更に奥へと歩を進めた。
幾らもの羽ばたきが彼らの耳を揺らしたのは、それから間もなくのことである。
「っ、襲撃か!」
サキリが、1ミリの油断もなくナイフを構え直す。
目前に躍り出るは、翼も騎士服も黒尽くめの騎士たちだ。10体はいるだろうか。
「残念。足が地についていないんですね」
もう少し落ち着いたらよろしいのにという軽口は横に置いておくにしても、騎士たちが小道から少し浮かんでいるという事実は、エレノアからするとあまり喜ばしいものではない。
ろっこんによる接着剤で足止めをするという策が使えないからだ。
「全く……嫌になりますね」
整った眉を寄せて、エレノアは手近に実っていた木苺に似た実を幾つか摘んで騎士たちへと投げつけた。
艶やかな実が含む果汁が、弾けて目潰しにでもなればとの目算だったが、
「――え?」
実は手品か魔法のように一番手前の騎士の顔を擦り抜けて――次の瞬間。
――ドォン、ドッ、パラパラパラ。
腹の底に響くような音を立てて、次々に爆発したのだった。
それはそこまで大きな爆発には思えなかったけれど、胸に爆撃を受けた騎士がぐらりと倒れる。
「あら、これは嬉しい誤算ですね」
仲間を倒されて猛る騎士たちを前に、にぃと口元に弧を描いてみせるエレノア。
1体の騎士が槍を手に躍りかかってくるのを、静かに狙うのはサキリのナイフだ。
己の胸元にナイフが吸い込まれるのを確認する間もなく、2体目が崩れ落ちた。
「胸には攻撃が当たる、というのがエレノアのお陰で分かったからね」
弱点が分かっているならば、後れを取る理由がサキリにはない。
その後は、言ってしまえば一方的な展開だった。
エレノアと時子が、騎士たちへと次々にルビー色の実を投げつける。
爆発を潜り抜けてきた猛者も、漏れなく呆気なくサキリのナイフの餌食になった。
後には、騎士たちがぴくぴくとして転がるばかりだ。
静かになった森の中、武器を持たない天吏を庇うようにしてナイフを構えていた紫が安堵の息を吐いた。
「……見た目と違って中身は乙女チックとは程遠いわね、この世界は」
もう分かっていたことだけどと、紫はナイフを下ろす。
時子が、ほうと息を漏らして言葉を次いだ。
「まるでゲームの中の様ですね。ゲームと似た世界を頭の中か空間に作り出せるろっこん?」
これだけの世界を作ると反動が凄そうですが、クローネさんが力を与えてるとなると可能な気はします。
時子の言葉に誰かが応じるよりも早く――静寂の森に、拍手の音が響き渡った。
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担当ゲームマスター
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ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月21日
参加申し込みの期限
2016年03月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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