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『 コロシアイ 』
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【得たものは】
目を開ければ、そこは繁華街の路地裏だった。
常闇 月
が背を向ける背面が大通りなのだろう。後ろから車が抜けていく音、人のざわめきが聞こえてくる。
だが、こちらに向かってくる足音は無い。
うさぎの語った事が本当であるのならば、今はまだ、目の前の存在が殺気を放つ事も動く事も無い。
目の前には、透明で破れる事のない壁があるのを、月は確認していた。それがある限り、相手は動かない──昔の自分に、無駄な行動はなかった。昔の自分に、無駄な感情の発露等というものはなかった。
殺意があっては気付かれる。無駄な行動はターゲットを仕留める為の足枷だ。
よって……昔の自分は狙っている。目の前の、この壁が壊れるその瞬間を。
「……何度目になるのでしょうね。
この島に来てから3回目だったでしょうか」
ため息と共に月が呟く。
「ただ──この島で受け続けた思いを……返す為にも──何度でも過去の自分を凌駕してみせます。
この島で得た新しい自分を証明してみせましょう」
瞬間──正面に境界であった空間の、ひしゃげて崩れる音が確かに月の耳に入った。
いつの間にか、影の手には素材すらも分からない夜の闇にも紛れる黒にマットな質感のコンバットナイフがあった。そして、細いが耐久性に優れた鋼糸が射出保持出来る、極めて特殊なギミックを備えたグローブ。
それは、月の戦闘スタイルと全く変わらない姿。月も躊躇わずに、同じ装備をイメージする。
月はそれを気にも留めないままに相手を見つめる。
影は、本当に挨拶代わりにと言わんばかりに正面からコンバットナイフを一閃させた。
挨拶代わりも何も無い、本当に他愛の無い一撃──月は、そう思いつつ一歩足を滑らせるだけでそれをかわしてみせる。
そこで初めて露になる影から噴出した気配。憎しみと、嫉妬と、恨み──憎悪、と呼んで匹敵するその名前を、月はやすやすと受け入れた。
──そして、改めて知る。過去の自分にも、こんな感情はあったのか、と。
完全なキリングドールとして育てられた自分の奥底にも、こんな感情が。
影の攻撃をかわしながら、左手を斜め上に振り上げた。
指先の一筋から射出された鋼糸が電信柱に絡みつく。しかし、特殊な細工でその一本であっても、張られれば月の身体を支えるには十分だった。
コンクリートを削り上げる鋼糸を引き上げ、一気に電柱に身を寄せる。
月は瞬時にその糸を巻き取り、電柱をその躍動溢れる身体能力で蹴り飛ばした。
重力と脚力を伴って、地面に立つ影に向かい飛び降りながら、掲げ持ったサバイバルナイフを一気に相手へと振り下ろす。
「──!!」
力の差は歴然。余りの速さに避け切れなかった影が二の腕に深く傷を負う。
影は、月が降りてくるまでの間を含めて、それでも冷静に、指一つ一つから射出が可能な鋼糸をこの空間のあちこちに張り巡らせていた。
鋼糸はぶつかれば切断までされかねないその鋭さ。
だが、それすらものともせずに月が告げる。
「……ええ、置き去りにした過去の私。これが私の答えです。
けれど、それは振り返りたくないからではありません。
私は過去を受け入れ、それでもなお前に進もうと考えているだけですよ。もうひとりの私」
訥々と話し掛けながら、月は、今度は右腕を正面へ振り切った。
駆け抜けた五本の鋼糸を、相手の張り巡らせた蜘蛛の巣にも似た空間の各所に、絡み撒きつけ、力一杯に引き寄せる。
「──!」
数歩動けば確実に体のどこかを斬る──そこまで計算された鋼糸の動きは一気に崩された。
影は、仕切り直しをしようとするが、月の鋼糸が邪魔をして鋼糸を引き戻す事が侭ならない。
「(八神さんが……もし自分を相手にするのであれば──己がやられて一番困る事をする)」
脳裏で浮かぶ、非常時に彼が行う立ち振る舞い、周囲への観察眼。それを思い返す。
そして、既にぐしゃぐしゃになった、張った影ですら動けば身を刻むであろう不規則な鋼糸のトラップを、月は無駄の無い大胆な足取りをもって易々と駆け抜けた。
「(御剣さんなら……この様に、動く)」
それらは全て、月が知人の姿を意識で巡らし、取った行動。
じっと目に焼き付けてきた、“外”という概念の世界で戦って来た彼らの姿は、月に多大なる影響を与えてきた。
それは、明らかなる“成長”の証そのもの──
絡み合う互いの鋼糸が巻き取られ収束する。距離は至近。同時に打ち掛けられたコンバットナイフのぶつかり合い。
しかし、まるで鏡に向かって刃をぶつけ合っていたのは最初だけ。あっという間に劣勢へ押さえ込まれる影の姿。
「幾度も過去が私の前に立ち塞がろうとも、その度に私は乗り越えていきます。
私をヒトへと導いてくれた多くの方々を裏切らないためにも!」
月が薬指の一筋を動かした。次の一撃、コンバットナイフを互いに打ち立てた時、ふわりと。まるで天使の羽のように余裕の欠片も無い影の首へと円還状の鋼糸が降りた。
「……さようなら、過去の私」
相手のサバイバルナイフを手から弾いて、巻いた鋼糸を司る指ごと背中を向ける。
影の首を締め上げる音は一瞬──後は、あっという間に、何かの引き千切れた感覚だけが伝わった。
月は思う──いくら同じ事が起こっても、前へ進み続ける為に。
この手に殺めた自分への感覚だけは、決して忘れない様に、と──
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月03日
参加申し込みの期限
2016年03月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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