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『 コロシアイ 』
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【うさぎのおねがい】
「というわけでね。ぼくは美味しい生にんじんが食べたいんだよ」
二本足で立つ、燕尾服を着たうさぎが告げる。
うさぎには自分に対して“良いもの”を見る目があった。
今の
大天使 天吏
には“それ”がある。うさぎは確信して姿を消した。
真っ暗な中に、その姿を浮き彫りにする様に立つ二人の天吏。過去を象徴した天吏は暴れもせずに大人しく眼帯の上から目隠しをされて静かに立ち尽くしている。
もう一人の天吏──今、現在の天吏は、その目隠しを解きながら歌う様に相手に告げた。
「
愚かな親にぶたれた私
、
害悪な生き物から、疎まれるあまりに階段から突き落とされた私。それでも」
するりと、目隠しが解けた。
「私なら分かるわよね?」
相手が──影が、ゆっくりと口の端を引き上げた。
同時に天吏も同じ様に微笑んだ。
太陽と云う名の明かりが灯る。そこは、とても静かな所だった。
爽やかな風が吹く。広々と間を取って置かれた、白いテーブルと椅子。
テーブルの上に置かれた茶器を挟んで、大天使家の庭園に、天吏とその影は座っていた。
影が暴れだす様子は無く、階段を突き落とされた時に出来た左目の傷を隠す眼帯すらも同じ。どちらが影で、どちらが天吏か分からない。
それは、一見、ただの双子のティータイム。
──しかし、お互いがテーブルの上に置いた手の中には、隠す事の無い折り畳み式の、まさに臨戦を告げるナイフがあった。
「「あの」」
同時にお互いが問い掛ける。
それは天吏のろっこん“鸚鵡芝居”の発動条件。相手がそれに答える前に、問い掛けた本人の口からその言葉が発せられるという特異なろっこん──
「「ウサギ様が美味しい人参を食べたがっておられる」」
天吏と影、二人の口から同時に言葉がついて出た。それは、同じ声音、同じイントネーション、何一つとして変わる事の無い同じ言葉。
まるで、テーブルを対に囲んだ双子が言葉遊びをするかのように──しかし、それにしてはあまりにおぞましいまでに整ったタイミングで天吏と影は喋り出す。
「「ウサギ様の仰られることは正しい」」
そう、何よりもうさぎは正しい。この自分や影の様な矮小な器を持った存在とは、考え方も理想も一線を画すのだ。人間等とは比較にならないその尊い存在。
「「我々のすべきことはウサギ様のために殺し合いあうこと」」
このくだらない我々が、うさぎの欲求を満たせるのだ。
──この人間が、この人間ごときが。この浅ましい人間ごときが。
「「よりおいしく食べて貰うために醜い人間同士醜く凄惨な死の舞台を!」」
両者が上げた、高らかなる宣言。天吏と影は、両手を思い切りテーブルの上に突く激しい音と共に立ち上がり、椅子を躊躇い無く蹴り撥ねながら、隣の芝生に駆け込む様に向き合った。
先ほどまでテーブルの上に手を重ねていたナイフは、今や美しい曲線を描いてその刃を露にしている。それは、その身に穴の開いた片手で開けるハーピーナイフ。
「私に刺されればいいのかしら?」「だめよ、ウサギ様はもっと惨たらしく憎しみにまみれた味をお望みなのだから」
影がろっこんの発動条件を満たし、問い掛けと同時に天吏の言葉まで影が一気に口にする。
天吏から、まるで少女の様な笑みが零れた。
自分の口にした言葉を耳にして、影は大きく残された右目を見開き、やっと天吏との差を見せ付けた。
母は自分を忌み嫌った。異形を見るような扱いをし、階段から突き落とした──その憎しみは本当、味わった苦しみも本当。
それでも、影の心には夢の開始前から脳裏に焼きついている。
今ノ全テハうさぎ様ノ、鳥サンノ為ニ──
そこまで影に影響を及ぼしたのは、まさしく今生きている天吏の存在。
天吏はとっくにその“成長”の中で捻じ曲げていたのだ。
今存在する自分の為に、夢の中の、過去の純粋であるべき感情そのものを。
互いが振り下ろす刃物の音が軽やかに響き渡る。
「あは、は……っ!」
どちらからとも無く洩れる笑い声。
「「ねえ」」
互いに語り合う時には、ろっこんで。
「このナイフは鳥さんの羽のよう!」
「このナイフは鳥さんの嘴のよう!」
「「これで、刻んでもらえるだなんて光栄だわ!!」」
影の服装が、綺麗な純白のフリルが切り刻まれて赤く染まる。
天吏の方には傷一つ付いていない。それでも、互いの舞踏の様なステップは止まらない。
過去の純然たる感情すらも押さえつけた、圧倒的な精神力の差。
天吏は踏み込んだ最後に、影の胸へとハーピーナイフを突き刺した。
「ふふ、私は神の存在を知って貴方の憎しみを許すことができたの。だから強い。
安心して。今の私は苦しみと成長で味付けされてるわ!」
──ああ、ウサギさん! 私を早く食べて!
大空に向かい、血に染まった真っ赤な両手を伸ばす。
ゴムの厚い風船の様に天吏の姿が爆ぜるのと、夢の終わりはまさしく同時だった。
「……がっかり、だわ……」
目を覚ました天吏は、ぽつりと天井を見て呟いた。
結局──こんな現実のくだらない世界に戻ってきてしまった。
あの恍惚感共々に、ウサギさんが全てを食らい尽くしてくれればよかったのに──そう思う天吏に、いつもの日常がいつも通りに降りて来た。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月03日
参加申し込みの期限
2016年03月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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