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『 コロシアイ 』
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【絶対的排除と許容】
その世界は、まるでうさぎが作ったと口にした世界の限界にまで届かんとするものだった。
石の広場から上り往く階段。次々と上り、そして幾つかの四角い踊り場を通過して更に上れば、それはいつしか始まりの広場へと降りてくる階段となる。
それは現存するだまし絵のようだった。だまし絵だから可能と思われていた構成が、この世界では立体として完成されている。
「裏が表で表が裏……か」
それが己の心だと、
八神 修
は改めて実感した。
現れたうさぎの言葉に、修は終始無言を貫き通した。
一言も相槌一つ打つ事無く、湧き立つ真っ黒なままの影とうさぎを見ていた。
うさぎが、空間に溶け入るように消えると同時に、何かを始める合図の様な、派手に空間のひしゃげる音。
その音に修は明確な不快感を露にした。
誰が乗りたいと口にしたか──しかし、その瞬間、何かが頬を掠め爆ぜる音を聞く。
頬からは、一筋の血が流れていた。
とっさに身を潜めながら、修はそれが、うさぎの言っていたもう一人の自分──影の仕業である事を理解した。
相手の武器は銃──修は即座に柱の陰に飛び込んだ。
これだけ完成された、倒錯を有り様に見せ付けられる世界ならば、一度隠れてしまえば見つけ出すのは容易ではない。
修の手にも気付けば、二丁一組の拳銃。引き金を引けば、念じなくても相手を殺す為の弾が出てくるだろう。
無限に弾を発砲出来る銃──皮肉にも不意にうさぎの言葉を思い出し、この世界は強いものが因果律を支配するものだと改めて認識する。
──下から、駆け上がって来る足音。再び姿を隠す為に傍を駆け上がった階段は、上っているはずなのにその景色は流れるように下がっていく。
途中、二発の銃弾を偶然的に避けながら修は隠れて思考した。
修はこのうさぎの趣向を整理する。
悪質極まりないその挙動。
うさぎの行動を……認めはしない──許しはしない、絶対に。
修が念じれば、手の中の拳銃が僅かに光る。
修は、これは銃でありながら、銃ではない──それを”威力を、放つもの”と認識する。
そして、
「(当たれ──!)」
飛び出した時に見えた自分の影に、小さな声と心で叫んだ声は銃声にかき消された。
──しかし、発射された弾がわざと狙いを外した壁に弾かれるのと同時に。その場から少し離れた何も無かった壁に、はっきりと罅が入るのを見た。
……修の予想通り、ここは見えない声さえも武器になる──相手に、届く。
確信と共に傍の巨大な瓦礫に飛び込み、今度は影からの被弾を防ぐ。
──うさぎは言った。
“相手はナカッタコトニした憎しみや辛さだ”と。
”日々殺して消した自分だ”と。
二発連続で弾が瓦礫にめり込むのを確認して目の前にある階段を走る。
確かに“俺のそれは消えてない”
それは”常に心の中に在る”
建物の陰に隠れて撃つ。
銃弾は影をかすめて当たらず、向こうの銃弾はこちらの腕を掠めていく。
影との激戦が始まった。客観視すれば、修は反撃しつつも、逃げに入っているように見える。
『おお、影が優勢。少し意外』
うさぎの声が、全体に響き渡った。
気をとられる事の無く、修は反撃を繰り返す。
“俺のココロには闇がある”
けれど、“だから俺は俺だ”
修が放つ実在する銃弾は、確かに影にかすりもしない。しかし──
“消して忘れる成長は、本当の成長ではない”
“人の心の闇を認め踏まえたうえで生きる”
“王道を正道を……希求する
──それが俺だ”
銃声でかき消されていると思われた、その言の葉は、
見えない曲線を描き──確かに、訴え掛けるかの様に、影の下へと届いていた。
影が放った弾丸が、石造りの建物に弾かれ流れ弾として、修の左肩を撃ち抜いた。
「グぁ──ッ!」
その勢いに合わせて放った修の弾は、同じく瓦礫に弾かれて、何も無い空間を抜ける──
『うわっ! 危ないよっ!』
──そこから、声が聞こえた。
それを皮切りに修は痛みを堪え、左手の銃を捨てて、今度は駆け抜けながら一気に撃ち合いを始めた。
修の弾が再び影を掠めるも、互いが以降、一撃の致命傷を受ける事は無い。
その弾が狙いを逸れて、非常に危険な兆弾としてあちこちに飛び爆ぜた。
『何っ、またプログラムが壊れたのかなっ!? もうバグは嫌だよっ!』
そして、何も無いはずの空間を抜ける都度、立て続けにうさぎの悲鳴が響き渡る。
こうして、同じ所を何度駆け巡ったか。
その最中、建物の構造と、そこから見える光景は修も影も既に把握していた。
この絵画の様に、規則がある様に見えながら決して奥を見せない世界の中で。
“兆弾の軌跡すら狙える”自分の世界で──今、高みの見物をしている、この根源であるうさぎの場所を絞り込むには、充分過ぎた。
「──ぎゃあっ!」
そして、影と修の撃ち放った弾丸は、確かにうさぎを捉えて撃ち抜いた。
姿を見せたうさぎは、撃ち抜かれた衝撃で姿を現し、そして掻き消える様に消えた。
次に放った兆弾ではない、純粋に狙い澄ました一撃は届かずうさぎは消え去った。
「やったか──」
己の心の闇とやり遂げた、達成感。
しかし──夢が終わるまでの間に。
安堵した修の左太腿を、影の凶弾が撃ち抜いた。
「……忘れていたとは、言いたくない。
──憎んでいるからこそ……内包して俺達は生きる意味がある」
立てなくなった修が向けた銃口は──今度こそ的確に、影の心臓を撃ち抜いた。
ゆっくりと瞳を開く。いつも通りの天井が見えた。
心は穏やかだ。
この心には、闇が棲む。
己を殺そうとする闇が──いつも、愛おしく胸にある。
「おはよう──俺」
今日はいつにも増して、清々しい朝だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月03日
参加申し込みの期限
2016年03月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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