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木天蓼大学のキャンパスは一般に開放されていた。日曜日とあって人の出入りは少なくない。
「賑やかだね」
刻人・F・ミセリア
は周囲に微笑み掛ける。カジュアルなスーツに身を包み、肩からは学生らしくショルダーバッグを提げていた。
「こんにちは。今日はいい日和だね」
近くを通った男子学生に刻人は気軽に声を掛ける。相手は笑顔を見せて、すぐに口を噤んで立ち去った。次に声を掛けた女子学生も似たような反応を示す。ちらりと視線を上げて、じゃあ、と小走りで行ってしまった。
「あんまり凄まないでよ。みんなに紹介したいんだから」
刻人は隣に顔を向ける。
オーマ・トンノ
は砂漠のように乾いた眼で見下ろす。
「なんで黒なのかな。大学なんだから、もう少し明るい色の服でもよかったんじゃないの?」
オーマは何も答えない。黒いテンガロンハットに同系統のロングコートを合わせて聳え立つ。
「まあ、いいけどさ。今後のことも考えて少し大学のキャンパスに慣れて貰わないと。でも、ここは忙しないね。もう少し落ち着けるところの方がいいかな」
オーマの返事を待たずに刻人は歩き出す。
「この時間帯なら、図書館の方がいいかもね。ついでに調べ物もできるし」
同意を求めることなく、刻人は足を速めた。オーマは強固な壁として付き従った。
図書館には結構な人がいた。それでいて私語は少ない。机に向かって本を開き、集中した顔でノートに書き写していた。
「それじゃあ、僕は島に纏わる本を幾つか探してくるよ。オーマはどうする?」
近くの椅子にオーマは腰を下ろした。帽子の鍔を親指で撥ね上げて周囲に鋭い視線を飛ばす。一瞬、明るい窓に目を遣り、数秒の凝視で範囲を広げた。
「何もないとは思うけど、そうだね。適度な警戒は必要かな」
刻人は笑ってその場を離れる。
林立する書棚の一角に足を踏み入れた。人が変わったように真剣な目を向ける。間もなく一冊の本を抜き出した。中身を吟味して速やかに戻す。
次々と本に手を伸ばし、刻人の手には三冊の本が重ねられた。
「まずはこれくらいでいいかな」
引き返す足が途中で止まる。即座に書棚に背中を張り付けた。興味深げな視線の先にはオーマがいた。傍には若い二人組の女性がいて、何かを譲り合うような仕草を繰り返している。
「ちょっと遠いね」
刻人はオーマに背中を向ける。書棚の奥へと足を速めた。人気のないところを回り込むと、何かが過った、という風に顔を横に振った。
「黒い影?」
見据えた先に動く物体はなかった。書棚の側面に薄汚れた箇所も認められない。
「光の加減かな」
滑るように移動して刻人はオーマの横手から忍び寄る。二人組の女性は背中を向けていて都合が良い。
刻人は限界まで近づいて聞き耳を立てた。
長い髪の女性が遠慮がちな声を出す。
「あのー、留学生の人ですよね? 何か困ったことはありませんか」
オーマは椅子に座っていた。横顔のまま、気だるげに足を組んだ。声に反応しているようにも見えるが、はっきりとはわからない。
「ねえ、もしかして違うんじゃないかな」
隣にいたふくよかな女性が小声で言った。
「どういうこと?」
「うん、もしかしたらなんだけど、耳が聞こえないのかも」
「あ、そうかも」
聞いていた刻人は苦笑に近い笑みを浮かべる。
オーマのあの態度だと、そう思うのが普通なのかもしれないね。仕事に忠実なのはいいんだけど、ちょっと過ぎるのが困りものだね。
でもさ、あの若い二人の会話、少しカチンときたかな。何も知らないくせに生意気なんだよね。
そう言えば僕の妻も、なんか、腹が立つ。あのオーマの、あの態度も許せないよね。うん、なってないね。なら、どうする? そうだよ、そう。
刻人は手に持っていた本に目をやる。一番、厚みのある一冊を利き手に持ち替えた。
「制裁しかないよね」
距離的に近い二人組に狙いを定めた。笑顔で背後に迫って鈍器の本を大きく振り上げる。
瞬間、オーマは立ち上がった。一陣の風となって刻人の手首を握る。その状態で重い一撃を腹部に打ち込んだ。
刻人の意識は一瞬で消し飛んだ。持っていた本は一斉に床に落ち、二人組はようやく振り返る。
オーマは刻人を肩に担いだ。二人組の心配する声を無視して歩き出した。
オーマはキャンパスのベンチに腕を組んで座っていた。隣には刻人が眠るように横になっている。少し苦しそうな表情で咳き込んだ。弱々しく目を開けると、腹部を手で押さえた状態で起き上がった。
「オーマのせいで、まだ痛いんだけど」
じろりと睨んで急に笑い出した。少し腹に響くのか。笑いながら顔を歪めた。
「なんでこんなことになるのかなー。まあ、大ごとにならなかったから良かったけど。オーマが止めてくれて助かったよ」
刻人は呼吸を整えた。大きく息を吐いて足を組む。何かを思い出すような表情で口を開いた。
「このおかしな現象は、たぶん、あの黒い影のせいだよね。調べてみないとはっきりしたことは言えないんだけどさ。調べるのなら、やっぱり寝子島の郷土資料館に行く必要があるよね」
ナイフの刃のように眼が細くなる。
「あの本が役に立つ。確か『寝子島怪異録』だったかな。その時はオーマも一緒だよ」
オーマは組んでいた腕を解いた。その姿を見て刻人は慌てて言葉を付け足した。
「あれだよ。今日のことは組織の方には連絡しなくていいからね。だって面倒臭いでしょ。いいね、これは僕の命令だから。頼むよ、オーマ」
まるで反応はなかった。刻人は表情を緩めて深くベンチに腰掛けた。
「それにしても今日は良い天気だねー」
空を見ながら呑気な声を漏らす。周囲の目が少し温かくなった。当初の目的は何とはなしに果たされて、これでいいよね、と刻人は柔らかい笑みを浮かべた。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
神話・伝説
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
13人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月28日
参加申し込みの期限
2016年03月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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