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R&R Agency:File01:春の肖像
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● 探索・3
アトリエは三面が黒っぽい漆喰の壁である。
残りの一面は庭に面した大きなフランス窓で、日差しが入れば冬でも暖房がいらないくらいだろう。今は白っぽい枯れ木しか見えないが、季節によっては美しい緑の景色が広がるにちがいない。遙幻はここでイマジネーションを膨らませたり、ときには外に出て景色を描いたりしたかもしれない。
「画家の夢の跡、か……」
サキリ・デイジーカッター
はサーモカメラをセットしながら、独り言を言った。
幽霊騒動に見せかけたインチキはありがちだ。人が細工した痕跡が無いかと思ったが、それらしきものは見つからない。埃の積もった床にはいくつもの足跡。室内を縦横に横切るそれら足跡の上にも、埃や落ち葉が乗っているところを見ると、いささか古いもののようである。
改めて室内を見渡す。
残されているのはイーゼル、何枚かの白いキャンバス、壁に立てかけられた緑色の脚立、古い学校の理科室にありそうな木の丸椅子が二脚、棚の上に小さな陶磁のひび割れた花瓶がひとつ。
がらんとしている。
主を失ったアトリエはそんな印象だ。
「ここで遙幻が絵を……」
芹沢 梨樹
は胸がいっぱいになる。が、昼のうちに調べなければならないことがあるのを思い出すとキャンバスの裏や花瓶の中を確かめた。
「なにもない、か」
その後、梨樹は遙幻の残り香を追うようにして窓から外へ出て行った。
入れ違いにアトリエに来たのは
弘明寺 能美子
と
尾鎌 蛇那伊
だ。
「絵があるなら、風通しのいいアトリエのどこかかしらと思ったんだけど……ないわね」
そこで能美子は思い出を探すようにキャンバスや花瓶に触れて回った。
R&R社から連絡があった時、「私向きの依頼ね」と苦笑した能美子には、過去を探るのにぴったりなろっこんがある。<役立たずの逆さ時計>という名のそれが見せてくれる断片的な在りし日のかたち。それらを繋ぎ合わせれば、能美子には遥幻庵の在りし日の姿が見えるように思えた。
「……考えてみれば、この遥幻庵、結局は無くなるのよね」
この屋敷に眠っている思い出全てを記録した方がいいのかしら……そんなことを考えていると、トン、トン、と言う音が耳につく。
蛇那伊である。
彼は規則正しく等間隔でつま先を鳴らしながら部屋の中を歩き回っているのだ。
アトリエ中の床をそうやって叩いたのち、今度は壁を中指の関節で叩き、その音を聞く。
「それはいったい何のまじない?」
能美子が尋ねると、蛇那伊は「まじないじゃないわよ」と答えた。
「隠し部屋の類が無いか調べてるの。音が変わればその向こうに空間があるかもしれないわ」
「なるほど。で、何かおかしいところはあった?」
「ないようね。能美子ちゃんはこの部屋に違和感のようなものを感じる?」
「違和感?」
「そう。違和感は無意識の内に普段認識している物とズレているものを見たら起きるもの。なんとなくおかしい、……それって重要なサインなのよ」
能美子は床に落ちていた折れた筆を拾い上げた。自分なら、違和感よりもっと具体的な過去の想いを拾い上げることができる。<役立たずの逆さ時計>を発動させる。
筆にこびりついていた想いが波のように伝わってきた。
この想いは遙幻のものだ、と能美子は直感する。
「『描きたい、描きたい……』 ……なに?」
描きたい、という波の中に混じる、異物。
『怖い……』
『違う……』
『愛してる……』
筆を落とす。ちりちりと、能美子の心がひっかかれるかのようで、ろっこんを維持できなかった。
「違和感……」
能美子は蛇那伊を見た。彼はまだあちらこちらを叩いていた。
だがその作業は、二階から駆け下りてくるけたたましい足音によって中断された。
◇
「見て、こんなものが出て来たわ!」
興奮したブリジットの声が食堂中に響き渡った。
恵御納 夏朝
――いや、エージェント登録しているのはもうひとりの夏朝こと『夏夜』なので以後、夏夜と呼ぼう――が報告用の写真を取ろうとスマホを手に現れる。
「なんの騒ぎ? 絵が見つかったの?」
輪の中心にいたさゆるが首を振る。
「目的の絵ではないわ。でも、これも素晴らしいものよ」
寝室の鍵のかかった引き出しに眠っていた物――それは、遙幻のスケッチブックであった。
画家の遙幻は、文章で日記をつける気にならなかったのかもしれない。
だが別の記録――スケッチブックを遺していたのだ。
夏夜は興味深く皆の輪の中に首を突っ込み……、
「わっ」
すぐに首をひっこめる。なぜかといえば。
「ヌ、ヌード……」
冷徹さがウリの夏夜といえども、その身体、その目は夏朝のものだ。大事な夏朝にこんなの見せられない。
「こりゃーいいおっぱいだぜ! 眼福たぁこのことだ」
利平がひゅうと口笛を吹いたので、ブリジットが窘める。
「そういう視点で見るものじゃないわ。画家なら当然、ヌードデッサンくらいするわよ」
捲っても捲っても女性の裸体。女性の肉体を練習するのが目的だったのかほとんど顔がない。
裸なんて今さらなんとも思わないさゆるは、冷静にスケッチブックを検める。
「どうやら絵のモデルはすべて同じ人物のようね」
「それは事件に関係ありそう?」
夏夜が疑問を口にすると、さゆるは「わからないわ」と首を振る。
「でも調べる価値はあるかも。そういえば芸術科の彼――梨樹だったかしら。彼はどこ? たしか画集を持っていたわよね。これらのデッサンを元に仕上げた絵が載ってたりしないかしら」
◇
そのころ梨樹は、
晴海 飛鳥
とともに、屋敷の外を見て回っていた。
寒い。それに冬の乾いた匂いがする。
さり、さり、と二人分の落ち葉を踏む音。
屋敷の裏手へ回ると藪が鳴った。見れば、人の気配に驚いた狸が逃げるところだった。
ここらはもうすっかり森だ。壁沿いに歩き、庭の方へ回る。
屋敷から張り出したかたちのアトリエ。大きなフランス窓が見える。
飛鳥はカメラを構えるとシャッターを切る。
「色んな心霊スポットに行った僕だけど、ここの雰囲気もなかなかにいいねぇ」
「テンション高いね」
「そりゃそうだよぉ。オカルト好きの僕としては、幽霊と聞いちゃ、黙っていられない。けどさ、そういう君も密かに興奮してない? 好きなの、幽霊?」
「そういうわけじゃ……ただ、遙幻の絵は好きだ。幻の絵を見られる機会なら幽霊は……我慢する」
「ふふっ、かーわいいんだー」
年上の飛鳥におちょくられ、梨樹はふいっと顔をそむける。
飛鳥は面白がって梨樹の正面に回り込んだ。
「ねー君は昼の幽霊は遙幻だと思う?」
遙幻だと思う、と梨樹は答える。
「幽霊が昼に出る理由って何だろうなって考えたんだ。俺が早くに死んだら……やっぱりもっと、描きたかったと思うだろう。遙幻もまだ絵に未練があるんじゃないだろうか。アトリエで昼にしか見えないものを描きたかった……とか……」
梨樹の語尾がすぼまってゆく。
反対に彼の眠そうな目が見開かれてゆくのに気づき、飛鳥はハッとして振り返った。
視線の先にはアトリエのフランス窓。
そこに、人が立っている。
痩身の、和装の男性。
飛鳥は素早く思いめぐらす。今日ここに該当する人物はいない。
それに、すごく……不思議な感覚だ。
窓はそう離れていないのに、彼の輪郭が曖昧にしか認識できない。まるで夢の中みたいだ。
瞬きひとつでも消えてしまう気がして、飛鳥は窓を凝視したまま、梨樹のほっぺたを思いきり抓った。
「痛っ」
「ありがと。夢じゃないってわかった。ってことは僕らいま、昼の幽霊と遭遇してる……!?」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月27日
参加申し込みの期限
2016年03月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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