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【大晦日】旧市街の夜と朝
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【武道と櫻、夜店通りでデートする】
「……なんだ?」
初めてのデートだと言うのに、
楪 櫻
の口から出た第一声は、挨拶ではなくこれだった。
それ程に
志波 武道
は、阿呆のように口を開けていたのだ。
しかしやむを得ない事である。待ち合わせ先の武道の下宿先に現れた櫻は、予想外の華やかな晴れ着姿だったのだ。見慣れた顔と共に武道の目に一気に飛び込んできた和の色気の暴力は、男子高校生をノックアウトするには十分なパンチ力を持っていた。
「びっくりした、いや……綺麗で……」
恋人からするりと飛び出した賞賛を聞いて、櫻はまんざらでもなさそうに唇を上げる。
「いや、毎年初詣には晴れ着で行っているし、特別な事ではないが……。まさかそんなに驚かれるとは思ってなかった」
二人の背後の戸口では、下宿先の米屋の夫婦が興味津々な顔をこちらへ突き出している。どこか感慨深そうな彼らの表情に、根掘り葉掘り聞かれては堪らない! と武道は慌てて櫻の背を押した。
「しかし毎年の事ではあるが、やはり人が多いな」
「そうだねー。それに防寒しっかりしたけどやっぱ寒い!」
暖をとる為に温かい食べ物を選んだが、武道は身を震わせていた。櫻は静かに相槌をうって、彼の掌にのったプラスチック容器から、竹串をひとさしして、揚げ餅を口へ運んでいる。
その所作は美しく格好も相まって、大凡庶民的な食べ物を口にしているようには見えない。武道はまたも恋人に見惚れてしまう。
二人の間で二年参りに行こう決まったのは、つい先日の事だった。
学生の冬休みは日も少なく、部活に打ち込んでいる武道は余計に帰省の暇がない。そんな話しをしていた折に、話題にしたのだったと思う。
——あの時話してて良かった!! 武道が自分を褒めつつ喜びを噛み締めていた時、彼を急に現実に引き戻す出来事が起こった。
「……アレ?」
出会い頭の惚けた顔とは違う間抜けな表情に、流石に櫻も気付いて彼の視線の先へ振り返る。
「どうした?」と聞いてみたものの、近づいてきた何となく覚えのあるような気がする顔に、同窓生か。と気がついて軽く会釈をした。
「……バイト先の。双子が3組のエリセイと2組のレナートで——」
武道の早口の説明は全て言い終える前に、今まさに名前を聞いたばかりのどちらかの声に遮られた。
「デート!?」
周りが振り返るようなでかい声に「兄さん!」と——見た目から弟らしき——少年が咎めたが、今度は双子の片割れが続く。
「だよねぇ、『デート』の邪魔しちゃダメだったねーぇ。わるいぬぇーたぁけぇみぃちぃ」
芝居がかって言いながら、武道へニヤついた横目をぶつけてきた。
半歩後ろに居た後輩たちは揃って頭を下げて挨拶はしたものの、その真ん中に居たロングヘアの猫っぽい少女が口角を思いっきりあげた。
「会長さん、紅緒たちは紹介を待っていてよ!?」
気づけば全員が、爛々と期待に輝く目でこちらを見ている。武道の目は激しい潮流を泳いでいるようで、動揺と恥ずかしさの程が一発で見て取れるのに、知った事かと言う態度だ。
「…………楪櫻ちゃん。クラスの学級委員長で裏番長で……」
「裏番長と言うな、まったく……」
櫻はため息を吐いたが、向こう側はまったく気にしていない様子だ。いつの間にか武道を左右に挟んでいた双子が「そこじゃねえよそこじゃぁよお!?」と右に左に揺する。
「……ハイ、オツキアイシテマス……」
「おーほほほほ!! 明るく見せた根暗な男かと思っていたけれど、和服美女とデートとは、やりますわね!」
「紅緒ちゃん失礼だよお付き合いしてどれくらいなんですかどっちから告白したんですか!?」
「おいイーリャ、店からAK
(*自動小銃のこと)
持ってこい!」
「ちゃんとドラムマガジン
(*つけると沢山弾が撃てるアレ)
つけてこいよ!」
「そんなもの無いよ兄さん、代わりにレモン
(*っぽい形の手榴弾のこと)
でもいいかな?」
* * *
——凄まじい勢いの波は去った。
手水をしている武道の——質問攻めで——ぐったりした顔を見て、櫻は苦笑して彼を突っつく。
「動揺しすぎだ」
「ごめん、恥ずくて……」
情けない声を出している彼をどこか微笑ましく思い、櫻は会話を切り替えてやる。
「人が多いとはいえ、神社の境内に入ると気が引き締まるな」
そう言いながら、櫻は親に教え込まれた作法を慣れた様子でこなしている。武道はイメージ通りだと納得しつつも、感心しきった顔で一人頷いた。そうする間に二人の参拝順が回ってきた。
(今年も一年……私も、志波も、平穏無事に過ごせますように)
(弟と、櫻ちゃんと、皆のフツウを守れますように)
願いは胸に秘め、二人は重なる思いに気づきはしなかったが、顔を上げた互いの表情に心を通わせている。
それから御神籤をひいて、初めてのデートは終わりとなった。
「遅いし暗いから家まで送っていくよ。どこ方面?」
櫻は、破魔矢を握ってい無い方の手をすっと上げ、九夜山を示した。
「え、山!?」
「山頂まで行くわけじゃなし、慣れているから問題ない。気持ちはありがたく頂いておく」
「はぁ……、まだまだ櫻ちゃんの事知らない部分多いんだな……」
後頭部を撫でている武道へ、櫻は瞬きして返す。そうして見合わせた微笑みから、笑い声が溢れ出した。若い二人が互いを知り合う時間は、この後もたっぷりあるのだ。多少謎めいていた方が残された楽しみも多くなるだろう。
「櫻ちゃん……来年も、よろしくな」
「あぁ……、今日も楽しかったよ。
じゃあ、おやすみ。一緒に過ごせて良かった。ありがとう」
丁寧に別れを告げて背中を向けた櫻の姿が完全に見えなくなるまで手を振って、武道はようやく下宿先に向かって歩き出した。
(まっさか俺が弟以外のことでお願いをする日がくるなんてなーHAHAHA★)
気恥ずかしさを誤魔化すように自分に戯けて見せた。赤い色を誰かに見られる前に拭ってしまおうと頰を撫でてみたものの、細めた目は彼の幸せを物語り、誰にも隠せそうにない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
41人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月11日
参加申し込みの期限
2016年03月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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