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年賀状準備中！
〒 神野文房具店
旧市街の商店街にある『神野文房具店』。
セミロングの髪の美人、仙藤 紫が店内を見て回っている。
大人っぽく見えるが紫は高校三年生だ。
受験生の年だが、ＡＯ入試ですでに大学進学を決めているので、年賀状を作成するような余裕もある。
実際には大学から課された入学前課題もあるので、完全にヒマでもないのだが。
毎年親しい人には自分で年賀状を描いて出しているので、今年も白紙の年賀状は確保済みである。
文色鉛筆や筆ペンなどを調達するため文房具屋に来たのだが。
「あら、可愛らしい……」
しかし紫はイラストつきの年賀状や干支のハンコのコーナーの前で足を止めた。
（こういうので出しても悪くないかな……）
と思いつつ、出さずに自分のためにとっておきたい気もする。
「これとこれと……これも買っちゃおう」
親しい人に出すか、部屋の壁にピンで留めて飾るかはあとで決めよう。
そう思いつつ、色鉛筆や筆ペンと一緒に可愛いデザインの年賀状を何枚か買った。
「ありがとうございます。メールで新年のあいさつも手軽さではいいけれど、自分で手作りで作る年賀状って暖かくていいですよね」
レジで会計をする、ショートの髪と男性口調で格好いい男性のように見える店員さんの言葉に、
「そうね。普段から手書きしているのだけど、これ可愛くてつい買っちゃったわ」
紫は笑顔で答え、足取り軽く店を後にした。
赤毛ショートの店員……店の一人娘神野 マキナは、普段は怪しいお菓子をお客に勧めたりもするのだが、この時期は忙しい。
年賀状用の文房具を探しに来る人、カレンダー、手帳、普段使いの文房具など買いに来る人への接客に追われながら充実感を感じている。
（年賀状を作る人へのアドバイスやお手伝いができればいいな）
そんなことを思いながら。
文房具店から旧市街の自宅に帰った紫は、下絵の製作を始めた。
猫と猿が羽根つきをしたり、おみくじを引いて一喜一憂したり、もちつきをしたり……
文房具店で見たハガキのデザインも刺激になり、次から次へと絵が思い浮かんだ。
それをどんどん鉛筆で描いていく。
結局二十数枚ほどの年賀状は、一枚一枚異なった絵になった。
それからハガキに描いた下絵に色鉛筆で彩色する。
ふと紫は、来年はどんな年になるのだろう、と思う。
大学生としての生活が始まり、どんな人たちに出会うのか。
まだ想像はできないけれど、あと３カ月ほどで新生活が始まるのだと思うとドキドキする。
（この年賀状を受け取った人も、そうでない人も、来年が素敵な一年になりますように）
そんな思いを一枚一枚の絵に込めて、紫は丁寧に年賀状を仕上げていった。
神野文房具店を次に訪れたのは、ストレートの黒髪が美しい紅林 柳霞だった。
「こんにちは。年賀状を準備しているんだけどパソコンで印刷しただけじゃなんだか味気ないから、もう一工夫したいんだけど……」
柳霞は、旧市街のアンティークセレクトショップ『ステラ・マリス』の店主だ。
顧客名簿に住所を記入してくれた人に向けての、福袋の売り出しと年明けセールの案内を入れる年賀状を作ろうと思うのだが。
営業用の年賀状としてスルーされないよう、ユニークなものにしたい。
そう思ってまずは年賀スタンプコーナーを見た。
「どう、気に入ったのある？」
マキナは、よくお店に来てくれる柳霞に気軽に声をかけた。
「干支とか賀正とか文字のスタンプが流石に多いねぇ。でもなんというか、こう、ちょっと個性的というか、『らしい』スタンプが良いなぁ」
柳霞は柔和な笑みで返事を返す。
「なるほど、紅林さんらしいね」
マキナは笑みを浮かべる。
「あと、パソコンの機械的な感じだけじゃなくて暖かい感じが出せればって思っているんだけど……マキナさん、なにか良い案ない？」
「それなら、消しゴムはんこなんかどうかな」
「消しゴムはんこ？」
マキナは、柳霞に消しゴムはんこのコーナーを示した。
作業台に、消しゴムやカッター、スタンプなどが並んでいる。
「紅林さんならいいのができると思うよ」
「へー、自分で好きなはんこを作れるんだー。何が必要なの？」
「初心者向けのキットもあるし、それひとつ買えば道具は揃うのでお手軽だよ。自分で絵を描いても良いし、キットに入っている絵を写すのでもどちらでも」
「それじゃ、これひとつください。それとスタンプ台ね」
柳霞は基本セットと、パステルカラーのスタンプ台を３色くらい選んでレジに持っていった。
「毎度ありがとう。スタンプは布に押せるものもあるから、年賀状の季節が終わったあとでも色々と使うことができるよ。あ、いらっしゃいませー」
そこへ、白いロングヘアにキャスケット帽をかぶった寝子高生、旅鴉 月詠が入ってきた。
旧市街の商店街にある『神野文房具店』。
セミロングの髪の美人、仙藤 紫が店内を見て回っている。
大人っぽく見えるが紫は高校三年生だ。
受験生の年だが、ＡＯ入試ですでに大学進学を決めているので、年賀状を作成するような余裕もある。
実際には大学から課された入学前課題もあるので、完全にヒマでもないのだが。
毎年親しい人には自分で年賀状を描いて出しているので、今年も白紙の年賀状は確保済みである。
文色鉛筆や筆ペンなどを調達するため文房具屋に来たのだが。
「あら、可愛らしい……」
しかし紫はイラストつきの年賀状や干支のハンコのコーナーの前で足を止めた。
（こういうので出しても悪くないかな……）
と思いつつ、出さずに自分のためにとっておきたい気もする。
「これとこれと……これも買っちゃおう」
親しい人に出すか、部屋の壁にピンで留めて飾るかはあとで決めよう。
そう思いつつ、色鉛筆や筆ペンと一緒に可愛いデザインの年賀状を何枚か買った。
「ありがとうございます。メールで新年のあいさつも手軽さではいいけれど、自分で手作りで作る年賀状って暖かくていいですよね」
レジで会計をする、ショートの髪と男性口調で格好いい男性のように見える店員さんの言葉に、
「そうね。普段から手書きしているのだけど、これ可愛くてつい買っちゃったわ」
紫は笑顔で答え、足取り軽く店を後にした。
赤毛ショートの店員……店の一人娘神野 マキナは、普段は怪しいお菓子をお客に勧めたりもするのだが、この時期は忙しい。
年賀状用の文房具を探しに来る人、カレンダー、手帳、普段使いの文房具など買いに来る人への接客に追われながら充実感を感じている。
（年賀状を作る人へのアドバイスやお手伝いができればいいな）
そんなことを思いながら。
文房具店から旧市街の自宅に帰った紫は、下絵の製作を始めた。
猫と猿が羽根つきをしたり、おみくじを引いて一喜一憂したり、もちつきをしたり……
文房具店で見たハガキのデザインも刺激になり、次から次へと絵が思い浮かんだ。
それをどんどん鉛筆で描いていく。
結局二十数枚ほどの年賀状は、一枚一枚異なった絵になった。
それからハガキに描いた下絵に色鉛筆で彩色する。
ふと紫は、来年はどんな年になるのだろう、と思う。
大学生としての生活が始まり、どんな人たちに出会うのか。
まだ想像はできないけれど、あと３カ月ほどで新生活が始まるのだと思うとドキドキする。
（この年賀状を受け取った人も、そうでない人も、来年が素敵な一年になりますように）
そんな思いを一枚一枚の絵に込めて、紫は丁寧に年賀状を仕上げていった。
神野文房具店を次に訪れたのは、ストレートの黒髪が美しい紅林 柳霞だった。
「こんにちは。年賀状を準備しているんだけどパソコンで印刷しただけじゃなんだか味気ないから、もう一工夫したいんだけど……」
柳霞は、旧市街のアンティークセレクトショップ『ステラ・マリス』の店主だ。
顧客名簿に住所を記入してくれた人に向けての、福袋の売り出しと年明けセールの案内を入れる年賀状を作ろうと思うのだが。
営業用の年賀状としてスルーされないよう、ユニークなものにしたい。
そう思ってまずは年賀スタンプコーナーを見た。
「どう、気に入ったのある？」
マキナは、よくお店に来てくれる柳霞に気軽に声をかけた。
「干支とか賀正とか文字のスタンプが流石に多いねぇ。でもなんというか、こう、ちょっと個性的というか、『らしい』スタンプが良いなぁ」
柳霞は柔和な笑みで返事を返す。
「なるほど、紅林さんらしいね」
マキナは笑みを浮かべる。
「あと、パソコンの機械的な感じだけじゃなくて暖かい感じが出せればって思っているんだけど……マキナさん、なにか良い案ない？」
「それなら、消しゴムはんこなんかどうかな」
「消しゴムはんこ？」
マキナは、柳霞に消しゴムはんこのコーナーを示した。
作業台に、消しゴムやカッター、スタンプなどが並んでいる。
「紅林さんならいいのができると思うよ」
「へー、自分で好きなはんこを作れるんだー。何が必要なの？」
「初心者向けのキットもあるし、それひとつ買えば道具は揃うのでお手軽だよ。自分で絵を描いても良いし、キットに入っている絵を写すのでもどちらでも」
「それじゃ、これひとつください。それとスタンプ台ね」
柳霞は基本セットと、パステルカラーのスタンプ台を３色くらい選んでレジに持っていった。
「毎度ありがとう。スタンプは布に押せるものもあるから、年賀状の季節が終わったあとでも色々と使うことができるよ。あ、いらっしゃいませー」
そこへ、白いロングヘアにキャスケット帽をかぶった寝子高生、旅鴉 月詠が入ってきた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2016年02月22日
- 参加申し込みの期限
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- 2016年02月29日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2016年02月29日 11時00分
