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【大晦日】シーサイドタウンでカウントダウン☆
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●新年を呼ぶ音色
都内・赤坂のコンサートホール。
深林 真瞭
は自らが所属する楽団のジルヴェスターコンサートに出演するため、そこに立っていた。
クリスマス、大晦日、そして年明けと交響楽団にとって最も多忙な時期。
特に今年は所属楽団で勃発したゴタゴタが解決どころか混迷へ一直線の中での緊張感漂う中での公演なので、別の意味で注目されている。
――失敗は、出来ない。
演目は定番の「第九」だ。これは年が越すのと同時に曲を終えねばならない、ペースを絶対に誤れない大切な曲。バッチリ呼吸とタイミングを合わせなければ大変なことになる。
楽団にとっては今年一年の締めくくりであり、コンサートマスターを務める真瞭は特に、指揮者と同じくらいの重圧に晒されることだろう。最後の音は、ぴたりと1月1日0時00分にしなければ。
(だいじょうぶ……今まで通り、全力でやりきるのみ)
落ち着いて、ただ音楽と向き合うだけ。呼吸を、合わせて。真瞭は大きく息を吸って、吐いた。
それに今年の後半は本当にロクでもないことばかりで、メンバーも甚だ嫌気がさしてるのだから。
――せめて最高の演奏を披露してモヤモヤを吹き飛ばしたい。真瞭はその一心で今日まで練習してきたのだ。自分を信じれば、きっと大丈夫。
それに年が明けたら元旦の休みを一日とって、その後すぐにニューイヤーコンサートと息つく暇もない。
――その後は……その後の事は考えないっ!
ただ、この時に全力をぶつけるまで。ようやく吹っ切ったような表情になった真瞭は静かにヴァイオリンを構えた。開演前、最後の音合わせだ。
深倉 理紗子
は、真瞭から送られた招待状を手にコンサートホールに足を踏み入れる。時刻は21時頃。まだ開場もしていないホールのロビーで、上演ホールの確認をした。
(ここ、だよね……)
開場まではまだ30分もある。
理紗子は、このコンサートにふさわしいドレスコードをと着てきたワンピースの上に羽織っていたコートを脱ぎ、ロビーのソファに腰かけた。
病院勤務医がとんでもなく多忙なのは周知のとおりであろう。理紗子も例外ではなく、連日の過酷な激務に追われた結果、秋にはとうとう過労で倒れてしまったのだ。なにかとんでもない病気にかかって手遅れになる前に『倒れる』という事で体の限界を知ることが出来たのは、不幸中の幸いと言えようか。
おかげで一ヵ月間病気療養の日々を過ごすことと相成り、親友の真瞭には多大な心配をかけてしまったけれど。
そのおかげで多少なりとも自分自身のこれからや、自分の体の『限度』等を知ることが出来たと思う。
現在は病みあがりということもあり、比較的軽い勤務時間に調整して貰ってはいるが、その有給を消化しきれば年明けからまた多忙な日々に突入するのは目に見えている。
医者不足は深刻だ。病を患う人を助けるために、理紗子はとにかく動かなければならない。そう思うと少し、不安な気持ちになるのは否めなかった。
(こんなにゆったりした気持ちでいられるのもあと数日……)
今日の演目を確認し、スッと立ち上がる。――そろそろ開場の時間だ。
(まあ、先の事はあまり考えないでおこう)
コツコツとヒールを鳴らし、ホールの扉を開ける。
静かなホール。貰ったチケットにはS席と記載があった。
一番前の、奏者の顔まではっきり見える上質なシートに収まる。
――数分して、開演を知らせるブザーが鳴った。ざわついていた人々が水を打ったように静まり返る。
照らされたステージの上。少し緊張した面持ちの真瞭を見つけた。
真瞭も、ステージ上からすぐに理紗子を見つける。
(……ここでしくじったら笑われちゃう)
落ち着いて。
もう一度、自分に言い聞かせる。
派閥争いの事は、今は、忘れて。
奏者が指揮者の動きに合わせ、一糸乱れぬ動きでそれぞれ楽器を構えた。
緩やかに指揮者が腕を振り始めると、水際立った演奏が観客たちを魅了していく。
それは、派閥争いが起きていることなど少しも感じさせないほど圧倒的な技術力と表現力を持った演奏。
観客を惹きつけ、呆けさせるほどの音の波はあっという間に時間を過ぎ去らせていく。
そして、――第九も第四楽章へと入った。二度の休憩をはさみ、これが、ラスト。
時計を確認し、指揮者が指揮棒を構える。しんと静まり返ったホールの中に、音の洪水が広がっていった。
(……すごい)
理紗子は息をつくのも忘れるほどに、その演奏にひきこまれていく。
最後の音が鳴り止み、理紗子は時計を見る。
(あ……)
パァン、とクラッカーが鳴り響いた。
大きな拍手。歓声。新年を喜ぶ声。
それで真瞭は悟った。
――時間、ぴったりだ。
今の状況から、考えられないほどの成功。
真瞭は乱れた息を整えながら立ち上がり、客席に向けて深く頭を下げる。
そして、もう一度顔を上げた時にはその瞳にたくさんの涙を浮かべていた。
(まーちゃん……!)
理紗子は友の涙につられるようにして、感涙を流す。
拍手喝さいの中、コンサートは幕を下ろした。
楽屋に戻り帰り支度をしていると、携帯がメール受信のランプを点灯させていることに気付く。
(りさちんだ)
『あけましておめでとう、本当に本当に素敵な演奏だったよ。私まで感動して涙がでてきちゃった』
素直に嬉しくて、真瞭は頬をフッと緩める。
『お疲れ様だけど、このあと一緒に初詣に行かない? 会場近くで待っているから、連絡ください』
真瞭はメールの返信ボタンを押して了承の旨を伝える。
――会場近くのコンビニで落ち合い、真瞭は理紗子に声をかける。
「お待たせ。初詣……久々に氷川神社に行くので良い?」
「うん、もちろん」
こうやって二人でこの神社に初もうでするのも何年ぶりだっけね。
そう言って笑う真瞭に、理紗子は少しあいまいな微笑みで答えた。
「そうだね、……ずいぶん経ったんだね……」
そういえば、理紗子の実家は元麻布。こちらに戻ってきたのだって、実家に顔を出すという目的もあっただろう。
「そういえば、りさちん実家は? 今日これから戻るの?」
ふるり、と小さく首を横に振った。
――……今は帰りたくない心境だった。
「なんとなく、今はまだ。少しお話もしたいし……今夜はまーちゃんの家に泊めてもらっちゃ、だめかな?」
くす、と真瞭は笑った。幼いころからの付き合いだ。なんとなく、どうして理紗子が今帰りたがらないのかも、わかる。
「いいわよ。今日は二人でいっぱい話しましょう」
――優しい親友の笑顔に、ほっと心が落ち着くのが解る。
今年はどんな年になるかはわからないけれど、お互い、少しでも良い方向に向かえるように。初詣で願うのは、互いの幸せであろうか。優しい夜風が、二人の間をするりと吹き抜けて行った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寿ゆかり
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
34人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月08日
参加申し込みの期限
2016年03月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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