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FEAR THE FORCE:前哨
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文面を読み直す。
メールの文面を、ゆっくり、時間をかけて読み直す。買ったばかりの電化製品の、マニュアルを丁寧に確認するかのように。
『警察その他公的機関に訴え出ることがどういう結果をもたらすか想像できる人間だけを選んで本状を送ったつもりだ』
とくに、この一文を。
やっぱり――と顎に指を当て、
黒依 アリーセ
は微笑んだ。少女が路傍の草むらに、四つ葉のクローバーを見つけたときのような笑みだった。
「公的機関に訴えるな……ですか。なら、お友達に連絡はセーフですね」
誰にも知らせるな、とは書かれていない。
メールの背後になにか大きな禍(わざわい)が息を潜めていること、それをアリーセは理解していた。
一人でこれに立ち向かうのは無謀だろう。ののこの救出どころか、逆に自分が囚われてしまうかもしれない。
けれどアリーセには、頼もしいナイトが三人もいるのだ。
同報で三人にメールを送ると、アリーセは地図の場所を確認した。
「この場所……鼻岬窟ね。相応の準備が必要かしら?」
アリーセは、短い準備期間で十分な準備を整えていた。スキニージーンズに防水のアウトドア用アウターをあわせ、足元は履き慣れたスニーカー、背にはショルダーバックをかついでいる。方位磁針内臓の腕時計は防水だ。
バッグの中身も過不足ないつもりである。目印用のチョーク数本、腰下げLEDランタンと予備電池、スマホ、ペットボトル入りの水、ハニージンジャーの飴一袋と、ショコラベリーのパウンドケーキを八切れ、さらには小ぶりのフライパンを入れている。手袋、包帯、さらに安全ピンも綺麗にパッキングしてあった。
日は既に落ち、薄墨のような夕暮れが訪れている。待ち合わせ場所の街灯が照らし出すアリーセの影も、半ばまで夜と同化していた。
最初に待ち合わせ場所に現れたのは、張りのある澄んだ声の持ち主だった。
「黒依のメールを見てはじめは冗談かと思った。もしくは新手のゲームか? と」
獅子目 悠月
、そのテノールの声はしなやかに優雅で、どこか音楽的だ。ブーツの踵が立てる音すら、声にリズムを合わせているように聞こえる。
けど、と無意識的に赤銅色の前髪をかきあげて悠月は言った。
「読み終えた途端、たちまち野々の記憶が蘇ってきたよ。コップの水に放り込んだドライアイスが、たちまち気体になるみたいに」
悠月もアリーセと同様にリュックを背負っている。工事現場で使うような黄色い懐中電灯を手に提げていた。
「記憶を奪われた上にこんな挑発をされるとはな」
やられっぱなしは性に合わない。メールの主がどういう意図であれ、退くつもりは悠月にはない。
やあ、と片手を挙げて、
志波 武道
が姿を見せる。やはりリュック姿、ただし他の二人より荷は軽そうだ。
基本的に朗らかな武道だが、今日は普段に似ず、スキージャンプ台に立つかのように神妙な面持ちをしていた。肌の色もやや血色を欠いている。
「……なんで忘れていたんだろうな、ののこちゃんのこと」
武道のもとにも『Amrita』のメールは来ていた。メールを読んだとき抱いた感覚が忘れられない足元からガラガラと、プラスチックのブロックが崩壊していくように思えたのだった。どうすべきか腕組みして考えていたとき、アリーセから声がかかったのだと彼は言う。
それと、と武道はスマートフォンの画面を人差し指でなぞって、
「来る途中、ふと見たねこったーにこんな文面が流れていたんだ」
と二人に画面を見せる。SNSの画面、他愛のない一言日記や雑談の海の中に、ともすれば見落としてしまいそうな短いつぶやきが流れていた。
「過去と向かい合うのは愚か者のすること
その愚か者を求む」
「発信者名が『Amrita』……それに、同じこの地図情報か……」
「同一の発信源でしょうね」
顔を見合わせる悠月とアリーセのちょうど中間あたりから、
「お、武道君もそれ、みっけたんだねぃ」
第三のナイトがやってきた。
どこか飄々とした身のこなし、口元には、花にとまる蝶のような微笑を浮かべながらも、その眼差しは金色の針のごとく鋭い。
彼こそ、
呉井 陽太
である。
「過去と向かい合う、なんて発言、どういう意図があるんだろうね?」
「陽太くんはどう思う?」
「さぁて……」
陽太はしばらく口を閉ざしてのち、
「誰かを誘っているのかな、なんて思ったけど……まあ、さっぱりだわー。ただ、ののこちゃんのこともあるし、このままにしておいたら危険だよなぁ、とは思うよぅ」
と腕組みして言った。
陽太も他の三人同様リュックを背負っており、さらに腰には軽量のピッケルと、それに結わえることのできるロープを巻いたものを用意していた。ロープは南米の蛇のような斑模様である。
「さてもこうして、メンバーは無事集結したわけで」
悠月は告げる。
「いざや挑まん洞窟に、ってやつだな」
「了解」
陽太はうなずいて、ポケットから小さな粘土細工を取り出した。
「こちらは、お馴染みカスミさんだ」
手のひらサイズの粘土細工は、可愛らしいクマの人形なのだった。なかなか上手にできている。ぱっちりした目と、ぽってりした唇が特徴的だ。ピンクのキャミソール(?)を着ていた。
「カスミさん、仕事の時間だよぅ」
陽太はクマを指でつつくと、巨人国の王妃がガリバーを扱うように丁重に、これを入口に置いたのである。
陽太の『ろっこん』は音もなく効果を発揮した。クマのカスミさんはその小さな足でちょこんと立つと、意思があるかのように岩陰に隠れたのだった。
「さて、これで出入り口の確保は万全。なにかあれば、いちはやくオレが知らせるから」
陽太は、この粘土細工と視覚の共有ができるのだ。
「お次はパドくんの出番だねぃ」
やはりポケットから別の粘土細工を取り出す。やはり可愛らしい手のひらサイズ、コミカルながら目つきの悪い、舌を出した黒犬の人形だ。
つついた途端、黒犬の人形は「待ちかねたぞ」と言わんばかりに、ぱっと陽太の手から飛び降りた。パドくんは洞窟の入口に向かって駆け出し、振り返って「来ないのか?」と言うように一同を振り返ったのである。
「小さくて頼もしい捜査犬の登場ってわけだな」
武道は笑った。洞窟内が一本道だとか、障壁がないとか、そういった楽観視はしていない。用心するににこしたことはないのだ。
黒犬の粘土細工を先行させ、武道と陽太が前衛、アリーセを中央に置いて悠月が後衛を務める。彼らの目的はただひとつ、ののこを取り戻すことだ。
ゆえに彼らは、『奪還』というチーム名を自分たちに冠していた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
バトル
神話・伝説
定員
20人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月18日
参加申し込みの期限
2016年07月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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