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FEAR THE FORCE:前哨
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ねこったーで流れてくる情報は膨大だ。
うっかりしていると情報の海に、宝剣のように貴重な情報を見失うことはままある。
そうして一度波に呑まれた情報は、そうそう浮かび上がってくるものではない。インターネットの世界では、二度と巡り会えないことも珍しくない。
パソコンでねこったーを立ち上げ画面に見入っていた
七枷 陣
が、その情報に遭遇したのは僥倖だったのだろう。
おおよそ一日半前の投稿だった。たまたま、友人の投稿した過去投稿を読もうとしていて見つけたのだ。
「『過去と向かい合うのは愚か者のすること』……なんやこれ」
口に放り込んだままにしていたチョコバーをぽきっと折って、陣はそのメッセージをクリックした。
「『その愚か者を求む』? 意味わからんわ」
普通なら、1.2秒で忘却のシュレッダーに流れてしまいそうなこの情報であったが、なぜかそれは、前歯の裏に張り付いた海藻のように陣の心にひっかかったのである。
愚か、という扇情的な文句。
過去と向かい合うという、どうしても二度見、三度見してしまう一言。
字面だけではない。なんとなくこのメッセージの主は、陣に当ててこの文章(というほどの長さでもないのだが)をしたためたのではないか、という気にすらなってくる。
向かい合いたいんだろう?
お前は、愚か者だろう?
そう言われているように思えてならないのだ。大変、心外なことなのだが。
「ええい! なんやねん! もう!」
引用して拡散するのならほんの数動作だ。陣は迷ったあげく拡散アイコンをクリックしていた。自分のメッセージも書いておく。
j_maxus:黒歴史(デス)ノート保持者かな?
最近ネット配信で観た映画のテーマソング、ノミだかダニだかがカリフォルニアに出かけていくというタイトルのファンクロックを口ずさみながらメッセージを流す。
ネット社会では友人の多い陣ことj_maxusである。またたくまにこの拡散メッセージが新たなる拡散を呼び、引用、孫引用、曾孫引用……という塩梅で、ある種のアメーバのごとくたちまち増殖して広がっていった。
するとたちまち「ホンマか久藤!?」「なんだってーΩ」「天地爆烈!」など意味不明な反応が次々とねこったーユーザーから返ってきたので、それぞれに対しても同様のネタでやり返す、そうするとまた反応が……といったやりとりを散々やって遊んでいるうち、陣の顔に浮かんでいた半笑いは、昼が近づいた朝顔のようにしぼんでいったのである。
j_maxus:じゃーねるわー
簡単に一言打ってねこったーを閉じると、陣は下唇を軽く噛んで、ネット上の地図を起動していた。
「ガセやろけどな……ほんま、バカバカしいわ」
いつの間にか陣は、その場所への正確な行き方を調べはじめていた。
彼にも、向かい合いたい過去がある。
◆◆◆◆
虚ろな夜と虚ろな朝の間の虚ろな時間。
虚ろな快楽の残滓を纏って目が覚めたのはどこかのホテルの一室。
人は黎明に希望を見出すというが、
朝鳥 さゆる
が薄暗がりに見るのは重さばかりだ。重くて、おまけに黒くて傷だらけの生、これをボロボロの細い綱で引きずるだけの毎日。
今日もまた、望むと望まざるに関わらず、さゆるは生を運搬しなければならない。
――けれど、どこへ向かって運ぶというの?
音もなく身を起こすと、しわだらけのシーツを胸元に引き寄せ、さゆるは冷たい吐息をついた。
首を巡らす。
すでに相手の姿はなかった。名前も、顔すら覚えていない男……いや、女だったかもしれない。
サイドテーブルの上には電話番号を書いたメモと、二枚の一万円札が残されている。どちらにも、手を触れようという気すら起きなかった。
聖夜以来だ。
あの夜、船内にあった『アンダーグラウンド・バー』での片篠藍人とのつかの間の邂逅が、さゆるをさらに追いつめていた。
目覚めて見る夢の毒素に心を酷く蚕食され、彼女の自傷行為は激しさを増すばかりだった。
今やさゆるにとって夜は、終わりを知らぬ苦しみであった。長く虚ろな夜をやり過ごすには、愛のない快楽か、日に日に量を増す睡眠薬の眠りが必要になる。
だがそれは問題から目を逸らす対処療法でしかないのだ。後に残されるのは、虚ろな痛みだけである。
灰色のカーペットに素足を置き、一糸まとわぬ姿で立った。
開けっぱなしになったクローゼットに鏡があった。鏡には、血の気のないさゆるの顔が映っている。大理石のような肌も、張りのある乳房も、その下にあるものも、すべて。
けれどそこには、干からび、病んだ魂は映っていないのだ。
脱ぎ散らかした服の中から、自分のスマートフォンを拾い上げる。
壁紙に設定しているのは、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの『シャロットの女(1888年)』。画中の女性の顔を隠すように置いたアイコンをクリックすると、短時間、アイコンが消えて絵のすべてが表示され、すぐにねこったーが立ち上がった。
特にチェックすべき内容があったわけではない。服を着ることすら億劫で、何気なく立ち上げたに過ぎなかった。そのとき最初に飛び込んで来たのが、「Amrita」からのメッセージだった。
「……!」
鈍磨したはずのさゆるの胸の内の、何かが疼いた。
――過去。確かにそんなものと向き合うのは愚かしい。
それなのに……。
薄い靄は今なお、さゆるの頭を覆い尽くしている。
それでも彼女は、洞窟を訪れようと思っていた。
◆◆◆◆
蝸牛のような速度ながらも、それから数日が経過した。
やがてAmritaが示した当日が訪れたのである。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
バトル
神話・伝説
定員
20人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月18日
参加申し込みの期限
2016年07月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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