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守護霊が見える日
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2 役者の守護霊
浅葱 あやめ
は、浅葱眼鏡店で今日も眼鏡を売っていた。お客の入りは上々で、店内には何人かのお客がいる。
新しく眼鏡を作るお客の視力を測り、レンズの厚みを決めて、フレームを預かり完成日を伝える。
持ち込まれた歪んだ眼鏡を修理する。
そんな仕事を、笑顔を一度も浮かべないままにこなしていく。自分なりに接客をしているのだが、明暗どちらかと問われれば「暗」としか言えない気質の彼には、これが精一杯だった。
常連のお客は彼の接客にも慣れて気にしないが、初めて来店するお客の中には良い顔をしない人もいる。
「……ありがとうございました……」
お客を見送り、人がいなくなった店内であやめはひとつ息を吐いた。このままの仕事のやり方で、店を続けていけるだろうか。祖父が始めた、この店を。
お客がいない間に、彼は展示台の埃を払ったり、注文を受けている眼鏡の調整をしたりする。静かな空間で、黙々、黙々と。
作業をしている時、あやめの心は落ち着いている。目の前のものにだけ意識を向け、リラックスにも近い状態で時を過ごす。とはいえ、いつお客が来てもおかしくない。店の入口は、それなりに気にしているつもりだった。
つもりだった……のだが……
「…………」
気が付くと、カウンターの前に人が立っていた。「!」と驚いて顔を上げ、慌てて言う。
「……ぃ、いらっしゃいませ……」
そのお客はテンガロンハットを被り原色の緑のジャケットを着て、白いスラックスを穿いた男性だった。歳は30代半ばくらいだろうか。
眼鏡はかけていなかった。コンタクトレンズをつけているのだろうか。
(いつの間にお客様が……。気が抜けていただろうか。こんなことではいけないのに)
立ち上がり、接客をしようと話しかける。
「あの、ご用向きは……」
男性の顔を直視しないままに聞いてみる。すると、男性はこう言った。
「眼鏡はいらないよー。あやめ君」
「え、い、いらない……?」
だったら、何をしに来たのだろうか。というか、やけになれなれしい。
「え……えと、もしかして、お会いしたことがありますか?」
「ううん。ないよ? 僕はあやめ君の守護霊だからね。きみが生まれる前に霊になっちゃったから」
「……へ。……守護霊……?」
冗談には聞こえない、当たり前のことを当たり前に言っているという感じだった。
あやめは、ぽかんとしてしまった。男性の顔をここで初めてまともに見る。どこかひょうきんなイメージのある顔立ちだった。服装も、よく見るとユニークだ。彼のような服装をした男が外を歩いていたら、それは人目を引くだろう。
「まあ、初めましてだね。よろしく!」
男性は、あやめに手を差し出した。握手を求めてきているのだろう。拒む理由もなくあやめも手を出す。だが、握手は出来なかった。握ろうとしても、握れなかったのだ。確かに、差し出された手がそこにあるのに。
「え……ぇ」
「これで、霊ということはわかったかな! 守護霊ということはともかく、霊ということは」
「……ぇ、ぅええと、……ええ……?」
想定外の状況にとても弱いあやめは、混乱した。受け入れられない、というのとは少し違う。受け入れるべきことだと分かっているからこそ、混乱した。
――でも。やっぱり。
「ん、まだわからないかな?」
「え、え、あの……すみません……やっぱり……守護霊なんて……仰る意味が……僕には、よく……」
やけに堂々としている男性霊に、あやめは委縮してしまう。
「ん? わからない? 信じられない?」
男性霊はオーバーな程にきょとんとした。彼が自分とは正反対な性格であることを確信すると同時に、自分の心境を理解されないことにあやめは動揺してしまう。申し訳ない気持ちになって、あやめはつい謝ってしまう。自信がなく、小心者だから謝るというのもあるが、ネガティブ思考で必要以上に物事を気にしてしまう彼は、すぐ自分を責めてしまうのだ。
「……う、すみません……」
「なんで謝るんだい?」
「え、あの、それは……まさか……と、思って。守護霊、なんて……」
どもってしまう。
いや、これでは守護霊さんに失礼だ――そう思うから、言葉に詰まる。どう言えば、失礼にならないだろうか。
「まさか?」
「……す、すみません……まさか……なんて、失礼ですよね、すみません……。……僕なんかを、護ってくださっているなんて……」
言いながら、そんな価値ないだろうに、と内心思う。
「…………」
守護霊は、黙った。今までの明るい雰囲気から一転、難しそうな表情をしている。
「……つ……つまらない、ですよね……僕を見ていても……」
「…………」
しばらく、守護霊は黙っていた。それから、言う。
「今日、こうして、きみに見えるようになって良かったよ」
「……え……?」
「前から言いたかったんだ。きみは、もっと自信を持っていいんだって」
「ぇ……え……?」
ますます混乱するあやめに、守護霊は続ける。
「つまらないよ。でも、つまらなくもない。きみはいつも、一生懸命だからね。一生懸命な人を見ているのは、楽しいよ」
「そ……そう、ですか……?」
あやめには分からなかった。理解できない、というのが正しいか。
「それにきみは、舞台であんなに輝いているじゃないか! あれは、立派なきみの一部だ。たとえ演技だったとしても、その『演技』ができる人は多くない。演技をしている時のきみは、普段隠れているきみなんだよ」
「あ……あう……」
あやめの目がぐるぐるしてくる。だが、守護霊の言葉は止まらない。
「仏頂面のきみも悪くはない。ただ、もっと自信を持てばいいんだ。24時間365日、時には366日、きみを見ていてそう思っていたんだ。ずっと、伝えたかった……」
「24時間365日……」
ぐるぐるしながらも、あやめの底の底にある冷静な部分が思う。
(それって、守護霊というよりストーカーなんじゃ……)
トイレや風呂も見られているのだろうか。その辺りは遠慮してほしいところだが。
「きみは幸せになれるよ。ならなきゃいけない。双子のお姉さんに運を吸い取られている部分はあるけどね」
そんなことを考えていたあやめは、その言葉で意識を引き戻された。顔を上げると、守護霊は言った。
「好きな男性と一緒になって、幸せになるんだ」
「え……あ、あの、あなたは……」
守護霊はあやめの秘密も知っていた。『普通のふり』を徹底しているから、同性愛者であるという証拠になるものは何一つ残していないのだが。
「僕は、お笑い芸人。寿命を全うしたんだけど、こうして活動していた時の姿を取っているんだ。その僕が言うんだから間違いない」
それだけ言うと、そのお笑い芸人の守護霊はふっと目の前から消えてしまった。
「あ……あ……!」
あまりの出来事に、あやめはその場に尻もちをついた。体が震える。
何とか落ち着きを取り戻せたのは、店にお客が入ってきたおかげだ。接客をしながら、あやめは思う。
自分に幸せなんて訪れないだろう、と思っていた。幸せを願ってくれる友人はいるものの――
(……幸せにならないと……かなぁ……)
何となくプレッシャーを感じながら、あやめは接客を続けた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
沢樹一海
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
14人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月17日
参加申し込みの期限
2016年02月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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