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守護霊が見える日
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12 5人の守護霊
星が丘にある一軒家に、彼等は集まっていた。日当たりの良い部屋で、大人数用のテーブルを囲んで座っている。本来、幽霊は椅子をすり抜けてしまうはずなのでもしかしたら空気椅子かもしれない。重力の影響を受けない以上、空気椅子をしても辛いということはないだろう。いや、物理干渉もしようと思えばできると言っていたし、やはり実際に座っているのだろうが。
(気分で座っているのだろうな)
と
八神 修
は思った。体重を預ける必要があるとも思えない。
「改めて……こんにちは、守護霊様」
自分も卓につき、修は集まった幽霊達に笑顔で言った。彼の守護霊は、1人ではなかった。5人だ。5人の、教科書に出てきそうな面々が座っている。出てきそうというだけで載っているわけではないのだが。
1人は、平安の公家。
「こんにちは」
1人は、戦国の武将。
「こんにちはである」
1人は、明治の医師。
「どうも」
1人は、太古の女霊能者。
「よろしくな」
1人は、江戸の発明家。
「やあ」
――5人は、死んでからも霊として意識を持って過ごしていた為、現代の知識を問題なく有していた。言語も然りで、すっかり現代に馴染んでいる。
「さっきも言ったけど、恐らく神魂の異常だと思う」
持ってきたお茶を飲み、修は話し始める。お茶に関しては、先に守護霊達に飲めるかどうか聞いて、飲めないことを確認している。残念なことだが、彼は1人、お茶を楽しんでいる。
「テオが切り分けてないから異変は半日から長くて1日だろう。その間、有意義に話をしたいと思ってるんだ」
折角、意思疎通ができるのだ。限られた時間を、できるだけ有効に使いたい。
「ああ、好きなだけ質問するといい」
平安の公家がにこやかに言う。
「じゃあ……、まず、死んでから守護霊になるまでの経緯を教えてもらえるかな。生きている者として、非常に興味があるんだ」
「そういうものか。私は生きている頃から死後の世界について知っているからそんなこと考えたこともなかったな」
太古の女霊能者が興味深そうに言う。
「そういうものだよ。私も霊と接触する方法がないかと研究したものだ」
江戸の発明家は面白そうだった。彼は、自分が死んで守護霊になった経緯を話す。他の3人も、口々に修に話して聞かせた。守護霊達は、それぞれの事情について熟知しているようだった。人が生きて過ごす時間の何倍もの年月を共に過ごしているのだ。飽きるほど話しているのだろう。
「普段は、どう過ごしているんだ?」
その質問にも、守護霊達は楽しそうに答えてくれた。彼等は死んでからも退屈しない毎日を過ごしているようだ。だが、首を傾げたくなる程に修を守護したという話は出てこない。守護霊の筈なのだが。守護エピソードがないとはどういうことか。その割に、修が遭遇した数々の出来事についてはよく知っている。見るだけは見ていたということか。
「ずっと、近くで見ていたのか?」
「見ていたであるよ。それこそ、そなたが生まれた時からずっとである」
戦国の武将が言った。彼の口調は、この世に留まっているうちに斜め上に進化したらしい。口調は武将らしくなかったが、声からは人を動かしていた時代の威厳が感じられる。
「だから、僕達は君の親のような気持ちになってしまっているんだよ。守護霊といえど、干渉できることには限りがある。例えば、君が熱を出した時に僕の医学知識で君を治すこともできない。見ているだけしかできないから、猶更に大事に思ってしまうんだ」
明治の医師が優しげに言う。「親……」と、修は少し戸惑った。それなら、と、彼等に訊く。
「俺の将来の進路について、感じていることもあるのか?」
自分は今、医者になろうか政治家になろうか決めかねている。それを、言わなくても承知しているらしく、明治の医師は頷いた。
「僕が医師だから思うのかもしれないけど、君は子供の頃から医者になろうと思っていただろう? それを貫いてもらえると嬉しいな」
「いや、子供の頃と今は違うであろう。地元の発展や国の行く末を考えるなら政治家を目指してみるのが良いのではないか。誰しもがなれるものではないが、拙者は応援しているのである」
戦国の武将が反論する。次に発言したのは平安の公家だった。
「自分のやりたいことに生きてみたらどうだ。趣味が勉学なら、それを追求するのも良いぞ」
「身近な人と共に生きる道もあるな。医者や政治家が身近な人と生きられないというわけではないが」
太古の女霊能者が言う。修は黙ってしまった。見事にばらばらだ。最後に江戸の発明家が口を開く。
「人の意見を聞くのも大切だが、それに従ってはいけないよ。誰が何を言おうと、結局、将来を決めるのは修自身だ。修なら、それは分かっているだろう?」
「……ああ、もちろんだ」
修は笑顔で応えた。それは、当然分かっている。
「説教臭くなってしまったね。他に何か聞きたいことはあるかい?」
「そうだな……。皆の生前の人生や、やり遂げたこと、やれなかったことについて聞きたいかな」
「……なるほど、それが何かの参考になるなら話すとしようか」
平安の公家が口火を切り、皆も自分の一生について語り出す。5人分の一生というのは5分10分で語り尽せるものではない。話を聞いているうちに、あっという間に夜になってしまった。
「…………」
ベランダから星を見上げる。守護霊5人は、話を白熱させていた。もはや、修が入り込む隙はない。普段から、こうして過ごしているのだろう。これでは、霊が見えていない時と一緒だ。だが、今はいつもは聞こえない彼等の話が聞こえる。その話は耳を傾けるに足るものだった。話を聞きながら自分の人生を見つめていると、修の周りに動物霊が集まってくる。動物霊は、言葉を喋らなかった。鳴き声だけでは分からなかったが、今、人の目に見えているのは守護霊だけの筈だ。ということは、この動物霊達も守護霊なのだろうか。
甘えたような声を出す動物霊達に嬉しくなって、修はその頭を撫でる。その時、5人の守護霊達がベランダに出てきた。
「そろそろ時間のようだな。何となく、そんな気がするのだ」
太古の女霊能者の言葉に、修は頷く。
「何か、俺に望むことはあるか?」
5人は顔を見合わせ、戦国の武将が代表して言う。
「これからも、楽しませてくれればそれでいいであるよ」
「……そうか。今日はありがとう」
『……ありがとう』
名残惜しさを感じながら霊を言うと、5人は同時に笑って応え――そして、消えていった。
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担当ゲームマスター
沢樹一海
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
14人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月17日
参加申し込みの期限
2016年02月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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