this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
蜜より甘い夢の味!?
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
つぎへ >>
見慣れた街並みの中を、
屋敷野 梢
は歩いていた。と、その時である。
「!?」
それは、突然の出来事だった。
無人の乗用車が、吸い寄せられるようにして梢の方へと突っ込んでくるのが緑の瞳にありありと映る。
よけなきゃ! と梢が思った、その途端。
「危ないっ!」
傍らから声がして、気づくと梢は、誰かに抱き留められたまま歩道に転がっていた。
身を起こした『誰か』が、梢の顔を見て、ふわりと微笑む。
「よかった、無事だ」
身を挺して梢を守ってくれたのは、心強いような印象を与える青年だった。
その顔に浮かぶ笑みを見て、この人はきっと自分にとってとても大切な人だと梢は思う。
そう、先ほどまでだって、彼は梢の隣にいたのだろう。
けれど、何故だかその名前が思い出せなくて――だから梢は、彼を『貴方』と呼ぶことにした。
「私は無事でも、貴方は怪我してるじゃないですか」
見れば、青年の頬は、額から伝った血に汚れている。
それなのに、青年はそんなことなど関係ないとばかりに明るく笑うのだ。
「これくらい、何ともないよ。だって、君に怪我がなかったんだもの」
「あの、何で守ってくれたんですか?」
「何でって、そんなの君のことが、世界で一番大切だからに決まってる」
歯の浮くような台詞だ。けれど、青年に嘘を言っているような様子は見られない。
だからこそ梢は、下手に訝しむことなくその言葉を笑いとばすことができた。
「そんな言葉、信じるほど軽い女じゃないですよー」
「それでもいいよ。君がどう思っても、僕の一番は君だ」
立ち上がり、梢に手を差し伸べる青年の眼差しはどこまでも優しい。
仕方なく伸ばされた手を借りて立ち上がり、服についた埃を払いながら、
(……どうしてでしょう。心を、許してしまいそうになるのは)
と、梢は思案の世界を潜る。
ずっと欲しかったものを手渡されているような、そんな心地がしていた。
それに、一番だと言ってくれるなら誰でも良いや……と、彼の言葉に甘えてしまいたい思いもあって。
だから梢は、青年へと己の手を差し出した。
青年が、その意図を量りかねてか首を軽く傾けたので、
「可哀想なので、手くらいは繋いであげてもいいですけどねー」
なんて、悪戯っぽく冗談っぽく、付け足してみせる梢である。
青年の顔に晴れた笑みが浮かび、その手が梢の手に触れようとしたその瞬間――、
(……?)
言い知れぬ違和を感じて、梢は後ろを振り返った。
何かに引き留められたような、そんな感触があったのだ。
目に映ったのは、小さな花からひらりと舞い上がる、黒い蝶。
僅か目を瞠って、梢は手を静かに下ろした。
怪訝な顔をする青年へと、投げる言葉は。
「ね、その前に。1つだけお願いしてもいいですか?」
「勿論! 君のためなら、何だってできるよ」
梢の頼みに、一も二もなく青年が頷く。
梢は仄かにこりとして、先ほど蝶が飛び立ったばかりの可憐な花を指差してみせた。
「……そこにある花を、千切って、私にくれませんか?」
青年の顔に、僅かながら引きつったような躊躇いの色が浮かぶ。
やっぱり、と、自嘲めいた笑みをその口元に乗せる梢。
「そうですよね。やっぱり……貴方にとっては、ここが1番ですもんね」
なんとなく分かってた気がしますと付け足せば、「違う」と青年は緩くかぶりを振ってみせた。
「違う、違うんだ。僕は……」
「私の1番は、貴方じゃないです。貴方の1番は、私じゃないです」
「そんな……そんなこと……」
「お互い、サヨナラが幸せなんです」
青年へと、梢は声を淀ませることなく宣告する。
この青年は、きっと心底から梢を大切に想ってはくれているのだろう。
誰の一番にもなれたことがないと思っている梢を一番にしてくれた願望の化身のような青年は、あの花を損なえば儚く消えてしまう。そんな予感が、梢の胸にはあった。
そして、この幸せが消えゆくものなのだとしたら、梢には帰るべき場所が恐らく別にある。
「おあいこなんです。私もきっと、元の世界のほうが好きですから」
言うや、梢は咲き誇る花の元へと静かに歩み寄り、それをくしゃりと握り潰した。
世界が揺らぎ、崩壊の序曲を奏で始める。
全てを思い出した梢は、今はもう泣きそうな顔をしている青年の方へと顔を向けた。
自分を傷つけるモノから守ってくれた、梢の世界には存在しない彼へと声を掛ける。
「素敵な蜜をありがとう。さよなら、少しでも大切に思ってくれた貴方」
「……っ」
青年が言葉を詰まらせる。その間にも、世界は端から解けていく。
「……ここじゃない何処かで、綺麗な花を咲かせて下さいね。いつか、また蜜を貰いに行くかもしれません」
――だって、私、蝶ですから。
梢の声は、一つの世界の終わりを告げる白い光の中に、ゆるりと溶けて消えた。
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
蜜より甘い夢の味!?
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月15日
参加申し込みの期限
2016年02月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!