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【クリスマス】シーサイドタウンのクリスマスイヴ
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●恋人たち(1)●
【寝子ヶ浜海浜公園】
そんなこんなでゴンドラの中でひと騒ぎあって、気が付いたらもう地上に戻っていた。ぐったりして観覧車を降りる
浮舟 久雨
とは対照的に、
「ふむ、楽しい時というのは、あっという間に終わってしまうものだね」
などと、まだまだ
畑生 言嗣
の方は余裕たっぷり。そういえば、苦手な高所のことなどは、途中から久雨も吹っ飛んでいたけど、今はそれを喜ぶ気力もない。
「──気を取り直して。言嗣」
近くの公園までしばらく歩いて、ようやく自分のペースを取り戻した久雨がおもむろに言う。
「貴様へのクリスマスプレゼントを考えたのだが……
正直、どれもピンと来ないまま今日を迎えた」
「ふむ、クリスマスプレゼント、かね?
そこまで気を遣ってくれていたとは……いやはや、恐れ入ったよ」
「そこでだ。何が良い?」
自分であれこれ考えるより、直接訊いた方が早い。そう思った久雨が単刀直入に言う。
「私が叶えられる事ならば応えよう」
「私の、欲しいものか。それは勿論……」
そっと耳許でそのひと言を囁かれた、久雨の顔が一瞬で朱に染まった。
「貴様……本気か?」
畑生の顔を見返すが、「勿論本気だとも」と彼は頷くばかりだ。
「……分かった、二言は無い!
その代わり。来い」
真っ赤に染まった横顔に見惚れている様子の、畑生の手を有無を言わせずぐいぐい引いて。
たどり着いたのは、公園の中でも奥の方に入った、街灯もない人気の無い場所だった。
さっき畑生から告げられたのはただ、「口付けを」のひと言。
何度も言うが、久雨に二言は無い。せめてもの目隠しを、と思った木の幹を背に、久雨は畑生と対峙する。手をどこに持っていったら良いのか、いきなり分からなくて、とりあえずその手を彼の両肩に置く。絶対違う気がする。でももう取り返しがつかない。
(ええい、震えるな、私!)
これに比べれば、さっきの高所の緊張など、まだ可愛いものだった。
観念してぎゅっと眉根を寄せ、目を閉じる。そのままゆっくり顔を……近付け……
互いの鼻がぶつかり、驚いて離れた。
「す、すまん! そのっ、距離が上手く掴めず……」
(失敗だ。これでは贈り物にならん)
後悔と恥ずかしさでうつむき、久雨はその肩を震わせる。どうして自分はいつも。けれど、そんな彼女を優しく見ていた畑生が、ここが潮時と声を掛けてくれた。
「なに、問題ない。君と触れ合えたのだからね」
今はこれでも良かろう。充分だ……そう思って、来た道を戻ろうとした畑生が、
「待ってくれ!」
服の裾を掴まれ、その場に引き留められた。振り向けばそこに、耳まで顔を赤く染めている、恋人の姿が。
約束を破りたくはない、ただその一心で、久雨が口をひらく。
「……まだ」
「?」
「わ、私の分の……私の分の、プレゼントが……まだ」
(察してくれ……私からするより、奴からしてもらった方が確実だ……)
目を閉じて棒立ちになっている自分に、誰かの近付いてくる気配がする。震える身体を、慈しむように大切に抱かれる。
「……あぁ、そうだったね。では今度は私から」
耳許でそう囁いてくれたのは、もちろん最愛の人の声だ。
(素敵なプレゼントを貰ったのだ。私からも、ね)
くすっと最後に笑って畑生は、それから彼女の唇にそっと、お返しをするのだった。
ん……
「……頬が熱い。きっと、赤い」
それからずいぶん経って、再び街灯の下に、2人の影法師が現れる。久雨が頬に手を当て、
「こんな顔で帰ったら心配されそうだな……」
畑生が、その肩をそっと抱き寄せ、
「何、今日は寒かろう。
今宵に限っては、気にする者なんていないさ」
そうして2人の影法師はぴったり寄り添って1つに溶け合い、長い長い夜道を帰っていく。
【寝子ヶ浜海岸】
観覧車を降りてから、2人の口数はめっきり少なくなった。
志波 武道
が、途中の自販機で温かい飲み物を買ってくれたが、
楪 櫻
はその缶を開けずに、ただ大切そうに手袋でそれを包む。無言で進む武道の背中だけを見て歩いているうちに、櫻は自分たちが、寝子ヶ浜の砂浜までやって来たことに気付いた。
「ごめんねー寒い所連れてきちゃって☆」
ようやくそこで武道が振り向き、少し照れくさそうに言い足す。
「俺が一番落ち着ける場所、って所かなー」
ゆっくりと櫻も、辺りを見回して、
「確かにここは静かだし、落ち着くというのは分かるよ」
無人の砂浜と、その向こうに広がる夜の海。今宵の街の喧騒も、ここまでは届いてこない。ただ観覧車のイルミネーションの灯りが、時折り2人を照らし、あるいは海に吸われてゆく雪を、幻想的に浮かび上がらせるばかりだ。
そのまま暫く、ただ黙って並んで打ち寄せる波を眺める。
それから改めて武道が、さっき櫻から貰ったプレゼントの礼を述べた後、
「……俺も渡したい物あったんだよね、2つ」
まずこれ、と小さな包みを櫻に手渡す。中身は白薔薇のバレッタだったが、櫻は次に彼がポケットから取り出した、白い封筒の方に気を取られた。
「そしてもう1個……」
それは何の変哲もない、ただの白い封筒だ。
けれど自分は、この手紙が何なのか知っている。確信がある。かつて自分も、同じ物を手にしたことがあるからだ。
「これは……」
「覚えてるかな?
あの事件……
」
神魂が写し取ったと言う、彼の奥底にある想い。
「これが俺の気持ち」
櫻が
そのラブレター
を受け取り、淡い桃色の桜柄の便箋を開いて、その文面に目を通す。
「好きです、俺と付き合ってください」
そう言い切って深々と頭を下げたまま、武道はじっと彼女の返事を待つ。
待つ。
大丈夫、大丈夫と、悲鳴を上げそうになる自分を叱咤し、言い聞かせる。
(断られても、いつもの馬鹿騒ぎな俺に戻るだけ……
……大丈夫、怖くない……覚悟を決めろ俺!)
武道からの言葉を聞いて、そして頭を下げる彼の姿を見て、櫻の顔には笑みがこぼれていた。
答えなんて、決まっている。
その答えを言えることが、今はこんなにも嬉しい。
「あぁ、もちろん。喜んで。
……私も、お前が好きだ」
全ての精魂を使い果たしたように、砂浜に武道が倒れ込む。呆然としている彼に、櫻が微笑みながら手を差し伸べる。ようやく理解が追いついた武道がみるみる安堵の笑みを浮かべ、「これからよろしく☆」とその手を握り返す。
何度も自分に問い返した、その答えが、今の櫻にはもう迷わず言える。
私はいったい、どうしたいのか。
──志波の傍にいられたらと、そう思う。
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担当ゲームマスター
鈴木二文字
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
コメディ
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月12日
参加申し込みの期限
2016年02月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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