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- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【クリスマス】シーサイドタウンのクリスマスイヴ
●恋人たち（２）●
【寝子島マリンパラダイス付近】
こちらは、水族館デートをたっぷり楽しんできた、雨崎 荒太郎と西野町 かなえ。２人が入場する頃にちょうど降り始めた雪は、マリンパラダイスを出る頃にはもう、薄っすら積もるぐらいの本格的な雪になっていた。
「わ、出てきたら真暗やね……あ、ほら雪が降ってるで」
「かなたん、その格好で外寒くない？」
「大丈夫だいじょぶ、へっちゃらやでー♪」
気遣う雨崎の心配をよそに、外へと駆け出し、くるくる回るミニスカサンタ。
「一発芸……とうふ！」
積もった雪を、ギュッと四角く固めて、かなえがそれを投げる真似をする。
「ワー、気絶させられちゃうよー（くるくるばったり）」
「うん……これはホンマに危ないから、やめとこーな……（置き）」
まあ、そんな感じで相変わらず、仲の良い２人だ。雨崎の方も彼女に続いて外に出て、空から落ちてくる雪を、その掌で受けてみる。軽い。
「わー、すごい、羽根みたいにふわふわー。
羽根といえば、そうそう、プレゼントっ」
雨崎が小さなギフトボックスを、がさごそと鞄から取り出した。かなえが受け取ってそれを開けてみると、中身はシルバーの髪留めだ。ちょうど羽根の形のデザインをしている。
「フィンランド雑貨のお店で買ったんだー、
かなたんのあかるい髪の色に合わせたつもりなんだけど」
「わ……かわええ、本当にもらってええの？」
「うん！ ほら、お正月の晴れ着に使えると思うし、
もちろんおうちの仕事する時とかにも使ってもらえれば」
かなえは早速その髪留めを付けてみて、恥ずかしそうにそちら側の顔を向ける。
「えへへ、どう？ 似合うかな？」
「うん、すごく似合ってるっ」
「こーたん、ありがとう！ あ、そや、そしたらうちも」
ごそごそと かなえが取り出した包みは何故か２つあって、
「えっ、２つも？」
と雨崎が面食らう。
「ふふふー、こーたん今日誕生日やろー」
「あ……」
もちろん自分の誕生日だ、忘れていたわけではなかったけど。今日はクリスマスのデートだとすっかり思い込んでいた雨崎は、思わず言葉に詰まる。
それに……無理して意識しないように、していたのかもしれない。心のどこかで。
今日、１２月２４日は、雨崎荒太郎の誕生日。でも。
「実はぼく……自分の誕生日が、そんなに好きじゃなかったんだよね」
４人の妹たちはちゃんと誕生日が別にあるのに、自分だけクリスマスと統合だったから。
「うちだとぼくの日はみんなでケーキ食べて、毎年プレゼントもひとつ。
祝ってもらえるのは嬉しいけど、何だか自分の誕生日が、
クリスマスに取られちゃったような気分で……みんながうらやましくて」
じっとその話に耳を傾けていた かなえが、けれどもウン、と頷いてこう言ってくれた。
「そっかー。でもこーたん、ええ日に産まれたよねー」
「……えっ？」
「だってほら！ 今日はみんな幸せそうやで！」
そう言ってかなえが、周りを行き交う皆を手で示す。
「みんなが幸せな日に、お父さんとお母さんを
もっと幸せにして産まれて来たこーたんは、
本当に幸せを運ぶ座敷童なのかもやね！」
「あ……」
思ってもみなかった かなえの言葉に、雨崎はその場で棒立ちになる。そんな彼の様子をちょっと照れくさそうに見ながら、「えへへー、はいこれプレゼント！」とかなえが、さっきの２つの包みを差し出した。
「こっちが、クリスマスプレゼントのアンクレットでー、
こっちが……下手くそやけど笑わんといてな？
はい、いつも部活頑張っとるこーたんに
スポーツタオルの誕生日プレゼントや！」
「荒太郎」と彼の名前が刺繍されたタオルとアンクレット、２つの贈り物を両手に貰って、はっと雨崎が我に返った。慌てて、
「かなたんの手作りっ？ 大事に使うね！」
そのタオルに記された、ちょっぴりたどたどしい、けれど１針１針が心のこもった、自分の名前を見つめているうちに、不意にじわと、その文字が涙でゆがんだ。
「あれ……こーたん、泣いてるん？
えっ、どないしょ、泣かんでもええんやで」
そう言っておろおろする彼女を、雨崎は不器用にその腕で抱き寄せて。
くしゃくしゃにゆがんだ顔を、その温かい胸に押し付け、ようやくこれだけを、絞り出すように伝える。
「初めて一緒に過ごすクリスマス、
今までで一番嬉しい誕生日だよ、ありがとう……
かなえのこと、本当に、本当に、大好き」
最後は嗚咽混じりになってしまって、きちんと伝わったかどうかは分からなかったけど。
かなえは号泣する雨崎を、よしよしするように抱き返し、その耳許でちゃんと囁いてくれた。
「うちもこーたん……荒太郎くんが大好きです」
【寝子島マリンパラダイス付近】
こちらは、水族館デートをたっぷり楽しんできた、雨崎 荒太郎と西野町 かなえ。２人が入場する頃にちょうど降り始めた雪は、マリンパラダイスを出る頃にはもう、薄っすら積もるぐらいの本格的な雪になっていた。
「わ、出てきたら真暗やね……あ、ほら雪が降ってるで」
「かなたん、その格好で外寒くない？」
「大丈夫だいじょぶ、へっちゃらやでー♪」
気遣う雨崎の心配をよそに、外へと駆け出し、くるくる回るミニスカサンタ。
「一発芸……とうふ！」
積もった雪を、ギュッと四角く固めて、かなえがそれを投げる真似をする。
「ワー、気絶させられちゃうよー（くるくるばったり）」
「うん……これはホンマに危ないから、やめとこーな……（置き）」
まあ、そんな感じで相変わらず、仲の良い２人だ。雨崎の方も彼女に続いて外に出て、空から落ちてくる雪を、その掌で受けてみる。軽い。
「わー、すごい、羽根みたいにふわふわー。
羽根といえば、そうそう、プレゼントっ」
雨崎が小さなギフトボックスを、がさごそと鞄から取り出した。かなえが受け取ってそれを開けてみると、中身はシルバーの髪留めだ。ちょうど羽根の形のデザインをしている。
「フィンランド雑貨のお店で買ったんだー、
かなたんのあかるい髪の色に合わせたつもりなんだけど」
「わ……かわええ、本当にもらってええの？」
「うん！ ほら、お正月の晴れ着に使えると思うし、
もちろんおうちの仕事する時とかにも使ってもらえれば」
かなえは早速その髪留めを付けてみて、恥ずかしそうにそちら側の顔を向ける。
「えへへ、どう？ 似合うかな？」
「うん、すごく似合ってるっ」
「こーたん、ありがとう！ あ、そや、そしたらうちも」
ごそごそと かなえが取り出した包みは何故か２つあって、
「えっ、２つも？」
と雨崎が面食らう。
「ふふふー、こーたん今日誕生日やろー」
「あ……」
もちろん自分の誕生日だ、忘れていたわけではなかったけど。今日はクリスマスのデートだとすっかり思い込んでいた雨崎は、思わず言葉に詰まる。
それに……無理して意識しないように、していたのかもしれない。心のどこかで。
今日、１２月２４日は、雨崎荒太郎の誕生日。でも。
「実はぼく……自分の誕生日が、そんなに好きじゃなかったんだよね」
４人の妹たちはちゃんと誕生日が別にあるのに、自分だけクリスマスと統合だったから。
「うちだとぼくの日はみんなでケーキ食べて、毎年プレゼントもひとつ。
祝ってもらえるのは嬉しいけど、何だか自分の誕生日が、
クリスマスに取られちゃったような気分で……みんながうらやましくて」
じっとその話に耳を傾けていた かなえが、けれどもウン、と頷いてこう言ってくれた。
「そっかー。でもこーたん、ええ日に産まれたよねー」
「……えっ？」
「だってほら！ 今日はみんな幸せそうやで！」
そう言ってかなえが、周りを行き交う皆を手で示す。
「みんなが幸せな日に、お父さんとお母さんを
もっと幸せにして産まれて来たこーたんは、
本当に幸せを運ぶ座敷童なのかもやね！」
「あ……」
思ってもみなかった かなえの言葉に、雨崎はその場で棒立ちになる。そんな彼の様子をちょっと照れくさそうに見ながら、「えへへー、はいこれプレゼント！」とかなえが、さっきの２つの包みを差し出した。
「こっちが、クリスマスプレゼントのアンクレットでー、
こっちが……下手くそやけど笑わんといてな？
はい、いつも部活頑張っとるこーたんに
スポーツタオルの誕生日プレゼントや！」
「荒太郎」と彼の名前が刺繍されたタオルとアンクレット、２つの贈り物を両手に貰って、はっと雨崎が我に返った。慌てて、
「かなたんの手作りっ？ 大事に使うね！」
そのタオルに記された、ちょっぴりたどたどしい、けれど１針１針が心のこもった、自分の名前を見つめているうちに、不意にじわと、その文字が涙でゆがんだ。
「あれ……こーたん、泣いてるん？
えっ、どないしょ、泣かんでもええんやで」
そう言っておろおろする彼女を、雨崎は不器用にその腕で抱き寄せて。
くしゃくしゃにゆがんだ顔を、その温かい胸に押し付け、ようやくこれだけを、絞り出すように伝える。
「初めて一緒に過ごすクリスマス、
今までで一番嬉しい誕生日だよ、ありがとう……
かなえのこと、本当に、本当に、大好き」
最後は嗚咽混じりになってしまって、きちんと伝わったかどうかは分からなかったけど。
かなえは号泣する雨崎を、よしよしするように抱き返し、その耳許でちゃんと囁いてくれた。
「うちもこーたん……荒太郎くんが大好きです」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2016年02月12日
- 参加申し込みの期限
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- 2016年02月19日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2016年02月19日 11時00分
