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【はじまり】
「……困りましたねぇ」
おっとり、のんびり。さして困っている風でもなく、
大塚 絽紗
は、誰ともなくつぶやきます。実際、ふた言めには、
「まぁ、無くて困るというほどではないけれど」
なんて。
図書室にはいつもと同じ静謐な空気が流れていて、本当なら絽紗もまた棚に向き合い、興味を惹かれるような本を引っ張り出しては、席についてゆっくりと堪能……と、いきたいところなのですけれど。本日の彼女のお目当ては何かしらの書籍ではなく、うっかりこのあたりのどこかへ置き忘れてしまったらしい、愛用の眼鏡だったりします。
「どこへ忘れてしまったんでしょう……このあたりだと思うのだけど」
無くてもそれほど困るわけではない、というのは、日常的にいつもそれをかけているわけでは無いからです。極度の近眼でありながら、眼鏡をかけるのはこうして図書室で本を読む時か、よっぽど見るのに困ったときくらいで、普段は持ち歩くことも稀です。
それが今日に限っては、何とはなしにケースへ入れて持参したところ、本選びのほうにすっかり夢中になってしまい、気付けばどこへ置いたやら、分からなくなってしまったのです。何とも、うっかり! でありました。
受付カウンターや、本の整理をしている図書委員たちにも尋ねてみますけれど、見かけたとか、落とし物として届いたという話も無く、絽紗は恐らくこのあたりと目星をつけた古典小説のコーナーのあたりをうろうろ、行ったり来たり。
(それほど、思い入れがあるというわけでは無いけれど……)
確かに、いつも常用するようなものではなく、見つからなかったとしても、近視ながら裸眼で過ごすのに慣れた絽紗には、そこまで困るわけでもありません。けれど、ひと言に眼鏡といっても決してお安いものではなく、必要な時だけながら、大事に使っている品物です。おいそれと簡単に、放り捨ててしまうわけにもいきません。
絽紗は書棚の上から下までへチェックして、図書委員さんに確認しにいっては再び棚へと戻り、もう一度上から……と、そんな時に。
「……大塚?」
かけられた声に、振り向いてみますと。そこにはひとりの男子生徒が立っていて、怪訝そうな顔。手に持っているのは、
「あ……そのケース!」
「ああ、そこに置いてあったんだけどよ……えーと、確か3組の、大塚だったよな。これ、お前のか?」
確かに見覚えある、眼鏡ケース。
見つけてくれたのは、気さくに笑う、
高峰 一馬
でありました。
鍛えられた屈強な身体のインパクトは強く、時に一馬を『筋肉バカ』、などと揶揄する人もありましたけれど。実のところ彼は、勉強も、自覚するところの欠点であるファッションセンスなども、それを補おうとする試みは決して怠らない、実に前向きな努力家なのです。趣味のボルダリングや筋トレに明け暮れるばかりではなく、レポートのために図書室で資料を探し読み耽る、なんてことだって良くありました。
どうにもいまひとつ、その努力が人に認められているという手応えには薄くて、相変わらず肉体一辺倒のオトコだなどと思われているきらいは、あるにはありましたけれど……という、そんな中で。
「見つかって良かったな。大事な物なんだろ」
「はい、とっても助かりました! ありがとうございます……、??」
「……って、お、おい!?」
見つけた眼鏡ケースを手渡してあげますと、ふいに、ずずい! と絽紗は唐突に、鼻先がくっつきそうなほどに顔を近づけて、
「あなた……高峰君?」
「あっ、ああ……何だ、覚えててくれたのか」
実はふたり、互いに見かけたことがあったりしました。ここ、図書室でも幾度か、すれ違ったことがあります……お互いに顔と名前を何となく覚えてる、くらいの間柄ではありましたけれど。
一馬の見た絽紗のイメージは、大人しくおしとやかで、ちょっぴり天然で、そして可愛らしい女性。一方、絽紗は一馬をどのように見ていたかと言いますと、
「教室や合同授業で見かける時とは違って、図書館ではすごく真剣に本を探しているところが、印象に残っていたんです。それに、背が高いから良く覚えていて……あ、私のことも、覚えていてくれたんですね?」
「ああ、まあ、な……」
と返しつつ、一馬はつつつ、と近づいた距離を離します。どうやら好意的な印象を抱いてもらえていたらしいことはありがたくも、どうにも、こう。照れくさいもので。
「あ、ごめんなさい。私、目が悪くて、近づかないと見えなくて……嫌でした?」
「いや、そういうわけじゃねえんだ。ただ、なんつーかその、こっぱずかしいっつーか」
そりゃあもう、こんなに可愛らしい女の子に、ぐいっと無防備に近づかれてしまった日には、不器用な一馬のこと、どぎまぎとしてしまうのです……そんな彼の内心を知ってか知らずか、絽紗はきょとんとした後に、くすりとひとつ笑いました。
「ところで高峰君、今日はどんな本を探してるんですか? お礼に私、探すの、お手伝いするわ」
「ああ、いや。実はな……」
人と人との出会い。その関係が少しばかり、前進するのも。ちょっと印象深いくらい、お互いそれぞれに、大勢の中のひとりに過ぎなかったふたりが、顔を合わせたなら挨拶や会話をするくらいの、ちょっとした知り合い同士に進展したりするのも……ほんの少し、何てことの無い些細なことが、きっかけになったりするものです。
たとえば、ほら。図書室でふたり、お互いうっかり失くしてしまった、大事な物を見つけてあげる……なんて。
「確かこないだの、大橋先生の世界史の授業の時、だったと思う。レポートのためにって、ここで調べ物してたんだよなー」
「ええ、私がさっき見かけたのも、歴史のコーナーだったと思います……この辺かしら?」
一馬の探し物は、今ではすっかり骨董品の類となった、一枚のテレホンカード。レポート用の資料探しやそれを探すのに熱中するあまり、うっかり栞代わりにしたまま、本棚へと戻してしまったのだとか。それを絽紗は偶然にも、先ほど眼鏡の紛失に気付く前、何とはなしにぱらりとめくってみた本たちのどこかで、見かけていたのだそうです。
「陸自空挺団……って、分かるか? 自衛隊が空から降下してるところを写したテレカで、まぁ、気に入りっつーやつでさ。昔、自衛官やってた叔母さんがくれたモンなんだけど、いつもは手帳に挟んでてな」
「自衛隊……とても勇敢で、それに、危険なお仕事ですね……」
本を引き出して開きつつ、ふたりでそんな話をしながら、テレホンカードを探します。色々な話をしながらに。
「ウチの家系は代々、軍隊気質ってのかな、軍人とか自衛官とかをたくさん出しててさ」
「そうなんですか、すごい……高峰君も、将来はそういうお仕事を目指してるんですか?」
「まあなー、目標は空挺レンジャーで……無茶苦茶キツイらしいから、死ぬ気で頑張らねえとなー。大塚は? なりたいものとか、あるか?」
「私ですか? そうですね……ふふ、どうしましょうか。お料理とか、編み物なら得意だけれど」
ちょっとした、何てことの無い会話。それでもこうして少しずつ、お互いを知ることができたこの時間は、きっと有意義なものであったことでしょう。
それに、やがて。
「……あ! これかしら?」
絽紗がめくったページの合間に、一枚のカード。勇壮な自衛隊員が、颯爽と落下傘降下を敢行するワンシーン……確かにそれは、一馬の探していたもの。
「おおー、これこれ! 良かったぁ! 探すの手伝ってくれてサンキューな、ホント助かったぜ、大塚!」
「ううん、お互い様……高峰君も。私の眼鏡、見つけてくれてありがとう」
最後に一馬が、
「ついでに、これからもよろしくな? 大塚」
笑って言ったなら。お返事だって、もちろん……にっこり、笑顔!
「ええ、こちらこそ。よろしくお願いします、高峰君♪」
こうして友人が、またひとり。嬉しい午後のひと時、でありました。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月24日
参加申し込みの期限
2016年01月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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