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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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寝子島クリスマスマーケットを楽しもう！
御巫は『Joulupukki』に立ち寄ってプレゼントを探していた。
「……大人の男性ってどんなものを喜ぶのかしら」
心に浮かぶあの人は掴みどころがなく、あまり物事に執着心を持っているようには思えない。例えばインテリアのこだわりだとか、服の好みとか考えても思いつかなかった。
そんなところも好きなのだけど、プレゼントを考えるときは難敵だ。
店員さんに聞いてみようとも思ったけれど、相手は小学生と中学生。もう一人はサンタクロースを彷彿とさせる老人だ。今回の相談相手としては不適格だろう。
悩んでいて気がつかず、お客の一人と軽く肩がぶつかってしまった。
「あ、ごめんなさい。考え事をしていて気がつきませんでした」
「いいのよ。怪我をしたわけでも、ものを壊したわけでもないのだし、そんなに謝らないで」
慌てて謝る御巫に、桧垣は柔らかく応じた。実際ほんの少しかすった程度だ。そこまで頭を下げなくてもいいと思う。
一生懸命に謝る素直な態度に好感を覚えて、桧垣はなるべく優しく問いかけた。
「ね。考え事ってやっぱりクリスマスプレゼントかしら」
「え、は、はい。贈りたい人がいるのですけど、年上の男性で何を贈っていいのかわからなくて」
「なるほどね。どのくらいの歳の人？」
「えっと、30代ぐらいです」
お父さんとかお兄さんって感じではないわね。親戚の人？ もしくは憧れの人ってところかしら。
少しだけ覚えがある。自分も中学生ぐらいの時に年上の男性に憧れたものだった。
袖振り合うも多生の縁。私だってそんな年上の男性へのプレゼントなんて分からないけれど、ちょっとぐらいアドバイスしてもいいわよね。
「そうね。だったらこれなんてどうかしら。インテリアだけど実用的でもあるし。シンプルだから好みに左右されないし」
「あ、いいかもしれませんね」
「あなたの分も買ってお揃いにしてみたら？」
「え、あ、あの、その」
頬を染めて俯く御巫をみて、どうやら憧れの人って線が濃厚ねと判断する。
おそらくお揃いのインテリアを意識してしまったのだろう。ちらちらと勧めた商品を見つめている姿がやたらと微笑ましい。
桧垣はそのまま見守ることにして、バイト先を飾るガーランドやリースを選び始めた。バイト先の店主である叔父はどうも季節感をだす飾り付けにうとくて、そこも店長代理の仕事のうちだ。
念入りに検討して素朴だけど品のいい飾りを選んだ桧垣が振り返ってみると、やっと決心がついたのか、御巫が同じインテリア品を二つ手に取ったところだった。
「ふふ、頑張ってね」
「はい。いろいろありがとうございました」
見知らぬ女性のアドバイスに心から感謝を告げて、御巫は手元のインテリア雑貨を見る。
……先生は使ってくれるでしょうか。喜んでくれるでしょうか。
茫洋とした雰囲気の男性がその薄い唇の両端を緩やかに上げてくれる様子を思い浮かべて、御巫も小さく微笑んだ。
同じ『Joulupukki』の片隅ではカップルがクリスマス限定のストラップを選んでいる。
「これ、雪の結晶をモチーフにしてるのねぇ。でもとっても可愛いデザイン」
「……澄佳センパイの方がずっと可愛いっすけどね」
「え？ 何か言った？」
「いやいやいや、そのストラップけっこういいっすね、って」
「檸檬くんもそう思う？ あ、でもこっちの星もいいかも。檸檬くんの瞳と同じ色だもんねぇ」
澪乃は双子星のパーツがついたレモン色のストラップを手に取る。
檸檬くんは元気で爽やかな色がとっても似合うもんね。黄色とか水色とか。
うん、檸檬くんそのものって感じ。
すると六月一日宮は、同じデザインでとても上品なブラウンのストラップをつまみ上げた。
「なら、センパイはこの色っすかね。焼きたてのクッキーみたいにあったかくてすっごく落ち着く色っす」
澪乃は言葉を失う。
素で言った。何のてらいもなく素直に言ったとしか思えないほど、彼の表情は自然で柔らかかった。
顔が熱くなる。胸がドキドキする。
彼の言葉がすんなりと心に届いて、いっぱいに満たされていく。
真っ赤になって俯いた澪乃の様子に気がついて、六月一日宮は自分が何を言ったのか自覚した。
「……あ、えっと、その」
「え、えへへ。こ、これ買おうか」
「そ、そうっすね！ 俺プレゼントしますよ！」
「そんな、いいよぅ」
「いやいや、プレゼントさせてください！ お願いっす！」
しばらく押し問答していた二人だが、結局彼氏権限を発動して六月一日宮が購入したようだ。
レモン色は澪乃。ブラウンを六月一日宮。
お互いの色を贈りあう。会えない時もいつも一緒だと思えるように。
「……大人の男性ってどんなものを喜ぶのかしら」
心に浮かぶあの人は掴みどころがなく、あまり物事に執着心を持っているようには思えない。例えばインテリアのこだわりだとか、服の好みとか考えても思いつかなかった。
そんなところも好きなのだけど、プレゼントを考えるときは難敵だ。
店員さんに聞いてみようとも思ったけれど、相手は小学生と中学生。もう一人はサンタクロースを彷彿とさせる老人だ。今回の相談相手としては不適格だろう。
悩んでいて気がつかず、お客の一人と軽く肩がぶつかってしまった。
「あ、ごめんなさい。考え事をしていて気がつきませんでした」
「いいのよ。怪我をしたわけでも、ものを壊したわけでもないのだし、そんなに謝らないで」
慌てて謝る御巫に、桧垣は柔らかく応じた。実際ほんの少しかすった程度だ。そこまで頭を下げなくてもいいと思う。
一生懸命に謝る素直な態度に好感を覚えて、桧垣はなるべく優しく問いかけた。
「ね。考え事ってやっぱりクリスマスプレゼントかしら」
「え、は、はい。贈りたい人がいるのですけど、年上の男性で何を贈っていいのかわからなくて」
「なるほどね。どのくらいの歳の人？」
「えっと、30代ぐらいです」
お父さんとかお兄さんって感じではないわね。親戚の人？ もしくは憧れの人ってところかしら。
少しだけ覚えがある。自分も中学生ぐらいの時に年上の男性に憧れたものだった。
袖振り合うも多生の縁。私だってそんな年上の男性へのプレゼントなんて分からないけれど、ちょっとぐらいアドバイスしてもいいわよね。
「そうね。だったらこれなんてどうかしら。インテリアだけど実用的でもあるし。シンプルだから好みに左右されないし」
「あ、いいかもしれませんね」
「あなたの分も買ってお揃いにしてみたら？」
「え、あ、あの、その」
頬を染めて俯く御巫をみて、どうやら憧れの人って線が濃厚ねと判断する。
おそらくお揃いのインテリアを意識してしまったのだろう。ちらちらと勧めた商品を見つめている姿がやたらと微笑ましい。
桧垣はそのまま見守ることにして、バイト先を飾るガーランドやリースを選び始めた。バイト先の店主である叔父はどうも季節感をだす飾り付けにうとくて、そこも店長代理の仕事のうちだ。
念入りに検討して素朴だけど品のいい飾りを選んだ桧垣が振り返ってみると、やっと決心がついたのか、御巫が同じインテリア品を二つ手に取ったところだった。
「ふふ、頑張ってね」
「はい。いろいろありがとうございました」
見知らぬ女性のアドバイスに心から感謝を告げて、御巫は手元のインテリア雑貨を見る。
……先生は使ってくれるでしょうか。喜んでくれるでしょうか。
茫洋とした雰囲気の男性がその薄い唇の両端を緩やかに上げてくれる様子を思い浮かべて、御巫も小さく微笑んだ。
同じ『Joulupukki』の片隅ではカップルがクリスマス限定のストラップを選んでいる。
「これ、雪の結晶をモチーフにしてるのねぇ。でもとっても可愛いデザイン」
「……澄佳センパイの方がずっと可愛いっすけどね」
「え？ 何か言った？」
「いやいやいや、そのストラップけっこういいっすね、って」
「檸檬くんもそう思う？ あ、でもこっちの星もいいかも。檸檬くんの瞳と同じ色だもんねぇ」
澪乃は双子星のパーツがついたレモン色のストラップを手に取る。
檸檬くんは元気で爽やかな色がとっても似合うもんね。黄色とか水色とか。
うん、檸檬くんそのものって感じ。
すると六月一日宮は、同じデザインでとても上品なブラウンのストラップをつまみ上げた。
「なら、センパイはこの色っすかね。焼きたてのクッキーみたいにあったかくてすっごく落ち着く色っす」
澪乃は言葉を失う。
素で言った。何のてらいもなく素直に言ったとしか思えないほど、彼の表情は自然で柔らかかった。
顔が熱くなる。胸がドキドキする。
彼の言葉がすんなりと心に届いて、いっぱいに満たされていく。
真っ赤になって俯いた澪乃の様子に気がついて、六月一日宮は自分が何を言ったのか自覚した。
「……あ、えっと、その」
「え、えへへ。こ、これ買おうか」
「そ、そうっすね！ 俺プレゼントしますよ！」
「そんな、いいよぅ」
「いやいや、プレゼントさせてください！ お願いっす！」
しばらく押し問答していた二人だが、結局彼氏権限を発動して六月一日宮が購入したようだ。
レモン色は澪乃。ブラウンを六月一日宮。
お互いの色を贈りあう。会えない時もいつも一緒だと思えるように。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年12月20日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年12月27日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年12月27日 11時00分
