寝子島クリスマスマーケットを楽しもう！｜リアクション

寝子島クリスマスマーケットを楽しもう！

【今日は休日。クリスマスマーケットへ行こう！】

　冷たい空気も清々しく感じるほど、陽の光は暖かく輝いている。
　最近でも一番のいい天気。桧垣万里は柔らかく笑ってマンションを出た。

　今日はバイトも大学も休み。特に用事もなく久しぶりに1日ゆっくり過ごせる。
　どうしようかなと考えたとき、思い浮かんだのは先日見かけたポスター。
　Weihnachtsmarkt！【寝子島クリスマスマーケット】の文字だった。

「賑やかで楽しそう。のんびりお店を見てまわろうかしら」

　バイトのことはちょっと忘れて、普通の大学生としてマーケットを楽しもう。
　どんなお店があるかしら。
　素敵な飾りが見つかるといいな。
　美味しそうなものもたくさんありそう。

　クリスマスの雰囲気があふれた華やかな賑わいを想像すると、自然と歩みも軽やかになる。
　目指すは寝子島シーサイドアウトレットに隣接する大観覧車前。
　同じシーサイドタウンにあるマンションからはそう遠くもない。

　ああ、もう見えてきた。
　クリスマスカラーに飾り付けられた大観覧車の下から伝わってくる活気。

　リズミカルな定番ソング。
　赤と緑を基調にした鮮やかな装飾。
　行き交う人の笑い声。
　お腹を刺激する芳しい香り。

　寝子島クリスマスマーケットは思った以上に賑わっていた。

「……こんなにお客さんが来るなら『ねこのて』も参加すればよかったかしら？」

　桧垣は少し悩みつつも、ゲートをくぐって会場に入った。

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