this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
狐のおでん屋
<< もどる
1
2
3
4
つぎへ >>
外は冷え冷えとして出歩く人も見えないが、おでん屋の中は客足が引くことなくがやがやと賑わっていた。
その屋台の一角に、初々しい学生ふたり組が陣取っている。
「はい、ちーちゃん、あーん」
「の、信彦くん、は、恥ずかしいよ……」
「ほら、せっかくのおでんが冷めちゃうよ? あーん」
「うぅ……あ、あーん」
上穗木 千鶴
は隣に座る
八十八旗 信彦
に差し出されたにんじんを恥ずかしげに見つめる。
唇に熱さが移り、小さく体を震わせた。
それに気づいた信彦が、にんじんをふぅふぅと冷ましてから悪戯っぽくもう一度。
「はい、あーん」
大人しく口の中に入ってきたにんじんを噛みながら、千鶴長い前髪の下で羞恥心と闘っていた。
「ちーちゃん、今後は俺にもちょーだい?」
「ぼ、ぼくにもやれっていうのかい!? ……ああ、もう」
信彦の笑顔に逆らえず、千鶴も自分のお皿からしいたけを箸で挟み、信彦の前に持って行く。
信彦は恥ずかしそうな千鶴の顔を見つめながらあーん、とそれを受けとった。
「いやあ、美味しいねえ」
信彦の呟きは果たしておでんだけの感想なのか。
「若い子は微笑ましいですねぇ」
そんなふたりのやりとりを見ながら、ピーターは少し赤くなった顔で目尻を下げた。
「おや、ビアズリーさんも昔は奥様とあんな感じだったのでは?」
「いやいや、うちはそんなこと……、ああでも、鍋は好きなんですよ」
「ほう、鍋ですか」
智照は番茶を傾けながらピーターの話を促す。
「鍋ブギョーっていうんですかねえ。鍋の時だけはいやに真面目に具材の入れる順番だとか、食べる順番だとかをきっちり仕切っていてね。
普段にないくらい大真面目なもんだから、毎回笑っちゃうんですよねえ。まぁ、その度怒られているんですけど」
「いやいや、可愛らしい奥様じゃないですか」
ピーターの言葉に智照とは違う声がかかる。声の主に目を向けると、
刻人・F・ミセリア
がにこにこと人のいい笑顔を浮かべてふたりを見つめていた。
刻人の向こう側では
オーマ・トンノ
が口を結んだまま狐面に携帯の画面を見せていた。
「お隣失礼しますね。おちゃめな奥様じゃないですか羨ましい」
「いやはや、お恥ずかしい。聞かれていましたか」
「なんだかんだと愛が伝わってきますね。あ、親父さん、彼女は日本語がわからない部分もあるので注文は僕が。彼女は成人なので何かおすすめのお酒を出してあげてください」
刻人の言葉にオーマもぺこりと頭を下げる。
先ほど狐面に見せていた携帯の画面には『日本に来て日が浅く日本語が上手く喋れないので失礼します』という旨の言葉が記されていたこともあり、狐面も合点がいったと大きく頷く。
「じゃあお姉ちゃんにはこれだな」
手早く温められて渡されたのは広島のお酒、という説明付き。すっきりとした甘みの中にほんの少し辛みが舌に残る、飲みやすい日本酒。
オーマは静かにそれを嗜みながら、隣で盛り上がる刻人を一瞥した。
一方の刻人はオーマの視線に気づかないまま、隣に座る智照とピーターと嫁談義に花を咲かせる。
「あなたもお若いのにご結婚されているんですね? その左手の指輪は」
智照に指摘された左手の薬指に光るそれを、見やすいように掲げると、刻人は興奮気味に頷く。
「そうなんです。便乗してしまって申し訳ないですが、僕の妻も可愛らしい人でね。初めて出会ったころは意地悪な態度もとられたんですが、今じゃ形勢逆転してしまって。
僕が少しでも意地の悪いことを言うとしょんぼりしてしまって、それがまた可愛いんですよ!」
手渡された刻人の“妻”の写真はダークブラウンの髪を伸ばした笑顔の素敵な女性。
今は海外で仕事を続けているという妻の写真を大事そうに見つめる刻人の横顔を、智照とピーターは微笑ましく見守る。
「離れて暮らしていると、寂しくはないですか?」
「寂しいですが、今だけの辛抱と思っていますよ。仕事がひと段落したら、こちらへ遊びに来てくれるとは言っているんですけどね」
「そちらのお連れの方は?」
「彼女は妻の古くからの友人なんです。まだ語学が完璧ではないから、色々と面倒を見ているんです」
ピーターは黙々と酒を煽るオーマの方を見やる。当のオーマは話題に上っても気に留めず、おでんを口に運んでいた。
「おふたりの話を聞いていると、私も妻が懐かしくなってきますねえ。あ、ご主人、玉子とお豆腐をくださいな」
智照も熱々のおでんをゆっくりと咀嚼しながら、思い返すのは今は亡き妻の事。
「住職さんのところのお子さんはもう大きいんでしたか?」
「私から見たらまだまだ小さな娘ですけどね。しかし最近はめっきり妻に似てきて」
ははっ、と笑い声を挟んでから、少し視線を落とす。
「……そんな娘がね、今度ボーイフレンドを連れて帰ってくるなんて言うものだから、久しぶりに眼鏡が落ちるかと思いましたよ。
しばらくは忙しいから駄目だ、なんて咄嗟に言ってしまいましたけど」
「ほう! それはめでたい!」
「いやいや考えてもみてくださいよ~? 妻が亡くなって以来男手ひとつで大事に大事に育ててきた娘が男を連れて帰るだなんて」
智照はそう言いながらも、口元は心なしか綻んでいた。
「あなたも、奥さんの両親に会った時は緊張しましたかね?」
「海の向こうの人たちはおおらかな方が多いですから、皆フレンドリーに迎えてくれましたよ」
刻人の言葉にピーターもそうそう、と頷いてみせる。
「住職さんが大切に育ててきた娘さんが選んだ相手なんだから、きっと立派な方ですよ」
「そうだといいんですけどねえ。これが親心ってやつですかね」
「僕もいつかその立場になるんでしょうねえ」
などと、年齢の離れた2人と盛り上がる刻人を見ながら、オーマは表情を変えずにその会話を聞き流していた。
そんなオーマに狐面がそっとおでんの皿を差し出す。
「外の言葉がわからねぇから、話し相手になってやれなくてすまねぇな。ほれ、これはサービスだ。お連れさんには内緒でな」
狐面の下で親父が悪戯っぽい笑みを浮かべているのが伝わってくる。オーマは素直にその皿を受けとると、僅かに目を見開いた。
お皿に載っていたのは牡蠣とつぶ貝。ほんの少しだけ会釈を返すオーマを、狐面も満足そうに見つめていた。
「ほう、海の幸ですな」
オーマに出された皿の上を一瞥し、オーデンは嬉しそうな声をあげる。
「大根や人参、牛蒡などの根菜にたこ焼きなんて変わり種。それに海の幸まで揃えているとは。なかなかやりますねマスター」
「おうよ。おでんの具材も、おでんに合う酒も、俺が自分の足で確かめた逸品だからな!」
「海沿い出身の方でしたら喜ばれるでしょう」
オーデンと狐面のやりとりを無言で見つめていたオーマは、ゆっくりと大振りな牡蠣に手を伸ばす。
出汁を含んだそれはふっくらと柔らかく、ほんの少しだけ潮の匂いがする気がした。
<< もどる
1
2
3
4
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
狐のおでん屋
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
時織椎
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年12月28日
参加申し込みの期限
2016年01月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!