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狐のおでん屋
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旧市街の街灯がじりじりと音を立てて灯るころ。
冬の澄んだ空気に交じって、出汁の匂いが漂ってきた。
どこからともなく現れた屋台は、きぃきぃと音を鳴らしながらいつもの場所に停まる。
赤い暖簾に提灯を下げれば、狐のおでん屋、今日も皆様に美味しいひと時を提供いたします。
オーデン・ソル・キャドー
は吐く息を白く染めながら、まっすぐに赤い暖簾を見つめていた。
彼は何を隠そう大のおでん好き。待ちに待ったおでんの季節。
オーデンはおでん屋の赤い暖簾を、そうっとくぐる。屋台の長椅子には常連と思わしき先客がひとり。
ほんのり赤くなった頬でオーデンに会釈をする。
「いや、今日も寒いねえ」
「すっかり冬ですね。おや、美味しそうなお大根」
オーデンも会釈を返しながら、その眼は皿の上の黄金色にくぎ付け。
それに気づいた先客は箸でちょいちょいとおでんの煮える屋台を指した。
「いえね、私も最初は物珍しくて入ったんだけど、これがまた美味しくてねえ。それ以来なんだかんだと通ってしまっているのさ」
「確かに屋台というのは母国の方ではなかなか見かけませんからね。見たところあなたも外国の方でしょう?」
先客、
ピーター・ビアズリー
はオーデンの言葉にへらりと笑うと、手にしたぐい飲みを一気に煽る。
「親父さん、すまないけどおかわりをもらえるかい?」
ピーターの言葉に思い出したようにオーデンも顔をあげる。
並々と揺れる出汁の湯気の奥に、狐面の大将が腕を組んで佇んでいた。
「燗でいいかねお兄さん。そっちのお兄さんはなんにする?」
「それでは、私も熱燗を。それに大根と厚揚げをひとまずいただきましょうか」
少し大きめのぐい飲みに温めた日本酒を注ぐと、狐面は熱いから気を付けな、とオーデンに手渡す。
焼き物の皿の上に大振りな大根と三角形の厚揚げを乗せると、その脇にはからしと柚こしょう。
まずは熱燗をゆっくりと口に含む。冷え切っていた体に程よいアルコールがしみ込んでいく。
喉の奥がじんわりとあたたまったら、次はお待ちかねのおでん。大根に割り箸を通すと、一瞬抵抗を感じた後すんなりと沈んでいく。
ほろりと崩れたそれを口に運べば、大根にしみ込んだ出汁が口の中に広がっていく。
間に熱燗を挟んで次は厚揚げ。ひと噛みするごとに出汁と揚げのうまみが溢れでる。
出汁の味でほっこりとした体に、熱燗のアルコールで痺れるような刺激を与えれば、自然と体が出汁の甘みを求めて箸を伸ばしていた。
「どうです、美味しいでしょう?」
「素晴らしすぎて思わず無言になってしまいますね」
オーデンの姿に、ピーターも嬉しそうに笑う。
これははまってしまうのも無理はない。
「狐のマスター。さつま揚げと……なにかおすすめはありますか?」
「そうだねぇ、お兄さんたこ焼きなんてのはどうだい?」
「たこ焼き……ですか?」
「そうさ。ま、口に合わなきゃお代はいらねぇから、試してみな」
狐面はそう言って皿にころころと小ぶりな丸いたこ焼きを転がす。上に刻みネギをかけてオーデンに差し出した。
オーデンは丸ごとひとつを口に入れ、熱さに涙目になりながら咀嚼を繰り返す。
生地は出汁に染みて柔らかく、中のタコはくにくにと何とも言えない噛み応え。噛めば噛むほどタコの味がなじんできて、刻みネギのあっさりとした風味とたこ焼きの中の紅しょうがの辛みがこれまた食欲をそそる。
お燗を傾ければ大人のお味。オーデンはふぅ、っと息を吐いた。
「どうだいお兄さん。気に入ってくれたかい?」
「これはなかなか。おでんはまだまだ奥が深いようです」
伊達におでん好きと公言しているわけはない。日本に居を構える理由のひとつがおでんなのだ。
オーデンは自分の知らないおでんがまだたくさんあるという事に、胸を躍らせていた。
「ちょいと失礼いたしますよ」
暖簾があがりひょっこりと顔を覗かせたのは
齋藤 智照
。
智照は屋台の端に見知った顔を見つけおや、と口の端をあげた。
「ビアズリーさんじゃあないですか。奇遇ですねぇ」
「住職! こんなところでお会いするとは」
「いえね、少し買い出しに出たつもりが気づけば日が沈んでおりましてねぇ。それにしても」
智照は眼鏡の奥からちらり、と狐面を見上げる。
「なかなか、奇妙な御仁が多いようで」
「何かおっしゃいましたか?」
聞き返してきたピーターにいいや、と首を振り、智照はまず大根を狐面に頼む。
美味い酒がありますよ、と勧める狐面に、智照はいやいやと頭を振った。
「これでも僧籍の末端ですので、お酒は遠慮させていただきますよ」
代わりに薬缶から温かい番茶をもらい、乾杯をする。しばらくの間、互いに近況を報告しあい、おでんの味に舌鼓を打っていた。
ゆったりとした時間が流れる屋台の外から、空いてますか? と声がかかる。狐面が促し、暖簾をくぐったのは
城山 水樹
。
水樹は椅子に座るなり机に突っ伏し深いため息を吐いた。
「どうしたんだい、そんなため息なんて吐いて」
水樹の様子に声をかけたのは水樹より少し早くやってきていた
ジェレミア・ベルトーニ
。ジェレミアは僅かに顔をあげた水樹に視線を絡め、にこりと笑った。
「お嬢さん、きみはきっと笑っていた方が可愛いんじゃないかな? ほら、顔をあげて」
「あら、それはどーも。お兄さん、何飲んでるの?」
「おサケだよ。詳しくはないからオヤジさんのおすすめだけどね」
ジェレミアはぐい飲みを片手に肩をすくめる。水樹はその様子を面白そうに眺めながら、狐面に同じものを注文した。
「お嬢ちゃん、浮かない顔してんなあ。なんかあったんかい?」
狐面が水樹にぐい飲みを手渡しながらそう声をかける。水樹は人肌に温められたそれを両手で包みながら、そうなのよ、と声をもらした。
「今日横浜の方で撮影……あ、私読モやってんだけどね。今日の仕事が本当にウンザリすることばっかりで。
新人ちゃんがわがままばっかり言って撮影は時間通りに進まないし、周りからは腫物扱いよ。あんまりひどいから注意したら逆ギレでバックレ。
カメラマンは他の子にあたるしもうほんっとなんなのかしら。上の人間は頼りないし、結局予定の3時間押しよ、もう……」
深いため息を押し込むように、ぐい飲みを煽る。ほんのり温かく滑らかなアルコールが水樹の喉を伝っていく。
「やだ……このお酒美味しい」
「おう、福井県の日本酒でな。この辺と合わせて食ってみな」
差し出されたお皿を受けとると、真ん中に大振りな半透明の球体が。
「これ、たまねぎ……?」
うっすら透けたそれはおでんの出汁を吸ってきらきらと輝いていた。
箸を通すと、想像していたよりもすんなりと吸い込まれていく。
恐る恐る口へ運ぶと、途端にたまねぎの上品な甘みが口いっぱいに広がった。
その甘みが残ったまま、お酒を口に含む。
アルコールの風味がたまねぎの甘さをより一層引き立たせ、出汁のほっこりとしたうまみと共に水樹の体に沁みこんでいった。
「幸せそうだね?」
思わずほころんだ水樹の顔を覗き込むようにジェレミアがにこりと笑った。
その言葉に水樹は照れたように顔を背ける。
「美味しいものって、嫌なことを忘れさせる魔法でもかかっているのかしら」
「じゃあオヤジさんはさながら魔法使いってことかな」
「魔法というより妖術が使えそうな風貌だけどね」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
時織椎
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年12月28日
参加申し込みの期限
2016年01月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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