12月に入り、昼夜を問わず冷え込むようになった寝子島旧市街。
人々の生活が根付くその場所に、夜な夜な現れる屋台があるそうな。
木製の屋台に赤い暖簾。
ほわほわと上がる蒸気が、遠目から客を誘う。
暖簾をくぐれば凶悪的な出汁の香りが鼻をくすぐる。
常連たちがこっちゃ座れあっちが空いていると口を出す。
今日はビール? 焼酎? いいやここはお燗で行きましょうや。
冷えた身体にゃ酒が一番。ひと肌のぬる燗を一口流せば、お腹の底からあったまる。
いい飲みっぷりだねと野次が飛べば、次へ次へとおちょこが満ちる。
たっぷり満たされた金色の出汁の中で、今か今かと出番を待つそれらが泳ぐ。
出汁を挟んだ向こうで、狐面の親父が皿を片手に待っている。
「そいじゃあ親父、大根くれ! あと巾着と卵な!」
仕事帰りのお父さん、ひとり身のOLさん、好奇心旺盛な学生さん。
美味しい酒とアテも揃えてお待ちしております。
狐のおでん屋、今日も元気に営業中!!
こんにちは、不肖時織です。
あったかいお酒がおいしい季節になってきましたので、こんなお話はいかがでしょう。
<注意!>
基本的には20歳以上限定大人の世界です。
抽選後に定員に達していない場合のみ、19歳以下の方もご参加いただけます。飲酒は駄目ですよ。
<狐のおでん屋>
旧市街のとある場所にあるときから毎晩現れるようになったおでん屋台。
赤い暖簾と出汁の香りが目印です。おでん以外のおつまみもあります。
大将は狐面をつけた渋い声の親父で、おすすめの酒を入れてくれます。
酔わせるとふさふさの尻尾が出てくるという噂もあるとかないとか。
素顔不明のナイスミドルです。
若いお姉さんからご隠居まで幅広い年代が共存する空間。
喧嘩はご法度。悩み相談なら人生の先輩たちが手ほどきします。
ただひたすら酒を飲み続けるもよし。酔った勢いで普段言えない心中を吐露するもよし。美味しいおでんの秘訣を聞き出そうとするもよし。
狐面の親父がもしかしたらはんぺんくらいおごってくれるかもしれません。
ストレスは社会の敵!
たまには発散しないとだめですよ。