空想サバイバル・バトル　～寝子島を奪還せよ～｜リアクション

空想サバイバル・バトル　～寝子島を奪還せよ～

【市街での死闘　～寝子島を取り戻せ！～】
　

・市街戦前哨戦（０９：２０）

「空中戦に必要なのは度胸だってじいちゃんから聞いたよー」
「だが、敵の拠点らしき場所は市街地で探すのは、困難だな」
　先ほどから上空を滑空して、情報にあったガトリングガンを探して、荒太郎と修が上空から探し回っている。
　しかし、なかなか発見できずにすでに大きく時間が経過していた。
「……あれは、味方か」
　修が遠くの地点で海岸を突破した味方を視界に捕らえる。
「早く探さないとねー」
　といっても、敵の配置もまばらで、どこに拠点があるかさっぱり分からないのである。
「ふっふふーふー、ふふふふーふー♪」
「……」
　荒太郎と修は、それぞれの視界でそれらしきビルを探していく……。
　そうして５分ほどたったその瞬間であった。
なんとなく、知り合いの最後を幻視した気がした。
「東中居くん！　マウルくん！　つかさくん！？」
「……そうか」
　そして、その瞬間、自分たちの中の何かが高められた。
　再び５分ほど探索したときであった。
　柳司の声で危ないと聞こえた気がした荒太郎は、突如急旋回をした。
チュィン！　と抱えられている修の足を銃弾がかすった。
　じわりと、修の右足に熱が広がる。
「……っ」
　とっさに、修と荒太郎が目を下に向けると、そこには狙撃銃を構えた中級と見られる士官風の男が、二人を狙撃していた。
「「あそこだ！」」
　そう言って、狙撃を避けつつ急降下する。
「っ」
　修はビルの屋上に十分近づいてから転がり落ち、荒太郎は敵を中級士官と確認しそいつにタックルをかます。
「そぉい！流宇照（るうでる）航空殺法！」
　大戦の英雄の名前を借りたその一撃は、中級士官ごと狙撃銃をビル外へとはじき飛ばし、しばらくするとグシャッという嫌な音が聞こえた。
　そしてその光景は、近くまで来ていた味方にも伝わる。
「……あそこか」
　各自作戦の手順通りに展開していく味方を見ながら、仄はそうつぶやいた。
なお、傷は緋紅朱赫乃のろっこん【命の焔（ヒーリング・ファイア）】により傷を治療された。

・市街奪還開始！　その１（０９：３０）

　骨削瓢は、寝子島の地下帝国があった場所へと向かっていた。
「変な物がうじゃうじゃと、埋めてしまおうかい」
　そう考えての事であった。
　物騒な考えである。
道中は敵の数が少ないのか、幸い見つからずに猫鳴館の地下にある地下帝国の場所までたどり着いた。
　「あっしは踊らされるより、踊るほうだねぇ」
　そう言いつつも、これから起こる事に気分は上々である。
「寝子島街道まで行けばあっしが作った地下帝国がある」
　そう言って、地図を思い浮かべる。
　それならば誰かに教えても良さそうだが、別の思惑があった。
「あっしの策は地下帝国のあちこちにくすねてきた爆弾を仕掛け帝国を崩壊、戦場をまるごと地盤沈下させるもんさぁ。恋愛フラグでも見れればろっこんで災害を起こしてダメージ与えるのもいいかもねぇ。おや？　味方にも被害が被る？　知らんね、彼らのことさなんとかするでしょうよ」
　A地点でくすねてきた爆薬をもてあそびつつ、地下帝国へ続く入り口に入るが……。
「……なんじゃこりゃ？」
　地下帝国はそこには無い。
　ただの防空壕だけがひんやりとたたずんでいる。
「……そういや、人の夢だったねぇ」
　そうつぶやいたところで、何人かの気配を感じた。
「あっしの遊びはここまでってことかい」
　いつの間にか、瓢を察知した敵兵が瓢を囲んでいた。
「おたくらも大変だねぇ、こんな風に重労働、どっちもどっちさね」
　そう言いつつも一歩一歩的に近づいていく。
「因みにあっしはただでは死なんよ、手持ちの爆弾で自爆して周りも道連れさね」
　その瞬間、閃光が瓢の周囲を包み、次に大爆発を起こした。

○死亡報告（０９：４０）
　骨削瓢　敵を巻き添えにして爆死