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【響き合う歌】
「うーん。誰もいないなら、私がこのまま、司会でもやっちゃいましょーか?」
歌をありがとうございます、とお礼を添えて。
結梨亜・カールシュテイン
は、ちょっぴり控えめにそう付け加えました。彼女のまぶしい明るさに、
フィンレイ・ランカスター
は思わず、目を細めます。
「さすがに、出しゃばりすぎでしょうかねー……?」
「いえ。良いと思いますよ、そういった方は必要でしょう。それに、誰もが進んで登壇できるわけではありませんからね」
フィンレイもまた少し前まで、そんな風に人前で歌うことには、躊躇いがありました。喪失に伴うあまりにも大きな悲しみは、彼に歌うことを躊躇わせ、たったひとりでステージへと立つことへの抵抗となり……けれど今、彼は壇上に立ち、無数の期待に満ちた瞳へと身を晒しています。
あの時
に響かせた歌、寄せられた惜しみない拍手や声援が、彼に力を与えてくれます。欠けてしまった片翼の代わりに、彼を力強く支えてくれているのです。
「……ひとたびこの場に立てば、きっと躊躇いがちな人だって、思い切り演奏できるでしょう。あなたはぜひ、そのお手伝いを」
「そうですね、分かりました!」
び、と敬礼っぽく手をかざして、元気良く言った結梨亜へ。フィンレイは、微笑みながら。
(そして、私は、皆さんへ……)
人々へ。その胸の内に眠っているはずの、大きな愛を。恋人たちが身を浸す、幸せな感情を。優しく、優しく、揺り起こすように。
(届けましょう。この歌を)
心と心が響き合うために。彼には紛れもなく、その力がありました。
マイクも無しに、結梨亜が良く通る声で、観客たちへと叫びました。
「それでは次の曲、いってみましょー! どうぞーっ!」
「……今日は、ひとつ。皆さんへ、クリスマスプレゼントを持ってきました」
彼の顔を見つけた観客の何割かは、すでに気付いていたのです。気付かないはずは無いのです。かつて様々なメディアにおいて活躍した、人気アイドルデュオ……その相棒を事故で亡くし、失意のままの休養という形で表舞台から姿を消していた彼、その復帰を心待ちにするファンは、この場においても決して少なくはありませんでした。
そんな彼らへ、感謝と愛を込めて。
「正式な発表は、後日、事務所のほうからされるでしょう。今日は一足先に……私、
フィンレイ・ランカスター
の活動再開を、ここでご報告させていただきます」
待ち望むファンへの、それは確かに、大きなサプライズ・プレゼントとなったことでしょう。途端に湧き上がった声、拍手、それらの全てが、胸の中へと染み入るようで……思わずフィンレイは、脳裏へと思い浮かべます。彼の顔を。本当はこの喜びを、隣で分かち合いたかったけれど。
もう、自分はひとりでも、歩き出せるから。迷わずに進んでいけるから。
だから彼は、微笑みました。
「今日はその、第一歩。聞いてください……『
約束の行方
』」
梨宮 愛燈の名前を未だファンへと印象深く刻み込む理由のひとつに、彼の備えていた作詞・作曲の才がありました。彼の記すリリックはそのひとつひとつが心揺さぶり、奏でるメロディは聴く者をたやすく虜にしました。
彼の遺作として名高いミニアルバム『
風呼びレコード
』、そこに収められたバラードもまた、代えがたい思い出の中で笑うパートナー、マナの手になる楽曲です。
それをフィンレイは、今、ひとりで歌います。愛用のキーボードが鳴らす、ごく緩やかなリズムに乗せて。夜へ染み入る歌声は、あたりのざわめきを軒並み鎮め……彼の弾き鳴らす音色、解けゆくような声に今、観客の全ては、取り込まれてしまったかのよう。
───Stardust 敷き詰めた浜辺へ
懐かしさが呼ぶあの頃へ 帰りたいのは君が居ないから
星の道導 幼い足取りで辿る
約束を探して
彼がワードのひとつひとつを口に出せば、そのメロディとともに、並ぶ観客たちの頭は揃ってゆっくりと揺れ、彼らは浸ります。今は亡き相方の、そして今もなお生き続ける彼の作った世界へ、しっとりと。
キーボードの鍵盤をなぞるたび、フィンレイが指先へと込める、思い。
不安になることを、淋しさに嘆くことを恐れないで。
そう願うからこそ、あなたは独りではないのだから。
そう願うからこそ、あなたは愛されるのだから。
どうか、幸せになって。輝いていて。
思い出して。あなたの唇へと灯す、原初の歌に眠れるあのひとを。
……この歌を聴くすべての人々へと贈る、そんな思いを。
Starlight どうか照らして
淋しさが瞬くこの夜を 帰らないのは歌が聞こえるから
星の夢 始まりの歌を思い出す
最後のサビの部分を、フィンレイは少しだけアレンジして歌い上げました。
歌の中、迷える旅人は、きっともう、たどるべき道筋を見出したはずだから。
彼は、自分はもう、変わることができたはずだから。
約束に眠るひと 逢いに行こう───
最後の一音が星の明かりへ吸い込まれて消えていった瞬間に、あたりは打ち鳴らす拍手に覆い尽くされました。
「お疲れさま、フィンレイさん!」
いつのまにやら、ステージの脇で彼を見つめていたらしい
仲村渠 鳴
が、にこやかに声をかけました。
「仲村渠さんも来ていたんですね。ありがとうございます」
「あたし、何だか……呑まれちゃうみたいだったわ。素敵で、静かなのに熱くて……」
今は同じ事務所に所属する、後輩である鳴へと、フィンレイは少なからず近しく思うところがありました。理由は違えども、ふたりはお互いに、パートナーと別れてのソロ活動を余儀なくされた身の上です。もちろん彼女とその境遇へ、複雑に入り混じった感情を抱かずにはいられません。
けれど。
「……ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいですよ。あなたの歌も、楽しみにしています」
「うんっ! いってくるわね!」
知ったような顔で、同情の言葉を告げたりはしません。元より自分に出来るのは、歌うことしかないのです。そうすることでしか、想いを伝えることはできないのです。フィンレイは、自身のそうした不器用さを良く知っていました。
それだけに、どうやら彼女が自分の歌を通じて何かを受け取ったらしく、良い笑顔でステージへと駆けて行ったことには、心の奥底に温もりが芽生えたような、そんな感覚を覚えました。フィンレイが再び歩き出すことができたように、後輩が何かのきっかけを抱くことができたのだとしたら、それは彼にとってももちろん喜ばしいことです。
(そして、私も……)
野外音楽堂の真上に広がる夜空を見上げて、彼はそっと、心の中。
(見ていてくださいね。マナ)
つぶやき、新しい道程を力強く、歩き始めました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年12月08日
参加申し込みの期限
2015年12月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年12月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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