事ここに至っては、誰が発案したのかすらサッパリです。ただある日、ねこったーに一言だけ、
「『寝子島イリュージョンランド』で、クリスマスライブが開催されるらしいよ!」
にわかに拡散されていったそんなつぶやきが、どうやら、きっかけとなったようなのです。
「それが、こんなことになっちゃうなんてねぃ」
「ああ。驚いたな」
冷たくて、どこか清廉な空気に満ちた夜。九夜山の頂を間近に望む、20年前にはとうに廃業となった遊園地跡の廃墟を気に入っている
呉井 陽太も
斑鳩 遙にも、そんな話は寝耳に水ではありました。
ただ、遙を始めとして、この場に集まった幾人かには、ひとつ心当たりがあったりもします。
「まさか本当に、
サンタが願いを叶えた、などとは思わないが……」
「不思議なこともあるもんだよぅ♪」
顔を見合わせ、くすりと小さな笑みを浮かべたふたりが、野外音楽堂をちらと覗けば……人、人、人!
詰めかけた観客たちが、期待に満ちあふれた瞳をきらきらと輝かせながらに、開演を待ち望んでおりました。
誰に促されたわけでもなく。それを望む聴衆が目の前にいるのなら、彼は歌い、彼女は奏で、音楽を響かせるだけ。理由なんて案外、それだけで十分だったりします。
「こんなのもう、演らないわけにはいかないでしょーっ!!」
元気いっぱいの
雨寺 凛だって、
「ええ、せっかくの機会ですからね。悔いの無いよう、存分に」
静かに微笑んだ
フィンレイ・ランカスターだって、
「細かいことは言いっこなしだ。それぞれが好きなように、好きな音楽をやればいい」
クールに言った
篠崎 響也だって。
あの
サンタポストへと投げ込んだ、お願い通り。これは、彼ら自身もまた望んだステージなのですから。
「寝子島中を巻き込んじゃうくらいの勢いで、いっくよー!
Let's Rockっ♪」
「届けましょう。皆さんに、愛を……歌を。音楽を!」
「ああ。島中に届くくらいに、思いっきり……な」
山頂から降り落ちる音楽は、さながら舞い散る白い雪か、気紛れなサンタクロースからの贈り物でしょうか。
やがて彼らが奏で始める音は、寝子島の全て、隅々にまで届くほどに、響き渡っていくことでしょう。
墨谷幽です、よろしくお願いいたします~。
今回は、クリスマス雑貨店『Joulupukki』さんに設置されたサンタ★ポストへお寄せいただいた中から、斑鳩 遙さん、雨寺 凛さん、フィンレイ・ランカスターさん、篠崎 響也さんのお願いを採用、総括させていただきました。また、呉井 陽太さんにもガイドへご出演いただきました。ありがとうございました!
(もちろんこちらへご参加いただける場合は、上記のシーンに関わらずご自由にアクションをかけていただいて構いませんので!)
このシナリオの概要
誰が企画したのか、誰が呼びかけたのかも分からないまま、「今日の夜にクリスマスライブが行われるらしい!」という噂がひとり歩きして、多くの人々が『寝子島イリュージョンランド』の野外音楽堂へと詰めかけています。
そのまま誰もが傍観するだけだったなら、単なるガセネタということで話は終わり、彼らはすごすごと帰っていったことでしょう……けれど幸運にも、ここには楽器とそれを演奏する腕をお持ちの方々も、少なからず居合わせていたようです。
寝子島の誇る音楽家たちがひとたび立ち上がれば、一見寂しい夜の廃墟も、瞬く間に素敵なライブ会場へと姿を変えることでしょう。ここはひとつ、サンタさんへのお願いを、皆さんで本当のことにしてしまいましょう!
今回は、音楽が得意な方には演奏や歌をご披露いただくのはもちろん、観客としてそれらを楽しむこともできます。
独奏を存分に響かせたり、バンドを組んで賑やかに楽器をかき鳴らしたり。あるいはひとり、しっとりと歌へ耳を傾けたり。恋人同士や家族で一緒に楽しんだり。
優しい月明りの下、思い思いの形で、即興ライブを満喫してみてください。
アクションでできること
アクションでは、【1】演奏者、【2】観客、【3】その他のいずれで参加するのかと、その内容等をお書きください。
【1】ステージで音楽を演奏する
野外音楽堂のステージにて、演奏者として音楽を奏でることができます。
演奏は楽器でも歌でも、音楽を伴う何かしらのパフォーマンスでも、形式は自由です。おひとりでもバンド形式でも、アカペラだって大丈夫!
なお、司会者がいたり明確なタイムスケジュール等があったりするわけでは無いので、「次は俺が行くぜ!」「じゃ、次は私が行くわ!」と名乗りを上げた人から演奏していくことになります。
もしくは、楽器は得意だけど引っ込み思案だから……なんて方は、周りの観客たちから「あんたもやってみなよ!」とか何とかせっつかれた末にステージへ上ってしまう、といった形でもOKです。
観客でご参加の方へ、自分はこんな曲をやるよーっとお知らせしておきたい場合は、本シナリオの<コメントページ>にでも概要を書き込んでいただくと、参考にできて良いかもしれません。
【2】観客として音楽を楽しむ
観客として、即興ライブを楽しむことができます。
ひとりでしっとりと聞き入ったり、複数人でやんやとかけ声や合いの手を入れたり。音楽聞きつつ、恋人同士でイチャイチャしたり。
また、会場からはちょっと離れた場所でひっそり、静かに聞くなんてのもアリかもしれませんね。
事前に、特に重点的に聞きたい曲やグループの出演が分かっている場合は、お名前を明記してください。
特に指定せずに聞くに任せるという場合は、こちらでお好みに合いそうなものをピックアップさせていただきます。
ちなみに、野外音楽堂の観客席はなかなかに混雑しておりますので、お連れの方等いらっしゃる場合ははぐれないようご注意を。
【3】その他
上記以外の形で参加したい、という方はこちらへどうぞ。
例えば、イベントを盛り上げる裏方に回ったり、観客や演奏者へ温かい飲食物をサービスしたりなど、何でも構いません。他の方にメーワクをかけるとかでなければ、できる限り採用して描写させていただきますので!
その他、上記と合わせて、
・参加のきっかけ
(ねこったー見た、友だちに誘われて、山の中をさまよってたら……などなど)
・音楽に対する造詣や好みなど
といったところもお書きいただけましたら、描写の参考にさせていただきます~。
その他
●参加条件
特にありません。どなたでもご参加いただけます。
●舞台
『寝子島イリュージョンランド』にある野外音楽堂が舞台となります。
イリュージョンランドは、地図で言えばF-5あたり、九夜山の山頂付近にあります。
時刻は夜間で、光源はひとまず月明りのみですが、雲ひとつないほどに晴れており明るいです。
●NPC
○樋口 弥生
寝子島高校の音楽教師。上品な佇まいの和服美人ですが、音楽への造詣は深くて幅広く、ロックな魂までもお持ちなカッコイイ女性です。
今回はあくまで観覧のために訪れたものの、ひとたび演奏が始まればうずうずとして、誘われればステージへと乱入! してしまったり、一緒に即席バンドを組んでくれたりもするかもしれません。
以上になります~。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております!