サンタクロースの贈り物～クリスマススペシャルラーメン～｜リアクション

サンタクロースの贈り物～クリスマススペシャルラーメン～

「そんな不思議な出来事があったのね」
　寧々子の作るラーメンを受け取り、アリサはふむふむと頷く。
　サンタクロースに託された屋台。
　果たしてそのお味は……。
「美味しい！　寧々子は料理上手ね」
「ありがとう。レシピもちゃんと置いてあったのよね」
　寧々子がピラピラとレシピをアリサに見せる。
「あら？　このレシピ、白紙よ？」
「え」
　アリサの目には、寧々子のもっているレシピが白紙にしか見えなかった。
　寧々子がまじまじとレシピを覗き込む。
「……確かに、白紙ね」
「でしょう？　驚いたわ。あ、チャーシューもう一枚追加してもらえる？」
　首を傾げながら、チャーシューを切り分ける寧々子。
　寧々子が見た時は確かにレシピが書かれていて、それに則ってラーメンを作ったはずなのだが。
　さっきまできちんと書き込まれていたレシピは、正真正銘白紙だった。
「狐につままれた気分」
「この場合は、サンタクロースにつままれた、かも？」
「そうね」
　ふふっと二人は笑い、寧々子が「そうだ」と旅行鞄の中からワインを取り出す。
「それが、最初の人からもらったワイン？」
「そう。丁度いいから、二人で飲まない？」
「カロリーは……もうこの際、諦めましょうか。頂くわ」
　ラーメン屋台になぜかあったワイングラスを二個取り出して、寧々子はワインを開ける。
　ワインオープナーもなぜか屋台にあったのだが、なんせサンタクロースの屋台である。
　食材だって何だってあるのだから、必要になるものはすべてあるのだろう。
「それでは改めまして、カンパーイ♪」
「カンパーイ♪」
　カチン☆
　アリサと寧々子のワイングラスが、小気味良い音を立てて。
　二人はいつまでもいつまでも楽しい夜を過ごしていた。　

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