合法的におっぱいを触れるお仕事がありました｜リアクション

合法的におっぱいを触れるお仕事がありました

（レディなのは人間も動物も変わらないです）
　と、牛に対し丁寧に接するのは姫。彼女は乳絞りの前に牛へ「よろしくお願いするのです」と一礼し、優しく頭を撫でた。
「優しくするですよ～」
　と声をかけつつおっぱいに触れれば暖かくて顔が緩む。だが、ちゃんと乳絞りをするのも忘れてはいない。リズミカルに絞っていけば、温かいミルクがバケツ一杯に溜まっていった。
「なかなか筋がいいね」
　近くで作業をしていたまもるに褒められ、姫は少し嬉しくなった。

（これは面白いほどに絞れて行くよい）
　瓢もまた、順調に作業を進めていた。暖かい牛のおっぱいになんだか邪念が浄化されそうになったが、彼はくししし、と悪戯めいた笑いを漏らしながらバケツを運んだ。
「君は手先が器用そうだから、直ぐにコツがつかめたんじゃないのかい？」
「これはこれで楽しいさね」
　瓢はバケツを三田さんに渡しながらそういうと、空のバケツを手に再び牛の元へ。そうしつつもタンクの位置を確認しておく。
（ここからが本番さね）
　瓢は実に悪い笑顔でタンクへと向かって歩いていく。だが、それを塞いだのは搾り出されたミルクをタンクに運んでいた刀だった。
「骨削、そっちには牛がいないみたいだぞ？」
「おやぁ？　そいつは失敬」
　刀が腕を組み、睨みを利かせる。だが、瓢は「まだチャンスはあるよぃ」と内心で呟くのだった。

　一方その頃。牧場の方ではまだ平和な空気が流れていた。
「うふふ、温かいのね」
　牛のたわわに実ったおっぱいに触れながら慈愛に満ちた笑みを浮かべる蛇那伊。彼はバケツを用意すると、そっと目を閉ざし呼吸を整える。
（大量に必要となると速度も必要よね？　けど、速いだけじゃ駄目）
　そっと身構え、おっぱいのひと房に手を添える。
（一度に沢山絞れる方が良いわね。けど、乱暴に扱っても駄目……）
　そして、開眼すると、蛇那伊は実に丁寧な手つき且つリズミカルに乳絞りを始めた。明らかにスムーズに搾り出されるミルク。だが、牛は痛がっていない！　絶妙な手加減が一度に搾り出されるミルクの量を増やし、バケツはあっという間に満たされていく！
　彼は日々、友達などへマッサージを施している。その上、日頃鍛錬も行っている。それによって培われ、鍛えられた繊細かつ力強い指使いによって、絶妙な力加減と気持ち良さすら生み出す揉み解し方につながり、牛は夢見心地になっていた。
　絞り速度も乳牛に負担が掛からないギリギリまで上げて搾り出され、バケツはどんどん満たされていく。
「これ、運んでいくね！」
「お願いね」
　夏朝は次々に満たされていくバケツを持ってタンクへと運んでいく。蛇那伊はやはりたおやかな笑顔で感謝しつつ手を休めずミルクを絞っていく。
（うふふ、幸い、以前にも乳牛のお乳を搾った経験があるもの、それを存分に活かしてあげるわ♪）
　蛇那伊はそんな風に次々と作業をこなしていった。

　少し離れた所では、修が牛に優しく話しかけながら頭を撫でている。牛も心を開いたのか、修に頭をこすり付けていた。
「よしよし。……やっぱり張ってるな」
　屈んでぷるん、と揺れる牛のおっぱいに触れて頷くと、修は早速手際よく乳絞りを始めた。指に順番に力を入れて、リズム良く搾っていけばたっぷりのミルクがバケツへと出されていく。
　あっというまにバケツにたまっていくミルク。だが、おっぱいの張り具合を見る限りもっと搾った方がいいだろう。修は新しいバケツを用意し懸命に乳絞りをやっていく。
「順調だな」
　たっぷりとミルクの入ったバケツを受け取った刀がそう声をかければ、別の牛が「次は私よ」と言っているように近づいてくる。修は苦笑し優しく声をかける。

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