- 0
- 0
- 種族
-
- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
熊の霍乱？！ 風邪にご用心！
休め、と言われていた綾花は内心でため息をつく。が、円はそんな彼女ににっこり笑ってぽんぽん、と隣を軽く叩く。
「ここに座ってのんびりすれば、休めるよ。僕も休んでいたからちょっと楽になったし」
綾花は「そうですね」と頷き、円の傍に座った。猫２匹は症状が楽になったのか、呼吸が少し穏やかになったように思う。２人はそっと毛布で寝床を作り、手を綺麗に洗うとしばしの間休憩をする事に。そこに合流したのが五十嵐 尚輝の看病をしていた御巫 時子である。
３人は臨時保健室の片隅でチキンスープを口にしながら、周りの喧騒を聞きつつのんびりしていた。
「３人とも、ベッドで寝なくて大丈夫か？」
様子を見に来た一馬が心配そうに問うが、円たちは大丈夫、と笑う。一馬は具合が悪くなったら直ぐに呼ぶように、と真剣な顔でそう言った。
しばらくしておかゆが出来上がる。白いおかゆと卵のおかゆだ。希望者に持っていく事になり、さゆるもそれを手伝う事になった。
「先生、おかゆ食べますか？」
「あぁ。ちかも作るのを手伝ったみたいだからな」
竜司がそれとなく問うと、熊吉は雅人にフォローされながら身を起こし、ちかと夏夜からおかゆを受け取る。ふうふうと醒ましながら口にすると、ややあって「美味い」と嬉しそうにそう言った。ちかは、ぱっ、と顔を輝かせ嬉しそうに目を細める。
動ける者で希望者におかゆを配って行くと、みんな喜んで食べてくれた。動ける者たちも交代でおかゆを食べ、休めるときに休むようにしていると、少しは身体が楽になった気がした。
状況が変わりつつある中、牡丹はちらり、と林檎を見た。考えが合わない２人ではあるが、病に苦しむ者を助けたいという気持ちは同じなのだ。
「提案ですが、私と林檎さんのろっこんで、吉田先生の風邪をどうにかしてみませんか？」
その言葉に、林檎は僅かに考え、こくり、と頷く。彼女たちのろっこんは奇しくも『怪我や病』に関係するろっこんである。
「包帯で添木先輩に風邪を移し、俺が治癒するって事か」
『うん、やってみるよ！ さっきもろっこんがちょっとは通用したみたいだし！』
林檎の言葉に牡丹は「ええ」と答えると真面目な顔で熊吉へと向き直った。熱は少しさがっているものの、まだ苦しそうだ。牡丹は彼の額に滲んだ汗をそっと拭うと、優しく包帯を巻きつけ、反対側を自分の手首に巻きつける。
静かに牡丹のろっこん『傷移し』が発動する。熊吉の表情が僅かに和らいだかとおもった途端に、牡丹はぞくり、と強い悪寒と酷い頭痛、関節痛に襲われる。林檎はすかさずドライフルーツを咥えた状態で牡丹にアイアンクロー。すると、『オモルの腕』が発動し、牡丹の症状は軽くなる。
熊吉の表情は、少し柔らだように見えるも、まだ油断できない状況のように思えた。２人は顔を見合わせて頷き合うと、もう一度其々のろっこんを発動させる。神魂の影響か、ろっこんの効果が普段より弱いような気がするものの、回数を重ねるとその違和感も薄れる。
（この調子で行けば、症状は落ち着くかもしれません）
３度目の後、牡丹は熊吉の様子を見、静かに頷く。林檎に眼で合図をし、アイアンクローを解いてもらうと、自分の症状もおちついてきたような気がした。周りを見ると、他の人たちも症状が軽くなったのか、聞こえてくる咳の数が減ったような気がした。
「試しに体温を測ってみようぜ」
『吉田先生、平熱に戻っているといいな』
林檎が体温計を持ってくると早速検温。すると、体温は……３６．５度、と出た。
「「あっ……」」
思わず、林檎と牡丹は声を上げた。
それと同時に、多くの人々が自分の体調の変化に気付くのだった。
熊吉の熱が下がり、それと同時に風邪の症状に悩んでいた多くのものが、ほぼ健康体に戻っていくのを感じ取った。その時、既に夜の８時半になっていた。
動けるようになった熊吉はちかと共に帰宅し、夏夜は他のメンバーと共に見送った。彼女はなかなか熊吉の症状が和らがなかった場合、当人達に相談・連絡の上で桜花寮にある自分の部屋にちかを泊めようと考えていた。
（早く解決して、よかった。夏朝も安心するかな）
夏夜はどこか安堵した表情で頷き、帰宅準備をするのだった。
まゆも大事をとって早めに帰宅する。その際「俺が送ります！」と竜司が挙手したものの「車だから大丈夫だしそうじゃなくてもノーサンキュー」と言われ「どいひー！？」と叫んだのはまぁ、気にしないで置こう。
「ここに座ってのんびりすれば、休めるよ。僕も休んでいたからちょっと楽になったし」
綾花は「そうですね」と頷き、円の傍に座った。猫２匹は症状が楽になったのか、呼吸が少し穏やかになったように思う。２人はそっと毛布で寝床を作り、手を綺麗に洗うとしばしの間休憩をする事に。そこに合流したのが五十嵐 尚輝の看病をしていた御巫 時子である。
３人は臨時保健室の片隅でチキンスープを口にしながら、周りの喧騒を聞きつつのんびりしていた。
「３人とも、ベッドで寝なくて大丈夫か？」
様子を見に来た一馬が心配そうに問うが、円たちは大丈夫、と笑う。一馬は具合が悪くなったら直ぐに呼ぶように、と真剣な顔でそう言った。
しばらくしておかゆが出来上がる。白いおかゆと卵のおかゆだ。希望者に持っていく事になり、さゆるもそれを手伝う事になった。
「先生、おかゆ食べますか？」
「あぁ。ちかも作るのを手伝ったみたいだからな」
竜司がそれとなく問うと、熊吉は雅人にフォローされながら身を起こし、ちかと夏夜からおかゆを受け取る。ふうふうと醒ましながら口にすると、ややあって「美味い」と嬉しそうにそう言った。ちかは、ぱっ、と顔を輝かせ嬉しそうに目を細める。
動ける者で希望者におかゆを配って行くと、みんな喜んで食べてくれた。動ける者たちも交代でおかゆを食べ、休めるときに休むようにしていると、少しは身体が楽になった気がした。
状況が変わりつつある中、牡丹はちらり、と林檎を見た。考えが合わない２人ではあるが、病に苦しむ者を助けたいという気持ちは同じなのだ。
「提案ですが、私と林檎さんのろっこんで、吉田先生の風邪をどうにかしてみませんか？」
その言葉に、林檎は僅かに考え、こくり、と頷く。彼女たちのろっこんは奇しくも『怪我や病』に関係するろっこんである。
「包帯で添木先輩に風邪を移し、俺が治癒するって事か」
『うん、やってみるよ！ さっきもろっこんがちょっとは通用したみたいだし！』
林檎の言葉に牡丹は「ええ」と答えると真面目な顔で熊吉へと向き直った。熱は少しさがっているものの、まだ苦しそうだ。牡丹は彼の額に滲んだ汗をそっと拭うと、優しく包帯を巻きつけ、反対側を自分の手首に巻きつける。
静かに牡丹のろっこん『傷移し』が発動する。熊吉の表情が僅かに和らいだかとおもった途端に、牡丹はぞくり、と強い悪寒と酷い頭痛、関節痛に襲われる。林檎はすかさずドライフルーツを咥えた状態で牡丹にアイアンクロー。すると、『オモルの腕』が発動し、牡丹の症状は軽くなる。
熊吉の表情は、少し柔らだように見えるも、まだ油断できない状況のように思えた。２人は顔を見合わせて頷き合うと、もう一度其々のろっこんを発動させる。神魂の影響か、ろっこんの効果が普段より弱いような気がするものの、回数を重ねるとその違和感も薄れる。
（この調子で行けば、症状は落ち着くかもしれません）
３度目の後、牡丹は熊吉の様子を見、静かに頷く。林檎に眼で合図をし、アイアンクローを解いてもらうと、自分の症状もおちついてきたような気がした。周りを見ると、他の人たちも症状が軽くなったのか、聞こえてくる咳の数が減ったような気がした。
「試しに体温を測ってみようぜ」
『吉田先生、平熱に戻っているといいな』
林檎が体温計を持ってくると早速検温。すると、体温は……３６．５度、と出た。
「「あっ……」」
思わず、林檎と牡丹は声を上げた。
それと同時に、多くの人々が自分の体調の変化に気付くのだった。
熊吉の熱が下がり、それと同時に風邪の症状に悩んでいた多くのものが、ほぼ健康体に戻っていくのを感じ取った。その時、既に夜の８時半になっていた。
動けるようになった熊吉はちかと共に帰宅し、夏夜は他のメンバーと共に見送った。彼女はなかなか熊吉の症状が和らがなかった場合、当人達に相談・連絡の上で桜花寮にある自分の部屋にちかを泊めようと考えていた。
（早く解決して、よかった。夏朝も安心するかな）
夏夜はどこか安堵した表情で頷き、帰宅準備をするのだった。
まゆも大事をとって早めに帰宅する。その際「俺が送ります！」と竜司が挙手したものの「車だから大丈夫だしそうじゃなくてもノーサンキュー」と言われ「どいひー！？」と叫んだのはまぁ、気にしないで置こう。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2015年12月14日
- 参加申し込みの期限
-
- 2015年12月21日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2015年12月21日 11時00分
