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【お三夜】猫と人、二つの世界が交わる夜
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●灯されゆく火
空に届いた、ふたつのヴァイオリンの調べを聞いた。
祭りの熱気は、太陽を取り巻くコロナのように、神社の上空を覆っているように
御巫 時子
の目には映った。
時子はいま、美しい漆黒の羽根を広げたカラスであり、その瞳もまた漆黒のガラス玉のよう。
鳥目、などと言われ鳥は夜間ものが見えないのかと思われがちだが、カラスはわりに夜目は効く方だ。
暗色まだらのヨタカさんと並び飛び、上空から九夜山の黒い森や三夜湖の黒い湖面を見てきた時子は、人目を忍んで境内に降り立つと変身を解き、少女の姿へ変幻した。白のドレスに王冠をかぶり、髪と揃いの黒い猫耳に猫のしっぽを付けた姿は、まるで猫のお姫様だ。
お留守番していたちいさなひよこの雷鶏が、露店で買った風船提灯を引きずるように咥えて時子に駆け寄る。
時子が優しい手つきで雷鶏と風船提灯を持ち上げると、やわらかい橙色の灯りが時子を照らしだした。
「ただいま戻りました」
お社の影にいた二匹の狛猫がひょい、と火のともっていない石燈籠の上に飛び乗り、口々に尋ねる。
「如何であったろうか」
「お三夜様はいらしたであろうか」
時子は静かに首を振る。
「九夜山にあるナマズさんが封印されてる場所や三夜湖の方も見てきたのですが、それらしき姿はどこにも」
「左様でござったか」
心配性の一之助がしゅんとする。
「けど、神社の裏手の森が森がどんどん明るくなってゆくのを見ましたよ。行くときより帰って来た時の方がなおいっそう。ぽつりぽつり、まるで蛍が群れを成してゆくみたいに」
「おお。それはおそらく迷宮に挑んだ皆様が、猫灯篭に灯した火でござろう」
と答えるはしっかりものの二右衛門。
「みな、頑張っておられるのだな」
「うむ……さすが寝子島の民だ。それにしてもお三夜様は今頃どうしておられるのだろう。ご無事だろうか」
「大丈夫ですよ……ふふ、お三夜さまはクローネさんと追いかけっこして遊んでるなんて仲良しさんですね」
どこかずれた時子の言葉に、一之助と二右衛門が顔を見合わせる。
時子のポケットに潜り込んでいた雷鶏が、たぶん違うよ、というふうに、ぴよぴよと顔を出した。
「あら、そうなんですか……?」
時子は雷鶏の鳴き声に返事をするかのように答える。
いや、実際わかったのだ。彼女のろっこん<鳥の囀り>は、鳥たちと会話ができるのである。
「クローネさんとお三夜さまが仲良しさんだったらいいなと思うんですけど。私、鳥さんも大好きですけれど、猫さんも大好きなので……」
そのとき、社の屋根の上からなあごとひと鳴き、猫の声がした。
不機嫌そうな灰色の影は、テオだ。
時子はヨタカさんや狛猫たちとともに、場を屋根の上に移すことにした。
◇
それからまもなくのこと。
「あーっ、いたいたテオー! 今回もお疲れ様っと」
手をぶんぶん振って、
桜庭 円
とにゃーくんが神社の屋根によじ登ってきた。
「ほかにもみんなお集まりだねー」
「なんなんだ次から次へと……」
テオは、眉間の間に皺を寄せ、やれやれと言ったふうに目を閉じる。
「にゃーくんと一緒に食べ物買ってきたよ」
円が広げたのは、またたび焼きにカエルパイ、それから猫用ササミ団子だ。テオはちょっぴり鼻をひくつかせて片目を開けた。
「あと、風船提灯も。……あ、ごめん。全員分はないんだけど」
「テオさんにどうぞ」と時子。「私は自分のがありますから……」
「我らも構わぬ」と狛猫たち。
「そう? じゃ、テオ選んで。赤、青、緑があるよ。あ、座ってもいい?」
鼻先で青を選んだテオが「もう座ってるだろ」と呆れる。
「へへ、座っちゃってたー」と円。「てたー」とにゃーくんも追従して笑う。
そんな二人を微笑ましく見つめながら時子が尋ねた。
「円さんもお三夜さまを探しに来られたんですか……?」
「んー、どっちかというとテオが本命。何だかんだで、テオは真面目だし自分の事放ってこういう事してると思って、お祭りで楽しめそうな物を買ってきたんだよぅ」
「大きなお世話だ」
ふいっとそっぽを向くテオだが、その足はしっかりまたたび焼きの上に乗せられている。
「いろいろ大変なんですよね?」
時子がくすくす笑いながら円とにゃーくんに起こっている事を説明すると、にゃーくんはあんぐり口を開けてテオを見た。
「そっかー、お三夜様がクローネおねーさんに大変だ。テオおにいさんいっぱい食べて元気付けてー」
「う、うむ。そのなんだ、折角だから食ってやる」
「またー。素直じゃないんだから」
円が肩を竦めて笑った。
「ところで……」と時子は首をかしげる。
「お三夜さまってどんな猫さんなんですか?」
素晴らしいお方です、この寝子島を守っておられます、とヒントにならないような当たり障りのないことを口にする狛猫たちに、テオが大あくびで口を挟む。
「あいつはなー。チビの時から好奇心旺盛でお転婆なやつだったぜ」
「あら……テオさんはお三夜さまとお知り合いなのですか……?」
時子が尋ねると、テオは片手で顔を洗いながら気のないそぶりでこう言った。
「……ま、幼馴染みたいなもんかな……あいつなら大丈夫、だとは思うんだがな……」
「なにー? そんなこと言って心配してるんでしょ、テオー」
円がぎゅうぎゅうテオを抱きしめる。
テオは、きしゃーと牙をむいて「そんなわけあるか!」と怒鳴り返したが、お三夜様を気にして事態を見守りに来たのであろうことは、円にも時子にもにゃーくんにもなんとなく伝わった。
テオはもちろんそれを認めたりはしなかった。ただ「あいつもたぶん、……またたび焼きは好きだろうよ」とぼそりと呟き、円にもらったまたたび焼きにかぶりついては遠く裏手の森を見つめるだけだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
109人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月31日
参加申し込みの期限
2015年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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