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【お三夜】猫と人、二つの世界が交わる夜
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●自らと戦う男たち
どこかで誰かがヴァイオリンを弾いている。
ヴィヴァルディの「秋」。そのくらいは知っている。
迷宮に足を踏み入れた
呉井 陽太
は、手の中に忍ばせた
5体の粘土細工
を指でつついてろっこん<CCC>を発動させると、粘土な動物たちをめざめさせた。
誰かが近づいてくる気配がする。
陽太は念の為粘土たちを物陰に潜ませると、敵意がないことを示すように諸手を軽く上げながら、
「こんばんはー」
と話しかけた。
すると現れた影猫は、こんばんはと返すようにちいさく頷き、それからぬるぬる姿を変えた。
「……ふぅん、オレだねぃ?」
『そうだねぃ』影陽太は答える。
「で、どうする気? 襲って来るなら粘土ちゃん達を一斉にけしかけるけど」
『分かってるでしょ、試練だよぅ』
くすくす、と影は笑う。陽太は「んー」と思案した。
「試練を乗り越えてみろって事なら、戦闘じゃなくてもいいんじゃない?」
『例えば?』
「にらめっこしない? キミもただの意地悪で通せんぼしてるワケじゃなさそうだしね、そーしよー?」
◇
「なんだコイツ? 俺!?」
楢木 春彦
は左耳のピアスに二度さわり、自分にだけ見える空気の足場を宙に作ると、跳びあがって上に避ける。だが相手も同じような仕草をすると、空中の足場を蹴って春彦に襲い掛かってくるので埒が明かない。
「人のコト勝手にパクってんじゃねぇよ!」
舌打ちする。似てるのだ、動きが。
「くっそ……自分とそっくりな戦いって決着つかねぇな」
高みから振り下ろした右足が、相手の懐にきつく入る感覚。
「っしゃ!」と気勢を上げるも次の瞬間、逆に相手の蹴りが横っ腹にあたり、吹っ飛ぶ。
衝撃を殺すために転がった際に口の中を切ったのか、鉄の味が口の中に広がる。
そいつをぺっと吐き出し、春彦は毒づいた。
「んだよ、一撃入れてもこっちもやられてりゃ世話ねぇぜ」
ヴァイオリンの調べが聞こえる。
◇
『自分を乗り越えろ』
そう言われた
篠崎 響也
は、はぁ? と当惑ぎみに問い返した。そんなことを言われてもピンとこない。
「自分自身を倒せばいいのか? 実戦では遠慮したいな」
拳と拳を躱しあってなにか得られるほど、格闘術には長けていない。
そんな自分に打ち勝つ術といえば……、
「音楽」
直感でそう思った。
「お前が俺だとしたら、勝負するならやっぱ音楽だろうな。これで勝負しようぜ」
当たり前のようにいつも持っているヴァイオリンを取り出す。すると影の自分も、ぐっと自らの腹の中に手を突っ込んだかと思うと、そこからヴァイオリンを引きずり出した。
構える。
まるで鏡のように。
始まりの合図は呼吸だった。
ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲の四季から、秋。
枯葉舞う穏やかな秋ではない。
赤や黄に山裾を彩ってゆく山々。ゆっくりとではない。秋の精がやってきて、森から山へ蝶のように飛びながら、まるで刷毛で引くように緑から輝かんばかりの紅葉に塗り替えてゆくようなイメージの「秋」。
テンポも速い。競うようにさらに速くなってゆく。
(自分だけあって、腕前は同じくらいか)
響也はそのように相手の力量を推しはかる。
けど勝つのは俺だ。
音楽だけは、――ヴァイオリンだけは誰にも負けない。
(……と言いつつ負けた事なんて何度もあるけど)
例え負けたとしても必ず追いついてみせる。
追い越して見せる。
絶対に諦める事だけはしない。
(音楽は俺にとってのたった一つの特別だから)
彼の演奏には決意があった。
今の自分なんてすぐに超えてやる、という強い決意が。
気持ちを込めて、自分の決意さえも込めて、激しく力強くヴァイオリンをつま弾く。
曲にはいつか終わりがある。
弾ききって一息、肩で大きく息をする。
それからじっと影猫を見つめる。
影もまた、肩で大きく息をしていた。
それからゆっくりと弦を下ろし。
指揮者が素晴らしい演奏をした奏者にそうするように、響也に向かって拍手した。
「は……はは」
うん。ひとつ頷く。
悪くなかった。自分で言うのもなんだが、良かったと思う。
影猫に言わせれば、自らを越えたと呼ぶにふさわしい、そんな演奏だった。
陽太や春彦の耳に届いていたのは、この渾身の演奏だったのだ。
◇
かすり傷が増えていた。
見えないところに青あざもきっとあるだろう。
春彦と影の闘いは一進一退。互いに疲れが見え始めている。
「にしてもアイツ考えなしに突っ込んでくるよなー」
苦くつぶやき、ハッとする。
「ってかアレ俺のコトか?」
春彦は反省した。猪突猛進に相手に突っ込めばいいと思っていたのは誰でもない、自分自身だ。
(ココはただ突っ込んでくんじゃなくて、たまには考えて動かねぇとだな……)
春彦はあたりを観察した。ろっこん<Stairs of air>で作った足場がうっすらと見える。それは自分で作った分。影が作った足場は見えない。けれどいままでの動きから察するに、あそこと、あそこと……。
影が動いた。
「オマエがそう動くのはわかってるっつーのっ」
春彦はもうひとつ足場を作る。それはちょうど、影が足場を蹴って跳んだときに頭がぶつかる位置。
影は思惑通り、足場に頭を打ち付け落ちた。
そこに体重を乗せて拳を打ち込み……寸止めする。
「俺だってちっとは頭使えるんだよっ。勝負あり、だなっ」
喉元に軽く当てられた拳を両手で包むようにして影猫は溜息ひとつ、負けを認めた。
◇
進んだ先で春彦と響也は再合流した。
「お、篠崎。良かった無事そうだな」
ホッとした表情で白い歯を見せて笑う春彦の頬を、響也は心配そうに軽く撫でる。
「大丈夫か? ボロボロじゃないか」
「これくらいどーってことねぇ。そういや……」
と春彦は響也が下げるヴァイオリンに視線を落とす。
「戦ってる時なんか音楽聞こえたんだよなー。それ聞いたら負けらんねぇって気合が入った」
響也は口の端をあげて、そいつはよかった、と答える。
「ところで……あれは何をしてるんだ?」
視線の先には胡坐をかいて向かい合う陽太と影陽太がいた。
陽太も影も、手で口や鼻をあらぬ方向に摘まんだおかしな顔をして、ぷるぷると笑いをこらえていて――
『アハ、アハハハ、ハッハッハ!』
とうとう噴き出したのは影。影は笑い転げたまま、すうっと薄くなって消えていった。
「よーし、勝った! 火を灯しに行かないとー……」
「ぷっ。なんだよ、オマエ」
春彦の声に驚いて、変な顔のままびくっと振り向いた陽太の、ばつの悪そうなことと言ったら。
「って、えぇ!? いつの間に春彦君いたのん? ヤダぁ、もしかしてにらめっこ見られた?」
「わりーけど見てた。あ、こっちは篠崎」
紹介された響也は「ども」と会釈する。陽太は細い目をさらに細くすると訊ねた。
「ヴァイオリン……ってことは、綺麗な音色が聴こえたけどアレって響也君だったのん?」
「たぶん」
「良い演奏だったわー。春彦君は、怪我してるなら、ハイ絆創膏」
「さんきゅー。ケド貼るの面倒くせぇし気持ちだけ貰っと……」
「いいから貼りなサーイ」
陽太がペタリ貼った絆創膏。春彦は人差し指で触れ、すこし頬を赤くする。
「って、おまっ……」
「あ、そうそう」陽太は春彦の抗議を聞かず、ちょっと真面目な顔をした。
「お三夜様が現れた瞬間って一番狙われ易いと思うから、よかったら3人でお三夜様を守らない?」
「なるほどなー。んな風に考えて狙ってくる奴も居るかもしんねーか。俺はオッケー。篠崎は?」
響也も「あぁ」と頷く。
春彦は二人の肩を叩き、先へ行こうと促した。
「よっし、時間も無限じゃねーしさっさとココから出たほうがイイな」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
109人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月31日
参加申し込みの期限
2015年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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