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【お三夜】猫と人、二つの世界が交わる夜
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●あたらしい関係
三毛猫柄の甚平をそよりそよりとはためかせ、
都鳥 九朗
は夜風を切って祭りを歩く。
島育ちゆえにお三夜なんて慣れちゃったし……などとはじめは思っていたのだが、今宵はどうもいつもとは様子が違うようだ。
三毛猫の甚平によく似合う、釣り上がった目の三毛猫のお面を買ってつけると急にサンマが食べたくなってきた。いい匂いをさせている炉端焼きの店で串に刺したサンマを一尾、丸ごと焼いたヤツを買い、はふはふ言いながらかぶりついていると、型抜きの露店で真剣な顔して画鋲を振るう、ふたりの少女に気が付いた。
(あっ、同じクラスの黒谷さん姉妹だ! えへへ、お祭りで見かけると一段と可愛い気がするっ!)
ふたりがあんまり真剣なので、そっと近づき後ろから覗きこんでみる。
人懐こいクラスメイトの
黒谷 エイミー
は比較的簡単なペンギンを、クールな方の
黒谷 エスター
はもう少し難しいカニにチャレンジしている。
「でっきたー!」
エイミーが顔を輝かせて万歳した。
エスターは難しい顔をしていたが、「あ」と小さく悲鳴を上げて机に突っ伏す。
「あー、惜しかったねっ」
「目のとこ、難しすぎだよ……でもこの細かくて地味な作業、割と好きなんだよね」
一区切りついたと見て九朗お面を被り直し、そっと後ろから二人に近づく。
「にゃーっ!」
「わっ!」
「な、なに!?」
ふりかえって目を瞠ったエイミーとエスターに、九朗はお面を外して笑顔を見せた。
「やっほー、同じ2組の都鳥だよ、2人ともどこか回るところ決めてるの?」
「エイミーのクラスメイト?」
とエスターは、ひとなつこそうな赤い瞳に、ベリーショートの銀の髪の九朗を見上げる。
「あ、そうだよっ」とエイミー。「たしか島育ちなんだよねっ。ひとりなの?」
「うん。だからさ、良かったら、僕も一緒させてよ」
「いいよー」
エイミーがにっこり即答してくれたので、九朗は内心ガッツポーズ。
可愛い女の子とふたりでお祭りを見て回れるなんて、とっても素敵だ!
女の子に夢溢れるお年頃なのだ。
「よし、じゃあ型抜きもう一回! 三人おなじ型にして出来た人は出来なかった人から奢ってんもらえるってどう?」
とエスターが勝負を持ちかける。エイミーも九朗もこれに乗った。
「負けないよっ」
「僕だって!」
――それから10分後。
エイミーは猫のかたちの鼈甲飴を、九郎は富士山牧場のプリンパフェを、エスターに奢ることになった。
「勝つというのはすばらしいね」
上機嫌で歩くエスターは、ふと、猫の雑貨を扱った露店の前で足を止める。
「それにしても見事に猫に関するものばかりだ。コウモリとかはないのかな」
「コウモリ?」
九郎が聞き返す。
「私は猫というよりはコウモリっぽいだろう? エイミーは猫っぽいけれど」
「そうかなっ、どのへんが?」エイミーが聞き返す。
「仕草とか、そういう所。飼ったことないけど、そんな感じ」
九郎はエスターとエイミーをまじまじと見比べ、そうかもなあと思ったりする。
蝙蝠っぽいエスターと、猫っぽいエイミーと覚えれば、覚えやすいかもしれない。
「あ、みて。これ、ふたりに似合いそうじゃない?」
九郎が指差したのは、色違いの猫がついたピン留め。
エスターとエイミーが、揃って九郎に微笑みかけてきた。
「お揃いで買っちゃう?」
「いいねっ」
「えっ、僕も?」
祭りの魔力にうっかり取りつかれてしまったのだろう。エスターが黒、エイミーが白、九郎は赤の猫がついたピン留めを買い、互いに髪に付けあいっこする。
「今日の記念だねっ。エスターと一緒にお祭り来れて良かったっ。都鳥とも会えて良かったっ」
嬉しそうなエイミーの笑顔が眩しすぎる。
「今年の夏は引越しの準備とかで忙しかったもんねっ。ようやく島の住人になれたって感じっ」
それを聞き、九郎はうやうやしくふたりに手を差しだした。
「ようこそ寝子島へ。これからもよろしくね!」
エスターとエイミーは顔を見合わせ、それから新しい友人と握手する。
今日は改めて寝子島の住人になれた日。
三人の髪には、猫のピン留めがきらり、光っていた。
◇
そんな風に九郎たちがはしゃぐその傍で。
同じ屋台を覗いている男女がいた。
「千堂もつけようぜ、絶対似合うって」
「え……そ、そうかな……」
お参りを終えた
鵙海 甫
と
千堂 結
が猫グッズを選んでいる。
「千堂の瞳、綺麗だからさ、こういうお面が似合うぜ絶対」
それは和風というよりはヴェネツィアンマスク的な目から鼻の部分のみを覆う黒いマスクで、金や銀で花模様の縁取りがされている。結は、その瞳がコンプレックスだった。この瞳が原因でいじめられたこともあった。けど……彼は気にしない。綺麗だと言ってくれる。おそらく甫は正直さで損をするタイプだろう。けれどいまだけは、彼が正直だと信じられることが嬉しかった。猫の店主にも勧められて、試しにとおずおず当ててみれば、マスクは結の柔らかな黄色の瞳をとても神秘的で魅惑的なものにしてくれた。
猫が差し出す手鏡をみて、それから甫を振り返る。
「……似合う?」
「似合う」
甫は断言する。
その間のなさが嬉しい。
「どうしよう……買っちゃおうかな」
「いいと思う。これもセットで」
と強引にコーディネートしたのは黒猫のしっぽ。
猫の店主に値引いて貰って、結はそれらお買い求めると、さっそく付けて祭りを歩いた。
「普段するとちょっと恥ずかしいけど……お祭りだから、気分的には無礼講って感じかな……えへへ、なんだか、例えがちょっと変だね」
「わかるよ」
そういう甫も猫耳フードのパーカーを買った。
「にゃー!」
とふたりで猫の真似をして顔を見合わせ、くすくす笑う。なんだかとても、楽しくてたまらない。
「腹減ったな。なんか食う?」
そういって二人が立ち寄ったのは「おにざき」だった。
できたてほかほかのサンマさん丼を、縁石に並んで座って食べる。
「おいしいね……」
「ああ」
「食べ過ぎないようにしたいけど……ううっ、誘惑がいっぱい……だから、今日くらいはいいよね……食べてもいいよね!」
「なに気にしてんだ? 体重か?」
「うっ……そ、そうだけど気にしないっ。大丈夫!」
(ほんとうは大丈夫じゃないけど)と結の顔に書いてあるが、見ないふりをするのが男の親切だろう。
「美味かった。けどデザートも欲しいな。なんか食べたいのある?」
「りんご飴とか食べたいなぁ……」
「オッケー、りんご飴な」
甫は立ち上がるとさっそくりんご飴の屋台に結をいざなう。
強引なところもある甫だけれど、こうやって振り回されるのはいやじゃない。
だって、ひとりだったらこんなにはしゃいだりしなかったと思うから。
「ありがとう、鵙海君」
「ん?」
「誰かとお祭りなんて、私初めてだから……すっごく楽しいっ。ちょっと不思議だけどね。ふふ」
「俺も。面白かった」
さりげなく、甫は結と手を繋ぐ。
真っ直ぐ帰るのが惜しい気がする。
彼女も名残惜しそうに、甫のことを見上げてくる。
そうだ、寄り道して帰ろう。もうすこし、話していたい。彼女と、彼と。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
109人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月31日
参加申し込みの期限
2015年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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