this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【お三夜】猫と人、二つの世界が交わる夜
<< もどる
1
…
26
27
28
29
30
…
45
つぎへ >>
●愛するふたりの
男として、夫として、大切なことは何だろう。
妻や家族を守ること?
妻や家族を愛すること?
恵御納 久隆
と
恵御納 理沙
夫妻は、寄り添うように三千鳥居の迷宮に足を踏み入れていた。
久隆も理沙も、愛する家族のいるこの世界をおかしくさせたくはない、その一心だ。
愛すること。守ること。
お父さんとお母さんは、自然とそんなことを考えている。
――では、夫と妻としてはどうだろう。自然と、夫と妻になってゆくのだろうか。
分かれ道に差し掛かると、どこからともなく二匹の影猫が現れた。影猫はぬるりぬるりと、まるで溶ける氷の像を逆回しにしたかのように人の形を取り始め、最終的に久隆と理沙そっくりになる。
久隆は理沙を庇うように一歩前に勇み出る。
「理沙……ここは私が引き受ける。君は先に進んでくれ」
「旦那様……」
長い金髪の理沙は、少女のように愛らしい緑の眼差しに複雑な色を湛えて、夫の背中を見つめる。だがその色は久隆からは見えない。彼が感じているのは愛しい妻を守るのは自分しかいないのだという思い。それから喉元にせり上がってくる幾ばくかの後悔。
久隆は振り向かず妻に語りかける。
「私が倒れても君が無事なら火は灯せるはず。お三夜さまを追いかけているという鴉の思惑は解らんが……君や夏朝の生きる世界を守るために私に出来ることは彼らを倒すことだ。それに……」
続く言葉は口に出さずに噛み締める。
(
あの時妻子を守れなかった私に今できる事は、この位しか……
)
三年前、身重の妻を残し海外出張に赴いてしまったこと。
その間に妻は流産し、一番辛い時に傍にいてやれなかったこと。
致し方なかったと言えばそれまでかもしれない。けれど、あのときなぜ出張を断れなかったのかと、悔いぬ日がなかったかと言えば嘘になる。
理沙もまた辛かった。
お腹に宿った命がひとつ、自らの中から失われたのだ。辛くないわけがない。
そしてそのことを、長らく腫物みたいに扱ってきた……。
(でも……)
それは、相対する影猫を見ていて気付いた事。
久隆は自分を庇おうとしてくれている。
影猫たちもそう。影の久隆は、影の理沙を庇おうとしている。
(偽の私はそれに甘えている、ような……もしかして私『達』の弱さって……)
自分では気づいていなかった。傍から見てみて、初めて気づいた。
それから――突然、こうしなければいけない気がしたのだ。
「旦那様も私もばかぁぁぁ!」
「ぐはぁっ!?」
理沙は本物の旦那様にジャンプで頭突きをした!
まさか後ろから妻に頭突きされるとは思っていなかった久隆は、まともに喰らって海老反りになった。理沙も理沙で頭を押さえて呻いている。
「い、いたぁい……さすが旦那様……頭頑丈だわ~」
「理沙、いったい……」
狼狽えぎみな旦那様に、理沙は気を取りなおしてビシリと言った。
「旦那様聞いて! 私は、皆にずっと感謝してる。……けど……」
一瞬の躊躇。
でも、いま頑張って、本当のことを全部吐きだしてしまわなければいけない、と自らを奮い立たせる。
「ここ数年、私もあなたも夏朝ちゃんも……皆、互いに遠慮してた気がするの!」
「え、遠慮している事……?」
「ええ。私……わかったの。過去に向き合う事も、これ以上傷付いたり傷つけるのも恐れて、互いに遠慮して優しく甘くしてた……まるでずっと、朝食に砂糖菓子だけ並べてたような感じ。私、きっと野菜も食べなきゃだめだし、スープも飲まなきゃだめなんだわ。もしもそれが、少しばっかり苦いものだったとしても、砂糖菓子だけじゃよくないもの。私と旦那様と夏朝ちゃんのためにも、そうしなきゃいけないときが……そういうふうに思えるときが来たんだわ」
理沙の独白を聞くうち、久隆も少しずつ落ち着いてきた。
(言われてみれば、確かに……)
久隆もどこか怯えていた。
妻子を傷つけてしまうことを恐れ、指摘もやんわりとしかできず、叱る事も控えていたように思う。
(……臆病だな、私は)
理沙の言うとおりだ。互いに遠慮しあっていた。家族なのに。愛しているのに。
「言いたい事も打ち明けないといけない事も沢山あるの!」
理沙は一生懸命そう訴える。
まるで生まれ直しているみたいに。
「旦那様も、私に遠慮してる事あるでしょ! 思ってる事あったら今言って……ほら!」
理沙にせがまれ、久隆は居住まいを正した。
「ならば……言わせてもらおう」
まずは……。
「毎日丁寧に家事してくれている事、感謝している。が……」
「が?」
「休日位は、食事の用意や家事を手伝わせてくれ!」
「……って……ま、真っ先に思った事はそれなの~!?」
そうだ、と久隆は生真面目に答える。
「いつも君にばかり世話をかけて私も夏朝も申し訳なく思ってたんだ……!」
「そんな……そんなこと……ばかっ!」
鼻の奥がつんとしてきた。泣いていいのかわからなかった。
「そういうことはもっと早く言ってくれなきゃだめでしょ! 感謝って言葉に出さなきゃ伝わらないんだから!」
というところからはじまり、その後は影猫達そっちのけで夫婦喧嘩。
正直に、真っ直ぐな言葉を伝え合う。
ここ数年なかったことだ。
夫は実感する。
(家族で向き合ったりぶつかり合う事すら恐れていたのだな……)
そして妻も実感する。
(私が一番傷付いてると思って皆遠慮してくれてたのね。ごめんね、旦那様、夏朝ちゃん……それに……)
途端に愛しい気持ちが込み上げてきて、久隆の胸に飛び込む。
「こんな時に喧嘩してごめんなさい」
久隆はその肩を優しく抱く。
「私こそ……すまん」
そしてふたりは影猫に向き直った。
「今度はあなたたちと向き合うわ、旦那様と『2人で』! 大丈夫、2人ならきっと……らぶらぶ的な意味でも負けないわ~!」
影猫たちは、自分たちと同じように寄り添っていた。
どちらかがどちらかを庇うのではなく、堅く手を繋いで並び立っていた。
そして――何も言わずに姿を消した。
「え……あれ?」
拍子抜けだ。だが……つまるところ、影猫たちも目的は達したのだ。
影猫たちがいたところには、ぽつんと猫灯篭がひとつ。
ふたりは一緒にお三夜さまの無事を願いつつ火を灯す。
「年末には……ううん、もう少し後でもいいの。夏朝ちゃんも交えて『家族皆で』話し合いましょう?」
「そうだな……その為にも、まずはこの世界を壊させまい。『家族皆で』この世界で生きる為にも」
「ええ。皆で良い未来を掴む為にも!」
<< もどる
1
…
26
27
28
29
30
…
45
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【お三夜】猫と人、二つの世界が交わる夜
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
109人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月31日
参加申し込みの期限
2015年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!