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【お三夜】猫と人、二つの世界が交わる夜
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●奇妙なデートとネズミ射的
「咲さん、バナナチョコはどうですか? 猫のかたちにアレンジしてあるらしいですぜ」
「咲さん、リンゴ飴も食べましょうぜ」
「咲さん、舌が真っ赤になってる。へへ、艶っぽくて惚れ直しちまう」
「咲さん、あれも見ましょうぜ」
「……」
矢萩 咲
は、
七峯 亨
氏から至れり尽くせりのもてなしを受け、身の置き所に困っている。
というのも咲の一歩後ろを付いてきている、いまや世界を股にかける利腕スナイパーみたいな顔になっている姉・
矢萩 秋
の負のオーラが、ゴゴゴゴゴと擬音を立てて高まってゆくのが背中越しにも分かるからだ。
「あのですね、亨君……」
「遠慮は要りませんぜ咲さん、準備はたんまりありますから。……お姉さんの方も如何で?」
に、と歯を見せて笑うのは、動物における威嚇行動だ。
「さっきから煽る行為ばかりね……私を試しているつもり?」
秋は亨の胸倉を掴み、にやりと同じように歯を見せて笑った。
(いい度胸じゃない。あえて乗っかってあげるわ……どういう反応をするかで見極めてあげる)
「お姉さんだって俺を試してますよね。おあいこでしょう?」
「ふーん……言うじゃない。なら、あの射的で勝負よ」
秋が指差したのは、難易度の高いネズミの射的だ。
亨には分かった。秋の殺気と威圧感は本物で、けれどまだ本気じゃない、と。
亨は余裕の顔で秋の手を解くと「ご随意に」と勝負に乗った。
咲が慌てて止めに入る。
「ちょ!? 二人ともやめなさい!」
「いいんですよ、咲さん。お姉さんが本気で勝負をご所望なんだ、男見せてやりますよ」
猫の店主からひったくるように銃を借り、ネズミが駆ける台を狙う。
「茶色のはお菓子、灰色のはおもちゃ、白いのに当てたら高級またたびだよ!」
「オーケー。どうせ狙うなら一番大物がいいわよね。先に白いのを殺ったほうが勝ちでいい?」
「構いませんぜ、お姉さん」
コルクを詰める。
「二人とも、やめてよ!」
静止する咲に、ふたりは声を揃えて「「黙って見てて」」。
そう言われては黙るしかない。
「どれ、まずは試しに」
先に打ち始めたのは秋だった。白ネズミが飛び出してきたところをまっとうに狙って一発。
当たらなくても構わない。銃のくせを見極めるだけだ。
続いて亨もパン、と打って弾込めし、さらに一発。
「こいつぁ歯ごたえがありそうだ」
銃身の歪みに気づき、にやりと笑う。すこし左上を狙えば良いか。
「さあ、次は本気で狙うわよ」
秋が勝負師の顔になってくる。亨だって、いわんやをやだ。
「負けませんぜ。咲さんのためにも」
咲は、呆れてため息をつく。
(……咲さんのため、って、結局自分が楽しくなっちゃってるじゃない。秋姉さんだってそう)
勝負がつくのをただ見ているだけなんて面白くない。
そこで咲もお代を払って、射的を楽しむことにした。
何度か弾を打ちつくし、その度お代を払い直して、店主も呆れる100発目。
ここまでの戦績は、亨が茶色5匹と灰色3匹の計8匹。秋が茶色7匹と灰色1匹の計8匹。
ネズミの数だけみれば同点だ。
猫たちはとかくこういったケンカが好きらしく、いつしか観衆が集まっている。
女を掛けた男と姉との戦いらしいとひそひそ噂も広まっているようで、咲としてはいたたまれない。
「もういい加減にしてください! この100発目で勝負がつかなければ引き分けですからね!」
咲の怒鳴り声に、集まった観衆たちはしんと静まる。
秋は最後の弾を込めた。亨もそうした。
構える。
白ネズミが飛び出してくる。
この屋台のネズミたちのなかでは、とびきりすばしっこいネズミだったが、さすがに疲れが見えるようだ。
台の中央で立ち止まった。
「いまだ!」
秋は引き金を引いた。亨も引いた。
ついでのつもりで参戦していた咲も引いた。
ふたたびネズミ射的の屋台に戻って来ていた
水守 流
も。
4つのコルクは一斉に白ネズミに向かって行った。
白ネズミは倒れた。
「だ、誰のが当たった?」
観客たちの誰もがごくりと固唾を呑んだ。
「僕見てたよぉ」
観客の中から可愛らしい声が上がった。
おばあちゃん猫のマチカと、
曖浜 瑠樹
だ。
「この人だったよぉ」
瑠樹が指差したのは――咲だった。
「おっめでとうございまぁぁす!」
猫の店主ががらんがらんと鐘をならし、大ぶりのまたたびの木を持って来た。
「あ、ありがとうございます……あれ? こういう結果でいいのでしょうか……?」
「いいのよ」と秋が咲の肩を叩く。
「お姉さん、俺らもそろそろ矛を収めましょうや。喧嘩は祭りの華たぁ言いますが、ハレの日に痴話喧嘩じゃ締まらねぇでしょう。此処は楽しむだけにして、荒事はまたの日に持ち越しで如何です」
亨と秋は堅く――互いの手が白くなってギチギチ震えるくらい力を込めあって握手する。
「私如きに臆するようなら到底認められなかったけど……いいわ。その度胸に免じて今回は目を瞑りましょう」
ふたりが握手しあうのを見て、咲は胸を撫で下ろす。
「もう……本当に心臓に悪い」
◇
「ちぇっ。また打ち損じたか」
そんな流のところに、猫の店主がやってきた。
「はーい、白ネズミは外したけど、灰色ネズミに当たってたよ。おめでとうー」
もらったのは『
ごきぶりの林 アンニュイホームクラッシャー
』という、さきほどゲットした『こないで ごきぶりの林』のシリーズ作品らしきもの。
流は手に取りじっと見て、顔をあげると瑠樹少年に「やるよ」とあげた。
「わあ、ありがとう~!」
と瑠樹は目を輝かせたけれど、たぶんどのハードでも動かないのではないだろうか。
それでも――、と流は思う。今日という日の思い出にはなるだろう。
自分はもう、ひとつ持っているし。
「お兄さんやさしいねー」と猫の店主。
「そういうわけでもないけど……あ、そうだ。俺、景品よりなでなでさせてほしい」
「いいよー」
流が猫をなでなですると、見ていた瑠樹も和んだらしい。周囲の精神を著しく和ませるろっこん、<ゆるゆる和みと恩恵の輪>が発動し、その場にいた全員がほわんとやさしい顔になる。
そのとき、まちかが耳をぴくんと動かした。瑠樹の両親の声がしたのだ。
「ねえ、瑠樹。そろそろお別れの時間のようだ。迎えが来たよ」
そのことは嬉しいけれど。
「まちか」
名を呼び、もう会えないんだと思うと、瑠樹は涙が零れそうになる。
「さびしくなるなぁ」
「……何言ってるんだ、家帰ったらまた会えるさ」
そんときゃフツウの猫だけどね、とまちかは笑う。
そうだね、と瑠樹と最後にまちかを抱きしめ、それから大きく大きく手を振った。
「ばいばい、まちか……また家で会おうなぁ!」
◇
瑠樹のろっこんのおかげもあったのだろう、三人のデートはその後はつつがなく過ぎた。
それはそれで良かったのだけれど、咲だけがどっと疲労感を感じている。
「……今日は疲れました」
「咲さん、すまねえ」
「……まあ、楽しくなかった訳ではないわ、亨君。今日は誘ってくれてありがとう。それで姉さん? 後でお説教ですから」
「あは、あはは」
秋は笑って、それから咲の耳元でささやく。
「亨君はまあ合格よ。でも……もう一人いるの? お姉ちゃん複雑」
「なっ!」
赤くなる咲。ほっぺたがおもちみたいに膨らんでゆく。
けっこう怒ってるのかもしれない。説教くらいは甘んじて受けよう。
お姉ちゃんは心配だったんだよ。
いままで恋愛ごとに運のなかった妹だから。
(咲が恋、か……ようやく
あの事
から立ち直れたのね)
咲の隣で笑う男のおかげかもしれない。それから、ここにはいないもう一人の。
優しい二人の男たちが、妹を暗い沼の底から引き上げてくれるヒーローなのかもしれない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
109人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月31日
参加申し込みの期限
2015年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月07日 11時00分
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