【生徒会総会】クラブ対抗！部費争奪戦ｂｙコメディエアー｜リアクション

【生徒会総会】クラブ対抗！部費争奪戦ｂｙコメディエアー

72.

　さっとにわか雨が薙いだあと、空には秋の星空が広がっていた。
　待ちかねていたように、バーベキューの道具が出され、肉が焼かれていく。
「お疲れ！」
　満面の笑みで、椿美咲紀がジュースを持ち上げる。
　射撃部、新聞部を中心にした参加者たちが、それに唱和した。

　打ち上げは、新聞部と射撃部で焼き肉を食べに行くことになっていた。
　だが、せっかくだから……という運営本部の提案で、バーベキューパーティが開催されることになったのだ。
　コメディエアーの加護は期待できないので、バーベキューセットはキャンプ場のものなどを利用、肉、野菜などの具材も、当然お金を払わなければならない。
　大きく勝利したクラブが、ちょっとずつ負担したという話もある。
　
「陸上部、お疲れ！」
　冴木　竜司の音頭で、陸上部が乾杯する。
　「よく頑張ったな！　俺は、お前たちのことを、誇りに思うぜ！」
　参加者６名を前に、竜司が胸を張る。
「負ける気はしなかったんだ！」桐野正也も拍手を送る。
　何か、自分たちより喜んでいる風情の先輩に、照れくささで顔を俯ける６人。
　特に正也の幼馴染、七音侑は顔を赤らめる「にししし……」と笑っている。

「まあ、どんな結果であろうと、大きなけがもなく、仲間たちが皆のため頑張れたんだ！
　これに勝るものはないと思う。部費も大事だけど、仲間との絆が一番だ！」
　竜司はそういうと、レモンジュースを天に突き上げた。

　その傍らでは、軽音楽部が、いつ果てるともない演奏を繰り広げていた。
　ノリノリなロックとは打って変わった、ギター一本によるバラード。
　柔らかな歌声が、夜に流れていく。
　どこまでも自分らしく、お祭りを楽しんでいきたい……。
　実行委員で、同じく軽音楽部の呉井陽太、後輩の活躍に満足である。
「やったー」
「すごいよー」
「ばんざーい！」
　陽太の代わりに、彼のクレイ人形たちが、快哉を叫んでいた。

「軽音楽部、サイコー！」
　楢木春彦、そして陸上部皆の声に、
「陸上部、サイコー！」
　呉井陽太、軽音楽部が答えた。