【生徒会総会】クラブ対抗！部費争奪戦ｂｙコメディエアー｜リアクション

【生徒会総会】クラブ対抗！部費争奪戦ｂｙコメディエアー

53.

「長丁場になりそうだなぁ……」
　踊り場に身をひそめ、日暮ねむるはつぶやく。
　同じくハルダウンを繰り返す修、派手に銃を乱射する凜乃のようすが配信されてくる。
　
　コメディエアーの変容により、射撃部は大きな恩恵を受けていた。
　追い風エアーであった。

　そして、エアーの恩恵を受けたチームがもう一つ。

　廊下を驀進する連中が、罅の入ったコンクリートに足をかける。
　そこだけきれいに、すっぽりと崩れ去る。
　落とし穴の応用だ。下にはスポンジが敷き詰められ、当面のけがはない。

　さらに突っ込んでくる連中は、宙づりのブービートラップで行動不能。
　事前の仕込みを十分に行っていた、探検部。
　彼らの戦術が、ようやく動きだしたのだ。

　トラップ用の大木はないが、剥き出しになった鉄骨、太いコンクリート柱、なんでも応用は可能。
　サバイバルの練習として、もってこいである。
　着実に罠をしかける士。それを手伝いながらも、豪はみゆきに視線をむける。
　部費のためなら、割り切ってはくれているようだが、それでも積極的に人を傷つけるのは、乗り気ではない様子。
　臆病――いや、生真面目なのだ。それは、尊重したい。

　ぬいぐるみと油断して近づいてきた相手、突如猫の関節部から突き出た槍に驚く。
（やるしかない…先輩のために）
　北原みゆきは考える。
　相手を積極的に害することはないけれど、自分らしく。

　修は頷いた。状況は自分たちに有利。あとは傾いた天秤を戻させることなく、ラストまで突っ走ればよし。
　ここまで来て、三人でいるのは不利だ。
　ならば、最初の手はず通り、単独行動に移行するべき……。

「待たれよ！」
　その背後に、声がかけられた！