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道すがら ――秋、11月の頃――
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(あ、借りてた本そろそろ返さなきゃかな……)
鞄に一式を詰め込み整理していた
千明 優輝
は指先に引っかかった一冊の貸出期間が迫っていたことを思い出した。今日明日までというわけではないが、
(新しい本も借りたいし、図書室に寄ってから帰ろうかな)
思い出した次いでだしと、帰る内に寄り道するのを忘れないようにとその一冊を鞄から取り出し腕に抱えた。
さてどのルートで図書館に向かおうかと適当に道を歩いている最中、優輝の視界に知っている姿が入る。
(あ、あそこにいるのは八神君かな?)
自転車に跨ったまま信号待ちしている同級生の
八神 修
に気づき、優輝は早足で駆け寄り声を掛けた。
名前を呼ばれ振り返った修は優輝が抱えている本に気づいた。
「本?」
「あ、うん。借りっぱなしだったから」
ちらりと見える図書ラベルにそういえば自分も図書館から借りたままの本が鞄に入っているなと気づく。それを言うと優輝は偶然だねと笑った。
「なら折角だし一緒に行こうよ」
「だな。一緒に返しに行くか」
自転車から降り押し始めた修の横で優輝は図書館までの短い二人旅にえへと笑った。
それからは図書館に行くまではあっという間だった。今日行われた授業の話を皮切りにこれからの祭りのことや流行果てはテレビの話題で盛り上がり時間の流れはとても速く、見えてきた図書館に修は先に優輝を玄関へ行くように促し、自分は自転車を止めに一時彼等は別行動を取った。
そして合流し、二人一緒に返却用の窓口へと向かう。
「えっと。ありがとうございました……って、八神君?」
「え、なに?」
返却作業を終え、またのご利用をお待ちしておりますの挨拶を背中に修は驚く顔の優輝を見た。
「なんか難しそうな本だったね。宿題用に借りた参考書にしてはちょっとレベルが違うかなぁ」
見えたタイトルから察するに科学技術書籍の類で自分が借りた参考書と比べるとかなり違っていて優輝は興味の視線を向けていた。
「雑食でな。何でも読むんだよ」
そんな大袈裟なものじゃないと修。
「実用書とか学術書が主なんだけど、でも推理物や歴史物は読むよ。
それより千明は参考書を借りるなんて勤勉だな。参考書以外では千明は普段どんな本を借りるんだ? ……というか好きな本はなんだと聞いたほうが早いか」
足が向くままに図書館の本棚の間を二人で進みながら修から疑問を振られた優輝は「好きな本かぁ」と思案を零す。新たに別の宿題用の参考書を借りようかと考えていた為改めて問われると思考の切り替えが僅かばかり鈍った。家だとついつい漫画類を読んでしまうので図書館では参考書を探すことが多いというのもあるかもしれない。
「あ」
うーんと唸る優輝は雑談を交わしつつちら見する本棚に気になるタイトルを見つけて声を上げた。
「ああいうのかな」
タイミング良く見つけられて説明が省けたと機嫌よく比較的高い場所に並んでいた本へと優輝は人差し指を向けて示し、百聞は一見に如かずに修はなるほどそういうのが好みかと頷く。
「と、取れない……」
「こっちに踏み台あるぜ。踏み台っていうかちょっとした脚立だな」
言いつつ自分のほうが近くに居たからと持ってきた修に礼を言って踏み台を受け取った優輝は足りなかった高さを補う。しかし本棚の方が補われるよりも尚も高く、腕を伸ばしてやっと届くか届かないかの絶妙な距離感の為に優輝は踏み台の上でアンバランスを余儀なくされていた。
見たからに危うさで微かに無理を矢理している優輝に修は声をかける。
「大丈夫か?」
無理するなと修が忠告するも、時遅くというか運悪くというか、
「あ、あれ……足が……?」
重心維持できず優輝の体が修正不可能な程深く傾いだ。
「きゃー!?」
「おい!」
修の声に思わずそちらを見た優輝は助けを求め咄嗟に手を伸ばした。
優輝が踏み台から落ちた音は静黙な図書館の中一際大きく響き渡る。何人かが何事だろうと周囲を見回すがそれ以上の騒ぎが無いと知ると再び館内は静かになった。
「いたた… あ、あれ…八神君…!? ご、ごめん…!」
図らずも壁ドンならぬ床ドン。意図せず肉布団にしてしまい覆い被さった側の優輝は両手を突っぱねる形で状態を持ち上げる。すっかりと馬乗りになり自分の両手の間にあるのは目を閉じた修の顔だった。
「八神君? どうしよう頭でもぶつけたかなうわっ」
助けてくれたばかりに怪我をしたのではないかと気遣う優輝の背に修の腕が回され上下に優しく撫でられて、びっくりし慌てて見下ろせば、修がにっこりと笑いかけてくれていた。
「八神君?」
他に見られないだろう程にも爽やかに微笑まれ、そんな表情を向けられる理由を持ち合わせてない優輝の声が上擦る。
尋ねられた修はハッと息を飲んだ。
「悪い。支えられなかった」
助けようとして意図せず下敷きになった修は一瞬気を失っていた。上に乗る優輝の重さが呼び水となり朦朧とした修はこの場所が図書館ではなく自宅で飼い猫達が乗って自分は起こされたと勘違いしたのだ。優輝の顔を見てからはいつものクールさを取り戻している。
背中を撫でる仕草の優しさに驚いたままの優輝は修の上から早く退けるという選択肢が次に取る行動欄から吹っ飛んで消えていることに気づいていなかった。し、
降り落ちる香りは歳相応で、自分のとは違うそれに修は一瞬意識がそちらに向いた。
普段気にしてなかった事が気づいて際立つと認識がズレて、認知に誤差が生まれる。簡単に言えば「あれこいつこんな奴だったっけか」という現象である。しかもこの場合は優輝が赤面しているのも手伝ってか「こいつこんなに可愛かったか?」になっていたので質が悪かった。
男二人交わすには長過ぎる沈黙に先に気づいたのは修だった。
「……この前と逆だな」
バツの悪さを誤魔化すようにぶっきらぼうに言われて、
「う、あ、ごめんね。怪我は無い?」
優輝も慌てて修の上から退いた。
「無い。そっちは?」
「八神君のおかげでないよ。ありがとう」
立ち上がって、いつかの朝の出来事もあってか視線のやり場に困った二人は、結局は互いに顔を見合わせて「っと、暗くなる前に帰ろっか」「そうだな」と場を濁し示し合わせたように小さく咳払いしたのだった。
それぞれに新しく本を借りた二人は夕日に赤焼る図書館を後にした。
寄り道以外予定の無い優輝は先の分岐で家のあるシーサイド方面へと向う為、「じゃ、また明日ねっ♪」といつもと変わらない挨拶を修と交わして別れた。
…※…※…※…
夕方になると預かっている患畜達がそれぞれに落ち着いてくれる。飼われている環境の影響なのだろうが、これから家族の団欒を迎える時間帯に穏やかになってくれるのは平穏で気が和らぐ。
手が空いたので病院前の花壇の手入れをしていた
ジェレミア・ベルトーニ
は自転車を走らせる人物が視界に入って、作業の手を止めて立ち上がった。
十分に距離が縮まってからこちらに気づくように片手を振った。
「八神君、おかえり。カーキーの健康診断終わっているけど、どうする?」とジェレミア医師に呼び止められ、呼び止められた理由を聞くと修は進路を変えて診療所へと自転車を降りる。
ジェレミアは修の飼い犬のカーキー――柴犬八ヶ月――を健康診断の為自分の診療所で預かっていたのだ。
「早くお家に帰りたいのか、カーキーがそわそわしているんだ」
ジュレミアは修に「どうする?」と問い、「少し寂しそうだし?」とにっこりと笑う。
今日でなくても良いと無理強いしないジュレミアに修は連れて帰ると返答する。
「じゃぁ、ちょっと待っててね」
修を待たせ、戻ってきたジュレミアは抱えていた柴犬(八ヶ月)を彼に返した。
「よく頑張ったな。寂しかった?」
受け取った修は抱き直して、すりすりと柴犬の好む場所をいつもの様に擦ってやる。
「どこも悪い所は無かったし、肥満も無いし、とても健康で良い子だよ」と太鼓判を押して、「本当に大好きなんだね」と修に会えて嬉しそうにするカーキーに良い関係を築いているねと、体も心も健康なのはいい事だと頷いた。
「ありがとうございます」
「気をつけて帰るんだよ」
リードを持って自転車を押して帰っていく学生と一匹を道路への入り口まで見送ったジュレミアは駆けてきた少女に気づいた。
年の頃なら小学生くらい。両腕で大事そうに胸に抱えている存在にジュレミアは腰を落とし少女と目線の高さを合わせる。
「せんせぇ、どうしよう」と頼られて、ジュレミアは頷く。
「大丈夫だよ。診せてくれるかな?」
問いかけると少女は頷き、そっと腕を広げる。大事に抱えられていた仔猫は毛並みも撚れた見るからに野良で特に目脂が酷く自力では開けられないようであった。
彼女から猫を受け取りつつ事情を聞けば、仔猫はゴミ捨て場でカラスに苛められていたそうである。見兼ねて連れてきたそうだ。
「野良ちゃんだね。心配しないで? ちゃんと診てあげるから。先ずはお家におかえり」
どこか見えない怪我が無いか注意深く仔猫を取り扱いながら受け取ったジュレミアは少女に帰宅を促した。少女自身は顔を良く見る近所の子だ。明るい内に家に帰してやりたい。
仔猫が心配で何度も振り返る少女を見送ってジュレミアは診療所に向う。
仔猫には見覚えがあった。あったと思う。寝子島生息猫の調査で見た事がある記憶があると言ったのが近いだろう。島に住まう猫はとても多く断言できないので処置が終わってから資料を確認してみよう。
まずは診察だ。そして、処置と治療。拾い主に連絡をして、拾い主の家が飼育できないようなら里親探しも――。
「忙しくなってきたぞ」
考えて、気合を入れるようにジュレミアは零す。
忙しくて大変だけれど、それが彼の仕事であった。
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担当ゲームマスター
保坂紫子
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
15人
参加キャラクター数
17人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年09月27日
参加申し込みの期限
2015年10月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月04日 11時00分
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