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Kiss or Treat ~お菓子くれるかキスしてくれる?
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●高貴な妖猫と猫好き少女の恋
八本の尾を気高く立てて、すまし顔で回廊を歩くのは妖猫ヤガミ――こと
八神 修
。
彼の生活は気まぐれながらも規則的。午前中は書斎で勉強し、昼食後は城内を散歩する。
ある日のことだった。仕事の合間に癒しを求めて、庭で猫探しをしていた
恵御納 夏朝
は、木の上に登って降りられなくなった仔猫を見つけた。手を伸ばしたものの寸でのところで届かない。切なげにみゃあみゃあ泣いて小刻みに震える仔猫の様子に、僕の背があと10センチ高かったら、と夏朝の気持ちも焦りはじめる。
「猫さん、じっとしてるんだよ、そこから動いちゃだめ……」
そのときだ。夏朝の頭上から伸びた手が、いとも簡単に仔猫を救い上げたのは。
振り返ると、そこには二足歩行で服を来た猫耳のヤガミがいた。
「よしよし。怖かったな。もう大丈夫だぞ」
ヤガミは仔猫を愛しげに撫でる。
「あ、ありがとう」
「べつに、お前のために助けたんじゃないからな。仔猫のためだ」
「わかってるよ。もしかして……ツンデレ?」
「……ツンデレじゃない」
照れ隠しなのか、ぷい、とそっぽを向いた横顔に、夏朝はかえって親近感を抱いてしまう。
これがこの城での、夏朝とヤガミの出会いだった。
◇
「恵御納。今日は天気がいいから屋根の上でお茶がしたい。ケーキも所望する。用意してくれ」
猫気質な彼は、気まぐれに好きなところでお茶をしたがる。
そのたびあれこれ用事をいいつけるのだが、夏朝は次第にその時間を楽しみにするようになっていた。なぜなら彼は、夏朝にも一緒にお茶をするよう誘うからだった。
「はい、今日のおやつは、サンマケーキだよ」
屋根の上でのティーパーティ。以前助けた仔猫も一緒だ。仔猫はサンマケーキにむしゃぶりつく。
「かわいい……」
仔猫のあまりの愛らしさに、ヤガミも夏朝も蕩けそうだ。
「おもちゃも、もってきたよ」
夏朝はエプロンのポケットから取り出した、猫じゃらしのようなおもちゃでひとしきり仔猫と遊んでいたが、ふと思いついて、ヤガミの目の前でおもちゃを振ってみた。
ヤガミはうっかり猫パンチ。はっとしたヤガミは取り繕うように弁解する。
「これは、ちがう。習性みたいなものだ」
「かわいい……」
「撫でるな」
「だって、気持ちいいんだもの」
「お前はメイドのくせに物怖じしなすぎる」
「そうかなあ……。ただ、猫が好きなだけだよ」
「なぜ猫が好きなんだ」
「なぜ、って、そんなのひと言じゃ言えないよ。耳が可愛いのも好きだし、撫でたら温かくて柔らかいのも好きだし、気まぐれなのも好きだし、もう、全部が好きだとしか……」
ヤガミはお茶を口に運びながら、照れくさいような、まんざらでもないような顔をする。
「そうか。恵御納って……いいやつだな」
「そう?」
「ああ。恵御納にはときどき俺の耳の後ろを撫でることを許可する。恵御納だけだぞ?」
それを聞いて、ふだん無表情な夏朝はめずらしく相貌を崩した。
「ありがとう……嬉しいよ」
◇
困った事件が起きたのは、パーティが終わったあとのことだった。
「ウッホホ~ン! イケメンの特製デザートをそう簡単にあきらめるアタシじゃなくってよン」
「美少年美少年!」
ミッシェルと万里、マリアの三人組が、部屋に戻ろうとしていたヤガミを急襲したのである。
物陰からの投網に虚をつかれたヤガミは、今度は避けることができなかった。そのままグルグル巻きにされたヤガミは三人に担がれると、塔の上の、ピンクの壁紙もけばけばしい寝室へと運び込まれる。
薄いレースの天蓋つきベッドに転がされ、ヤガミは絶体絶命だった。
「首輪をつけて飼いならしましょ。それ以外は剥ぐわよん!」
ぎし、とベッドを軋ませて、ミッシェルが舌なめずりをする。
「首輪って、これでいいのかしら?」
マリアが差し出したのは、黒革で大きな宝石がついた太い首輪だ。
「いいわね。アタシが彼を押さえているから、その首輪嵌めちゃってくれる?」
「やめ、やめろ!」
ヤガミは拒否するも野獣のようなミッシェルの身体に抑え込まれて身動きが取れない。
マリアが首に黒い首輪を巻きつける。
その途端、ヤガミの身体から力が抜けた。
「あら? うふふん、観念したのね? じゃ、いっただきま~す……!」
「だめっ……!」
かわいらしい静止の声がして、次の瞬間、ミッシェルの身体がベッドの上に沈み込んだ。
ひゅん、と風を切って飛んで来たシールが貼りついた途端、万里とマリアも急に体が重くなって立てなくなった。ろっこんのせいだ。夏朝が、ヤガミを助けに来たのだ!
「大丈夫?」
夏朝はぐったりするヤガミに駆け寄りその頬を叩くが、ぼんやりしていて普通の様子じゃない。
仕方なしにヤガミの身体を軽くして担ぎ上げる。
「返して、もらうから……!」
きっと三人を睨みつけ、夏朝は塔を下って行った。
◇
走って走って、追手がないことを確かめた夏朝は、夜の庭にしゃがみこむと、自分の膝を枕にしてヤガミの身体を横たえた。
「こんなもので縛ろうなんて、ひどい……」
夏朝は黒い首輪を外してやり、首筋や額を優しく撫でる。
「……ん……」
ヤガミが小さく呻く。
「ヤガミくん? 大丈夫?」
「恵御納か……助けてくれたんだな。首輪は、弱点なんだ。された相手に絶対服従してしまう。あぶないところだった……ありがとう」
夏朝はふるふると首をふる。
「気にしないで」
ヤガミはほっとしたように瞳を閉じた。眠ってしまったのかもしれなかった。
夏朝は彼の髪を掻きあげ、耳の後ろを指で撫でる。
(八神君が現実世界で好きな人がいるのは知っている。僕も、そう。だから後ろめたいけど……ここで八神君に癒して貰ったのは本当だから……いまだけは、事件解決のために、君に恋する僕になる)
夏朝の覚悟が伝わったのだろうか。
ヤガミは薄く目をあけた。
夏朝は告げる。
「君はこの城での僕の癒しで、支えで……君にとっての僕が、どうなのかを知りたい、です。
……
Kiss or Treat
……?」
返ってきたのは優しい微笑みと、彼の右手。
肉球が夏朝の頬に、キスをする。
「俺にとっても癒しで支えだった。嬉しいよ。――猫の世界に、ようこそ」
◇
こうして妖猫になった夏朝はというと……?
「ほら恵御納、ねこじゃらしだぞ」
「えい、えい」
猫としてじゃれあったり遊んだりして、とても楽しく暮らしていた。
「……って、ヤガミ君のいじわる。いつかのこと、根に持ってるの?」
「そういうわけじゃないが、ついじゃれついてしまう俺の気持ちが分かったろう?」
「よくわかったよ。猫の気持ちがね」
「よろしい」
いたずらっぽくくすっと笑って、ヤガミは夏朝を後ろから抱きしめる。
「いつまでもメイド服というのもなんだな。恵御納に似合うドレスを取りに行こう。
対等に、俺の隣に、いて欲しいから」
<HAPPY END>
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
コメディ
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年09月16日
参加申し込みの期限
2015年09月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年09月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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