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Kiss or Treat ~お菓子くれるかキスしてくれる?
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●本性の見えない吸血鬼と寝ぼけまなこな少女の恋
塔尾 松生
は、どちらかというと宵っ張り。
夜になると眠るのがいやで、つい夜更かしをしてしまう。お蔭で昼間は掃除をしながらうつらうつらしてしまうこともあるのだけれど、それでも夜更かしはやめられない。
(ちょっと小腹がすいたな)
日向 透
のことが目に留まったのは、そんな夜更かしの夜のことだった。
月光でほのあかるい中庭に、大理石の白いテーブルと椅子がある。その椅子に掛け、彼は月を見ていた。
以前フジコフの部屋で会ったときは、物腰のやわらかい紳士という印象だった。
じっさい、柔和な笑みを向けられて、ドキッとしたのを覚えている。
なのに、窓越しにみる金の髪の彼は、世界のすべてが退屈であると言わんばかりの気怠い瞳。
その表情が気になって、お茶を淹れて中庭に出た。
珈琲は苦手だから、花の香りのハーブティだ。
「喉乾いていませんか」
「おや、……たしか、塔尾さん」
透はひとりのときとは別人のように、にっこりと笑みを浮かべてみせる。
「ありがたいですね。眠れないのですか?」
「夜の方が好きなんです」
「奇遇ですね、俺もです」
吸血鬼ですから今が昼間のようなものですけどね、と彼が笑うと、わずかな緊張もほぐれた。
「余計なお世話だったらすみません。少しお腹がすいたなと思っていたら姿が見えたので……ああそうだ、このクッキー、自分が焼いたやつなんですけど、どうですか?」
変哲もないシンプルなクッキー。
「他におやつなくてごめんなさい」
「何故謝りますか?」
「他のメイドさんならもっと凝ったの作るかなって。あたし、お料理の腕はふつうだから……」
透はふうん、とクッキーを手に取り眺めてから口に運んだ。
「ふつうで充分じゃありませんか」
「そうですか?」
「美味しいですよ。乙女の血には負けますけど」
透にからかい気味に微笑まれると、松生は頬が上気するのを感じるのだった。
◇
その後、松生は夜ごと中庭に透の姿を探すようになった。
けれどその後は会えない日々が続いた。
たまに会ってもどこかつれない。彼の笑顔の前に見えない壁があるかのように感じてしまう。
あの夜のように過ごしたいのに……。
「はぁ……」
ある日の午後、厨房で食事の下ごしらえを手伝いながら松生はため息をついていた。
目の前には樽いっぱいジャガイモが積まれている。この皮むきが今日のお仕事。
包丁での皮むきは苦手だけれど任されたし、と頑張るものの、くるくると黄金色のジャガイモに包丁を当てていると、つい透のことを考えてしまう。
「っつ……」
ぼんやしていたせいだろう。うっかり指に刃先を引っかける。
人差し指に血がにじむ。
指先を口に咥えると、あの夜のからかうような声が思い出される。
『美味しいですよ。乙女の血には負けますけど』
あたしの血、美味しいのかな。
ふいにそんな考えが頭をよぎり、また頬が熱くなる。
一緒に作業をしていた古参の
鬼崎 あやめ
はピンときた。
乙女たちは城のモンスターに恋をする。この時期の恒例行事のようなものだ。
この様子では、松生もそうなのだろう。
やれやれ、と気遣い混じりにため息をつくと、あやめは自覚のなさそうな松生を厨房から追い出した。
「このままでは大怪我しそうです。ここはもういいので、洗濯をお願いできますか」
松生は自分の失敗にしょんぼりしつつ、ランドリーへと向かった。
気を取り直して頑張らなきゃ。洗濯は嫌いじゃない。洗うのはともかく干すのは好きだ。
ひたすら白いシーツを紐に干してゆくと満ち足りた気持ちになってゆく。
「一面洗濯物がはためいているのは壮観だわ」
シーツを全部干し終えて、最後まで籠の底に残っていた暗い色の上着を手に取り、松生は気づいた。
「これ、あの人のだ。……会いたいなあ」
そうだ明日はハロウィン。勇気を出すなら、明日しかない。
◇
翌日。乾杯も早々にパーティを抜け出してきた透は、自室に戻ると堅苦しく締めていたシャツの前を緩め、チェストの上にあった真っ赤なワインを一杯煽ると笑みを消した。
退屈な日常。
退屈な時間。
退屈な自分。
……ため息。
「特別な日だが自分には関係ない」
自分によく似た弟のまなざしが脳裏をよぎり自嘲する。
そのとき、窓をノックするような物音がした。
訝しんでバルコニーに出ると、そこにいたのは松生だった。
松生は緊張した面持ちでうつむいている。
「こんな時間に男の……しかも吸血鬼の部屋に何の用ですか」
「……本当の貴方が知りたくて」
透はその仮面のような笑顔を珍しく歪ませる。
「本当の俺が知りたい? 本当の俺を知ってどうしたい?」
すると彼女は顔をあげ、震える声でこう言った。
「好きです。貴方とずっと一緒にいたいです。だから……
Kiss or Treat
……をください」
「俺の本性なんて貴方が期待するようなものじゃない。
どうして貴方はこんな俺がそんなに好きなのか、不思議で理解できない」
透は吐き捨てるように暗い声で松生の耳元に囁きかける。
「お前といると調子を崩されっぱなしで、そんな自分が心底嫌だ。
……俺をそうさせるお前も嫌いで嫌いでしょうがなかった」
そのやわらかい手を強く握り、松生を壁際に追い詰める。松生は怯えたように震えている。
それでも必死に透の瞳を見つめ続ける気丈さに、透は無性にすがりたくなった。
「どんな俺でも決して離さないと……一生傍に居ると誓え」
松生はひとつ息を飲む。彼の笑顔の下に隠れていた、助けを乞うような切なさに。
「……俺も誓う。お前の傍に居る。お前だけのものになる。
だからどんな俺でも受け入れろ。俺だけのものになれ。松生」
透は松生の肩に頭を預け、その首筋に口づけた。
そのまま上へと辿ってゆき、口唇に触れる。
牙が疼いて鈍く痛む。
「……いいか?」
彼女が小さく肯いたので、透はふたたび首筋に顔を埋めた――。
<HAPPY END>
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
コメディ
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年09月16日
参加申し込みの期限
2015年09月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年09月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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