this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
Kiss or Treat ~お菓子くれるかキスしてくれる?
<< もどる
1
…
9
10
11
12
13
…
19
つぎへ >>
●ステキな機械人形の王子様と人懐こい少女の恋
鴇波 羽衣
はポニーテールに結いあげた髪を揺らしながら、一生懸命お掃除する。
はじめのころは、城のモンスターさんたちにびくびくしちゃって、あたしにこの城のメイドが務まるのかなぁなんて不安に思ったこともあったけれど、いまはもう大丈夫。
「フジコ先生……じゃない、フジコフ様の言うことを聞いて真面目にメイドのお仕事頑張るよ!」
もともとお掃除は得意な方だし、お城は広くてたいへんだけど、豪奢でいろいろな部屋があって楽しい。
でもそんな風に思えるようになったのは、……
「わぷっ」
「大丈夫かい?」
長い廊下を掃除し終えてふらついてしまい、柱の影から現れた相手の腕の中に飛び込んでしまった。
そんな事件があったから。
――その人の名は
神野 マキナ
。機械仕掛けの王子だった。
◇
「ほんとに格好いいんだよ。燃えるような赤い髪で、瞳は青い宝石なの。あたしのこと片手で支えてくれて、『大丈夫かい?』って」
「ふーん……?」
素敵なマキナと知り合った翌日、お掃除の時間。
羽衣はうっとり頬を染めながら、メイド仲間の
塔尾 松生
に話していた。
「マキナさんてあんなに素敵なのに、お菓子で動くんだって! ねぇ聞いてる?」
寝ぼけまなこの松生は、んー、と生返事をしていたが、次の瞬間うっかり箒を取り落し、その物音でハッと目を覚ましたようだった。
「んもー! 聞いてないしー」
箒を拾ってあげながら、羽衣はほっぺたを膨らます。
「や、聞いてたよ。機械人形の王子様だよね。好きなの?」
「好き……って、やだ、その、そういうんじゃないっていうか、ちょっと気になるっていうか」
「けっきょく気になるんじゃない。……あ、そうだ。お菓子で動く王子様なら、お菓子の差し入れ、喜ぶんじゃない? あたし、これからクッキーでも焼こうと思ってたんだけど、羽衣も一緒にどう?」
「やる!」
◇
この日を機に、羽衣は毎日のようにマキナにお菓子を差し入れるようになった。
「やあ、また来たのかい?」
マキナの部屋をノックすると、甘い香りに気づくのだろう、そんな優しい声に出迎えられる。
「嬉しいなあ。ぼくはね、ほんとうに甘いものには目がないんだよ」
マキナは誰にでも優しいので、羽衣以外のメイドに囲まれていることもある。
けれど、この機械仕掛けの王子様のために、一番お菓子を作ったのは羽衣だった。
料理はすっごく得意というわけではないけれど、それでも回数を重ねれば、ホイップも粉を振るうのも焼き上げるタイミングを計るのもちょっとずつは上手くなる。
「きみ、よく来るね。そんなにお菓子作りが好きなの? それともぼく以外の誰かのために、練習しているだけなのかな?」
そんな意地悪な質問をマキナがしてしまうくらい、羽衣はお菓子作りを頑張っていた。
「もう! 王子様が食べているところを見るのが嬉しいからだもん」
「ふふっ、ごめんごめん。疑ってないよ。ん、このショートケーキ、前のときより美味しいね」
「ほんと?」
「ぼくはお菓子に関して嘘はいわないよ」
マキナは青い宝石の瞳を細めて、にっこりと笑う。その瞬間が、最高に嬉しい。
「あたし、もっと頑張ります! リクエストがあったら言ってください!」
「ほんと? 嬉しいなあ。じゃあ今度はザッハトルテが食べたいな。アプリコットジャム入りのやつ」
このリクエストはなかなか難しかった。チョココーティングが綺麗にできなかったり、生地が半生すぎてしまったり。何度か失敗してようやく満足できる味のものができ、マキナのところへ持って行ったときはちょっと不安だったけれど、おいしいよ、と笑ってくれたからまたきゅんとして。
……ハロウィンの夜、告白しようと決めたのだった。
◇
ハロウィンの夜。
パーティのあと、人気のなくなった広間に、機械仕掛けの王子様はひとり佇んでいた。
作り物の青い瞳は、どこかさみしそうにも見える。
羽衣が緊張した面持ちで近づくと、マキナは振り返って微笑んだ。
「さっきまでみんなあんなに楽しそうにしていたのに、まるで幻だったようだね……」
「本当ですね。……あのっ」
「うん、なあに?」
「……あたし、幻にしたくないことがあって」
羽衣はごくりと唾をのみ込んだ。
緊張で指先がさっきからずっと震えている。
気をしっかり持っていないと、言葉がどこかに行ってしまいそう。
マキナはそんな羽衣に気づき、その手を握って静かに促す。
「言ってみて」
羽衣は覚悟を決めて口にした。
「王子様……あたし、ドジだしまだまだ未熟者だけど、それでも、あなたのためだけにお菓子を作り続けていきたい。だから……ずっとそばにいてもいいですか? メイドとしてじゃなくて、一人の女の子として」
震えてしかたなかったけれど、最後はまっすぐマキナの青い瞳を見つめながら告げる。
「……
Kiss or Treat?
」
マキナは機械仕掛けのひんやりとした手で、羽衣の髪をやさしく梳いた。
まるで、頑張ったね、と讃えるように。
「ありがとう。……気づいていたかい?
きみのあたたかな笑顔や心が、甘いものでも満たしきれないぼくの隙間を埋めてくれていたことに」
マキナの顔があまりに近くて、羽衣は真っ赤になって喘ぐような吐息を繰り返す。
カチリ、カチリ、機械仕掛けの心臓が奏でる歯車の音が羽衣の耳朶をやさしく打つ。
「どんなに甘いものよりも、きみがそばにいないとぼくはもう、ダメみたいだ。きみの時間もきみのぬくもりも、全部ぼくが奪ってしまっていいかな?」
羽衣はこくり、とちいさく頷く。
「はい……」
マキナは羽衣を抱きしめ、どんな素敵なスイーツも食べた時よりも嬉しそうな笑みを浮かべた。
落ちたキスは額の上。
甘いお菓子の香りのキス。
――こうして羽衣は機械仕掛けの天使になった。
マキナはときおり彼女に頬寄せて、呟く。
「ああ、ぼくと同じ、歯車の噛み合う鼓動が聞こえる、これからきみと一緒の時間を刻んで行くんだね」
羽衣はそんなマキナに微笑みを返す。宝石になった黒い瞳をうっとり細めて。
「そうですよ、王子様」
<HAPPY END>
<< もどる
1
…
9
10
11
12
13
…
19
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
Kiss or Treat ~お菓子くれるかキスしてくれる?
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
コメディ
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年09月16日
参加申し込みの期限
2015年09月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年09月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!