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1、始まりの笛
篠原 翠響
は、自宅のベッドに寝転んでいた。
うつぶせになり、あごをマクラに乗せている。
あまり行儀の良い格好ではない。
今日は新体操のクラブがお休みだから、スマホのゲームでダラダラ遊んでる。
たまのお休みだし、こんな一日があってもいいじゃない?
ちんちん、とととん、どんどん、ぱーぷー、ぴーぴろりー。
? ……何だか、にぎやかな音。
あたしはつられてベランダに出た。
ここは地上10階だから、道路は結構小さく見える。
「おっ、チンドン屋―!」
とたんにテンションが上がった。
色とりどりの衣装に、ごちゃとちゃした感じの鳴り物。
特に、クラリネットのやわらかい音があたしの耳を刺激する。
なんだか楽しそう! 近くで見物したい!
Uターンしたその時、
「みゆちゃん」
あたしを呼ぶ声がした。
空耳かな?
そう思いながらサッシをまたぐと、
「みゆちゃん、ちょっとおしゃべりしない?」
!!! ぬいぐるみだっ!
あたしは声の主を知った。
机の上の三毛猫のぬいぐるみ。あたしがこの前クレーンゲームでゲットした猫のぬいぐるみがしゃべってる!
「……ま、いっか!」
一瞬、何がなんだかよくわかんなくなったけど、落ち着いたらどうでもよくなってきた。
それより、今の状況を楽しまなきゃ損だ。
「ねえ、ウチのマンションってペット禁止だから猫飼えないの。せっかくだから一緒に遊んでくれない?」
あたしが語りかけると、
「うーん……。いいけど、私今しゃべれるけど動けないから……。遊ぶのはちょっとむずかしいかな。それよりおしゃべりしましょ」
「いいけど、どんな?」
「ねえ、好きな男の子とかいる?」
三毛猫のぬいぐるみはクスクス笑いながら唐突な質問をしてきた。
「す、好きなって……ていうか、ミケコって女の子?」
この口調からして、メスらしい。あたしは勝手に今つけた名前を思わず呼んでしまう。
「うん、そうだよー」
相変わらずのクスクス笑い。
「ミケコはどうなの?」
あたしはドキドキしながら聞き返してみる。
ぬいぐるみにイニシアチブを取られてるみたいで、ちょっと不満だったから声にイライラが出てたかも。
……ちょっと子供っぽいかな。
「いたよ」
色々考えてると、ミケコは予想外の返事をしてきた。
「みゆちゃんとこに来る前にね。ほら、あの透明なハコの中」
あ、そっか。ミケコはあたしがクレーンゲームで取ってきた景品。
だから、昔は仲間がたくさんいたんだ。
「ど、どんな男の子だったの?」
あたしはぐいっと、身体を前に乗り出す。
「虎のぬいぐるみでね、すっごい精悍でワイルドな感じ。超イケメン」
ミケコは滔々と話した。
「頼りがいがあってね。私より年上なの。私って年上の方が好みみたい」
「あ、それすごいわかる」
あたしも年上がシュミだったから、思わずこんな相槌を打ってしまう。
年下なんてあり得ないし、同年代の男の子はなんか頼りない感じ。
「ほら、私達って自分で動けないでしょ? だからあのクレーンで動かされるたびに『あの人の近くに行けー!』って念じてた。逆にキモいヤツには『近づかないでー!』って」
「へぇ……ぬいぐるみの世界にもそんなことあるんだ……人間とあんまり変わらないね」
席替えみたいなものかな、って自分の中で変換しながら考える。
ここまで考えて、気づいた。
「あ……あたしが取っちゃったから、ミケコ好きな人とはなればなれになっちゃったんだ……」
「ううん、気にしないで。私達は人間のために作られたものだから。みゆちゃんのとこに来られて良かったよ」
ミケコは、優しく言ってくれた。
それからしばらく話したけど、やがてあたしは、またミケコの言葉がわかんなくなった。
時間切れみたい。
「他の誰かのとこでも、ぬいぐるみがしゃべりだして恋バナとかするのかな?」
最近、寝子島ではヘンなことがよく起こるから、そんなこともあるのかも。
あたしはその様子を思い浮かべて、ちょっぴり楽しくなった。
開け放した窓から、秋気とともに何やら騒々しい物音が流れ込んでくる。
桐野 正也
は、その筋肉質の身体を床に横たえていた。
「はあぁ……。うるせーなあ……」
今日は休日だし、部活もない。
家でゴロゴロだらだらしまくってたんだが、出るのはため息ばっかり。
ちょっと別のことを考えようとしても、とどのつまり頭の中に浮かんでくるのはあの事。
そう、最近気になる部活の後輩のことだ。
「なんやかんやあったけど、結局どうなんだろうな」
考えても意味ないよな。
うぬぼれもいいとこ……でも……。
「なんだかなぁ……」
空回りしまくってる。
俺らしいっちゃあ俺らしいんだが、らしくないともいえるか……。
「あーもう! ウジウジしないの!」
急に女の子の声が聞こえてきた。
……俺、そこまで追い詰められてんのか?
幻聴かとも思ったが、俺は一応周囲を見てみる。っつっても部屋ん中なんだが。
「こっちよ、こっち」
ヘ? なんか隅に置いてあるハスキー犬のぬいぐるみがしゃべってるような気がする。
「アタシよ、鈍いわね!」
シャベッタァァァ!?
「こんなの、いつものことに比べれば全然驚くことじゃないでしょ?」
「ま、まあそうだけど……」
確かにここ最近、不思議には慣れてる。
「もうね! アンタ見てるとイライラすんの。好きなら好きっていっちゃいなさいよ!」
ぬいぐるみにまでバレんのかよ?! たまんねえなぁ!
「いや、でも自分でもよくわからなくて……」
俺がボソボソ言いかけると、ぬいぐるみはため息とともに“出てるわよ”と警告めいた口調で言う。
一瞬、意味がわからなかったが、うしろを向くとすぐに理解出来た。
「お、おわあぁぁぁ!」
<そりゃ好きに決まってる><彼女になってくれたら……><すっげぇかわいい>他、ここではお見せ出来ないような文章、言葉のフキダシがマンガみたいに俺の背後の空間に浮かんでる。
俺の厄介なろっこんのせいだ。思ってることが外に出ちまう。……毎度だけどカンベンしてほしいぜ。
俺は慌てて空中にわいてくるフキダシを、モグラ叩きみたいに叩いて消した。
「……そうやってたから、あの子にも伝えられないまま失恋したんじゃない」
ぬいぐるみが口を尖らせた……ように見えた。
「ちょっとまて! なんでお前が知ってんだよそれ?!」
俺はもう一度うしろを確認する。……今回は出てない。
「フキダシ見なくったってもわかるわよ。当たり前でしょ? 私はあの子が選んだあんたへのプレゼントなんだから」
俺は、ハッとした。そうだ。そうだった。
「とにかく! 他の奴に取られたくないと思うなら行動しなさいっての!」
――それから、ぬいぐるみはしゃべらなくなった。
くすんだ灰色。極寒の地に住む人々とともに生きてきた犬……のぬいぐるみ。
こいつは、中学時代の女友達のくれた誕生日プレゼントなのだ。
俺はアイツの恋を応援した。
アイツは喜んでくれたけど、その代わり俺の思いは宙に浮いたままになった。
少し甘くて、とんでもなく苦くて切ない、深い切り傷みたいな俺の記憶。
「なんだかアイツに似てたなぁ……」
最早ものを言わぬ、ハスキー犬のぬいぐるみ。
少し臆病になってた、俺の背中を押してくれた。
赤い髪をなびかせ、笑顔で振り返る部活の後輩マネージャーが脳裏に浮かぶ。俺の新しい恋。
「進んでみっか」
迷いが晴れたような気がした。
やらずに後悔するよりは、やって後悔するほうが良い。
もしこの現象が広範囲で起こってるなら、他のヤツの人形やぬいぐるみも持ち主を元気にしてやってくれ。
俺は自然にそんなことを望めるほど、落ち着きを取り戻していた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
八花月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年09月12日
参加申し込みの期限
2015年09月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年09月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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