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おてんば姫と二人の騎士
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◆二章「疑惑の騎士」
~遺跡内部・広間大穴~
遺跡の広間の端にぽっかりとあいた大きな穴。上から覗き込んでみても下に何があるまで見て取る事が出来ない。あるのは真っ暗な闇である。
その大穴の縁に立ち、腰から鉤縄を伸ばして黒い髪の少女が飛び込んだ。恐怖心はない。あるのは好奇心であった。
気になったから。それは冒険に一番必要なことかもしれない。
黒いぼさぼさ髪の少女――
黒兎 都
は落下しながら器用に伸ばしておいた鉤縄を放った。鉤縄は壁に食い込むとがりがりと壁の表面を削っていく。
鉤縄だけでは止まらない落下に焦ることなく彼女は皮の盾を壁に斜めに突き立てた。頑丈な作りの盾は石壁に負けることなく彼女の体重をしっかりと支えた。
そのまま黒兎は器用に壁を降りていく。
しばらく降りると眼下に灯りがある事に気づく。その灯りは地面に転がっているカンテラの光のようだった。
地面に警戒しながら降り立ちカンテラを調べてみる。横倒しになっているカンテラの炎はもう少しで消えそうであった。
「地面がまだかなり温かい……この状態になってから結構時間が経っているのかのー」
「考えるに、魔物と戦いになって移動した……ってのが妥当だの」
そこまで思案して黒兎は上空から降りてくる気配を感じ取った。
すぐさまにナイフを抜き、放つ。真っ直ぐに飛んだナイフは暗闇の中で金属音を上げて弾かれ落ちた。
上空の暗闇から剣を抜く音が響く。黒兎も警戒し盾を構えて戦闘態勢を取った。
暗闇から突如出現した銀閃。数回放たれたそれを盾で受け、力を外に逃がす様に捌く。
黒兎は不意を付く様に腰落として相手の足を払った。黒い影は人とは思えない身体の捻りでそれを躱す。
身体をぐにゃりと捻った黒い影はテープの逆まわしの様に身体の捻りを元に戻すと、その勢いそのままに回し蹴りを放った。
咄嗟に防御する黒兎であったが、ハンマーで殴られたかのような強い衝撃を殺しきれずにそのまま壁に向けて吹っ飛ぶ。
直後、背中への鈍い鈍痛。壁に叩きつけられたことを自覚よりも前に襲い掛かる眩暈にふらつき、膝をついた。
「いつつ……これは人間の動きじゃないのー。はあ……いきなりの魔物との遭遇ってやつかのー」
膝をつきながら黒兎は黒い人影を観察した。
正直、戦闘は得意じゃないし、痛いのはごめんだ。
とはいえ、この状況下で逃げられないことぐらいは自覚していた。
黒い人影が背を低くし、飛びかかる姿勢を見せる。
動かなければ、そうわかってはいるのだが……体は正反対にいう事を聞いてくれない。
立ち上がろうとしても膝が笑う。腕が上がらない、頭はぐらぐらする。
(本格的に……まずいかもしれないのー……)
いままさに黒い人影が飛びこもうとしたその瞬間、誰かがその人影に側面から突っ込んだ。
盾を正面に構え、自らの身体を守る様にして突撃してきた何者かは盾の直撃を感じ取ると、思いっきり盾を振り抜いた。
「やっあああああっ!」
予測していない方向からの攻撃に対応できなかったのか黒い人影が大きく吹き飛び、身体を回転させながら地面を数回跳ねて転がった。
「はあ、はあ……だ、大丈夫っ、都ちゃんっ」
「なんとか、のー」
救世主の如く現れた肩で息する白い髪の少女は
白 真白
。穴の上で合流し共に調査に乗り出した少女である。
小さな背丈の割に揺れる双丘は豊かで多少アンバランスにも見える。
恐らくはそれが当人のコンプレックスにも繋がっているのだろうが。
つい自分と比較したのかその双丘に視線をロックしていた黒兎は真白の声で、はっと我に返る。
「気を抜いちゃだめ、多分……まだ生きてる」
二人の視線の先で黒い人影は立ち上がり、片手に闇から剣を顕現させると走り出した。
その走りはとても早く、瞬きをする間にも位置をめまぐるしく変えていく。
気を抜けば待っているのは、死。
その感覚が自覚していないにしろしているにしろ、二人の共通の緊張感として広がっていく。
地面を踏み締め、即座に放たれた横薙ぎの黒い一閃を真白は脇をしめて盾を重く構える事で対応した。
激しい金属の衝突音が、がいんっと響く。赤い花の様な火花が暗闇に散った。
真白は盾の向きを器用に変え、微細な動きで意図的に剣の軌道を逸らす。
滑る様に盾の表面を削るに止まった黒い刃は下方に流され、黒い人影は連撃の機会を完全に失った。
その隙を逃さずに真白は腰の剣を逆手で抜き放つと無防備にあいている黒い人影の腹部を狙う。
身体を回転させその回転力を乗せた一撃を鋭く放つ。
攻撃をあえて受けてからのカウンター。攻撃を弾かれた直後のこのタイミングであれば並みの戦士では躱す事ができないだろう。
その例に漏れず、黒い人影は腹部を裂かれ、黒い粒子を撒き散らしながら悲鳴とも金切音とも取れる声を発した。
「キィイイイイイイイィィィッィイイイイイイイイイイイイイイイーーーッッ!!」
「いけるよっ! このまま押し切ればっ!!」
その時、真白の背後にいた黒兎は気づいた。黒い人影の腕が背中にもう一本ある事を。
そしてそれが振り被り、攻撃の軌道に入っている事を。
ちょうど真白の位置からでは死角になっており、まだ彼女はそれに気づいていない。
攻撃動作が行われているとは知らず、真白は追撃の為の連撃に意識を向けている。恐らく、振り抜いたその刃を返す動作でそのまま両断しようというのだろう。
勿論、相手がダメージで怯んでいるならば効果的な一撃だった。しかし、不意の攻撃を仕掛けられている最中であるならば話は別である。
このままでは返す刃は躱され、不意の一撃が彼女に食い込むだろう。完全な不意打ちになる為、致命傷は避けられない。
考えるよりも先に黒兎は言葉を発していた。
「だめ、もう一撃が来るっ」
「えっ!?」
黒兎の声に反応し防御の為に咄嗟に彼女はろっこんを発動させた。
自らの服に力を流し込むイメージを即座に固める。
と同時に黒い刃が振り下ろされたが、彼女の肩口の服が鋼の様に硬化しそれを無傷で弾く。
その隙に真白は再び防御を固めた態勢を取る。
カウンターの成功に調子に乗って攻めすぎた。真白は自身の至らなさを反省する。
調子に乗りやすいのは彼女の悪い癖だろう。とはいえ、その勢いで突破できることもあるので一概に悪いともいえないが。
「ぐっ、このままじゃ……盾が持たないっ」
三本の腕から繰り出される怒涛の連撃を打点をずらす事で防ぎ続けている真白であったが、それでも盾へのダメージの蓄積は免れない。
一筋入ったヒビは次第にその深さを増している。
もって数分、あるいは攻撃を受け損ねればすぐにでも盾は砕かれてしまうだろう。そうなればこの連撃を防御する手段はない。
「二人とも、よく耐えたわね……あとでご褒美をあげるわっ!」
「えっ」
「あ……」
上空から突如として放たれた小さな火球の連射が黒い人影をマシンガンの様に容赦なく撃ち貫いていく。
黒い人影は辛うじてその場を逃れ壁に向かって走ると、壁を蹴って高く跳躍し上空の空飛ぶおか――――否、
尾鎌 蛇那伊
に突進をかける。
「あらあら、積極的なのは割と好みよ?」
中空で熱を凝縮し、杖の先端へと集めていく。高圧縮された炎の熱量によって杖の先端が陽炎の様に揺らぐ。
尾鎌は突進する黒い人影に杖を向け、魔術の発射体勢を取った。
「骨の髄まで燃やし尽くされなさいっ! あたしの情熱でねっ!」
放たれた特大の火球は人間一人分は軽く呑み込める程であった。
火球に身を包まれた黒い人影がもがく様に掻き消えていく。
「勝負あった……わね。楽しかったわよ」
「よかった――――って安心してる場合じゃないよっ! 蛇那伊君、そこ結構高い! このままじゃ地面に!」
「む、確かに無事では済まないかも」
心配する真白と黒兎を余所に尾鎌は落ち着いていた。
傍目には自由落下しているように見える尾鎌であったが地面に着地する瞬間に足を屈伸させ前のめりに倒れる様にして背中を使いながら前転。そのまま立ち上がった。
「ええっ!? なんでっ!?」
「ばけも――いたっ」
とても失礼な事を言い出しそうになった黒兎を軽く小突くと、服についた埃を払う尾鎌。
「まったく、失礼なこと言わないの。さっきのはちゃあんと種がある技なんだから」
「それはとても興味深いですね、ぜひ、私にも教えてくれませんか? そうすればこのような傷は今後負わなくなりそうですから」
三人が警戒しながら振り返るとそこには手負いの騎士が壁に体を預ける形で立っていた。
「あなた、ジニアね?」
「……なぜ、私の名を?」
ゆっくりとかつ自然に声に警戒の色を強めたジニアの警戒を解く為に尾鎌はあえて素性を明かした。
「あたし達ね、この世界の人ではないの。別の世界から連れて来られて、ある人を助けないと帰れない決まりなのよ」
「ほう……そんな与太話を信用しろというのです?」
「信用するかどうかは任せるわ。話を聞いてから自分で判断なさいな」
しばしの沈黙の後、ジニアは口を開いた。
「わかりました、聞きましょう」
「ふふっ話が分かる人って好きよ。そうね、貴方が落ちるまえに放って放ったのは機械よね? それも高性能な小型カメラ内蔵の」
「……なぜ、それを?」
「うちの世界では一般的なんよ、機械って奴。普通に売られてるし、生活にも使われてるのよー」
「なんと……どうやらあなた方が異界から来たというのは本当のようですね。我々ではあなた方が機械と呼ぶものはロストテクノロジーの異物とされています……ぐっ」
敵でない事を確認した安心からか痛みに耐えられずジニアはその場に膝をついた。
すぐ様真白は駆け寄ると、腰のポーチに入っていた回復薬を飲ませ、布を用いて出血している腕の止血を行った。
「血は止めたけど、あんまし激しく動いちゃだめだよ?」
「ありがとうございます……」
「それでなんでこんなことになってるのかのー? 助けようにも何が起きてるかわからない事には動き様がない」
「そうですね、わかりました。お話致しましょう」
ジニアによれば、現在この国では二つの勢力が争っているとの事だった。
一つは第一継承権を持つティア姫を擁する一派。もう一つは弟の王子を擁する一派である。
「ティア姫は、弟と争いたくないといい、弟君に王位を譲る考えすらあるといっているのです」
「うーん、本人もやりたくないって言ってるし弟が継承しちゃだめなの?」
「継承権を放棄し、姫という立場のまま他の血縁者が王位を次ぐというのは珍しい事ではないのですが……」
「少々問題があるって顔してるわね?」
「――はい。実は弟君を推している大臣にはある噂があるのです。それは徹底的な貴族主義者であると」
貴族主義……貴族こそが至高であり、それ以外は駒や自らの為に働く奴隷としか考えない選民思想である。
「なんとなくわかった。平民を奴隷にしてしまう国にしようとしてる、ってことよのー」
「お察しの通りです……。今回の遺跡調査には私だけが同行するはずだったのですが、大臣の息の強くかかったキュイスという騎士が直前になって同行する事になりました。大臣ではなく、彼自身の真意を聞こうと二人っきりで話そうとしたのですが……」
肩を落とすジニアの代わりに黒兎が言葉を繋いだ。
「斬り掛かられた……ということね」
「……はい。予想以上に、大臣の貴族主義は彼に浸透しているのだと思います。そうなれば、その邪魔者の旗頭であるティア姫を狙うのは必定だと思われます」
立ち上がり、ふらつきながらも去ろうとするジニアを尾鎌は引きとめた。
「行くのね、彼の所へ」
「…………」
「そんな傷だらけで勝てると思ってるの? 強いんでしょ、彼」
「たとえこの命に変えてでも……ティア姫を守ります……幸いにも落ちる前に放ったロストテク――いや、機械が場所を教えてくれていますから」
「流石は騎士って事ね、わかったわ。ひと肌、脱いであげる」
「いえ、異界の方にそこまでしてもらうわけに……っ!?」
目を丸くするジニアの前で尾鎌が張り切ったように衣服を脱ぎだした。
「ちょ、何で服を脱ぐの! 意味が解らないのだよっ!?」
「そ、そうだよっ! この話の流れでどうしてそうなるの!?」
「え? 私の得意技はマッサージよ? 短時間で疲労回復するならそれが一番でしょう」
壁際に追い詰められた三人は顔面蒼白になりながら口をぱくぱくさせていた。
その様子は一見すればほぼ全裸な筋肉質な男性が幼いロリ少女二人と若い青年を襲っている様にしか見えないが、これはあくまでもマッサージである。繰り返して言うが、マッサージである。
「ささ、遠慮せずに。とっても……気持ちいいわよ?」
三人の悲痛な叫びが遺跡の内部へと木霊した。
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3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
13人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年08月19日
参加申し込みの期限
2015年08月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年08月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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