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午前8時、
朝鳥 さゆる
は寝子島シーサイドタウン駅の改札を出た。
スマホから繋がったイヤホンで音楽を聞きながら、コートの襟を直す。
トレンチコートにロングブーツを合わせたスタイルは、彼女をますます大人っぽく見せていた。
実年齢は15歳ながら、元より20歳前後の美女に見えるさゆるである。
物憂げで硬質な美貌を纏った彼女は、まだ早い時間ながら、それでも休日らしく明るい雰囲気を感じさせる街を伏し目がちに行く。
11月の風が、さゆるの心の空洞を撫でるように吹き抜けていった。
(街をぶらつく気には……なれないわね)
昨日も、行きずりの男性と共に夜を過ごした。
泥沼のような夜を越えた先に残ったのは、さゆるには扱い切れない虚無感ばかりで。
行くあても行きたい場所もなく、ただただ迷子になった子供のように辺りを見回せば、ふと、あるカフェの看板が目に入った。
「cafe眠り猫……」
ごく小さな声で、店名を読み上げる。
今日の朝食はこの店で取ろうと、さゆるは直感で決めた。
ぼんやりとした頭を、とにかく早くしゃきっとさせたかったのだ。
眠気とも、それからシャワーを浴びても消えてくれなかった夜の余韻ともお別れしたい。
そんなことを思いながら、扉を開ける。
そこは小洒落た、それでいて温かみのある空間だった。
今のさゆるには、その優しさが少し居心地悪く感じられるほどには。
「いらっしゃいませ!」
「ええと……フレンチトーストとコーヒーを」
黒板のおすすめメニューから適当な物を選んで、適当な席に着く。
フレンチトーストが届くまでの時間を、さゆるはスマホで音楽を聞きながらやり過ごすことに決めた。
何とはなしに店内を見回せば、まだ朝早いためか客はまばらながらも、閑散としているというほどではない印象を受ける。
家族連れが多いせいだろう。きっと今から、どこかへ出かけて休日を過ごすのだ。
さゆるには、彼らと自分の間に透明で、けれど強固な壁があるように感じられた。
(両親が死んで3年も経てば、独りで食事するのにも慣れるものね)
そう思った後で、いや違うとさゆるは自嘲めいた微笑を漏らす。
(昔から、忙しい人たちだった。独りに慣れてるのは、子供の頃からだわ)
自然とそんなことに想いを馳せていたさゆるの元に、出来たてのフレンチトーストが運ばれてきた。
そっと切り分けた一切れを口に運ぶ。うん、悪くない。
ふと顔を上げると、離れた席の幼い女の子と目が合った。
うさぎのリュックを背負った女の子は、きっと食事を終えたら家族と出かけるのだろう。
そんなふうに考察したさゆるへと、不意に、女の子がにっこりと微笑みかけた。
一瞬戸惑ったさゆるだったが、ぎこちなく、けれど優しく小さな微笑を返す。
女の子の笑みが、ますます明るいものになった。
「どこか遊びに行くの?」
「うんっ! パパとママとね、水族館に行くの!」
「……そう。楽しい一日になるといいわね。パパとママを困らせちゃダメよ?」
女の子が「はぁい!」と元気良く返事をして、人の良さそうな両親がさゆるへとにこやかに頭を下げる。
それに倣ってさゆるも軽く頭を下げ、そして思う。
あたしのようにならないでねと、どこか祈るように。
いらっしゃいませという声を耳に心地よく聞きながら、
(どの席に座ろうかなぁ?)
なんて、
結城 日和
はわくわくと思案する。
結局、日和は通りに面した窓際の席を選んだ。
窓の外を見やれば、シーサイドタウンの近代的できれいな街並みの中をたくさんの人が笑顔で歩いていく。
きっと彼らも自分と同じように休日を楽しもうとしているのだと思うと、日和の顔にも自然と笑顔が浮かんだ。
(たまにはカフェで朝ごはんていうのもいいよね)
店内に流れるゆったりとした音楽を耳に、日和はそんなことを思う。
(今日は、ううん、今日も素敵な一日にするための準備というか)
このカフェは、素敵な一日を迎えるのにちょうどいい。
隣のテーブルの家族連れが、楽しそうに食事をしている。
パンとコーヒーの食欲をそそる香りが漂ってきて、日和は慌ててメニューを開いた。
色々なセットメニューが選べるようで、つい目移りしてしまう日和。
(うー、猫印のトースト気になるけど、フレンチトーストもいいなぁ)
しばらく悩んだ後で、フレンチトーストに決める。飲み物はカフェオレだ。
注文を済ませ、フレンチトーストの出来上がるのを待っている間に、食事を終えたらしい家族連れが、店を出る準備を始める。
うさぎのリュックを背負った幼い女の子が、
「じゃあね、お姉ちゃん!」
と、少し離れた席にひとりで座っていた女性に向かって元気よく手を振った。
整った顔に淡い微笑を乗せて、女性はうさぎリュックの女の子へと小さく手を振り返す。
店を出ていく家族連れを見つめる女性の視線がどこか切なげなのに日和は目を引かれたが、
「お待たせいたしました、フレンチトーストとカフェオレです」
運ばれてきた格別美味しそうなフレンチトーストが、日和の心を自分のテーブルへと引き戻した。
「いただきます!」
手を合わせて、切り分けたフレンチトーストの一切れを口に運ぶ。
熱々ふわふわのフレンチトーストとバニラアイスのコラボに知らず頬が緩んだ。
メープルシロップの自然な甘みも堪らない。
「んー、美味しいっ」
フレンチトーストは、ほっこりする味をしていると日和は思う。
だから、食べると何だか幸せになれる、そんな気がする日和だ。
(単純だけどそれでいいと思うんだ。ポジティブな方が私らしいもん)
勿論、悩みがないわけじゃない。
それでも大好きな音楽と好きな人を思えるだけでいいと、日和は思う。
それだけで十分、前向きになれる。
くぴり、喉を通ったカフェオレが、口の中の甘さをリセットした。
(今日もいっぱいバイオリンの練習をしよう。そうじゃないと、自分の音楽についていけないから)
好きな曲が難しくても演奏できるようにと、そのための練習だ。
コンクールのためだけに練習していた時もあったけれどあの時は全然身につかなかったと、日和は少しだけ苦く思い出す。
(でも、いいんだ。きっと今の方が、音楽を楽しめてるから)
日和が思い浮かべる『彼』は、音楽を楽しめているだろうか?
自分の音楽を彼が楽しんでくれたらいいなぁと、日和は心からそう思う。
(よし、今日もとびきり素敵な一日にしよう)
例えば日和の音楽を、あの人の心に響かせることができるように。
それから、街を行く人たちや、あの家族連れや、いつの間にか店を出てしまったらしいさっきの美人さん。
皆にこのフレンチトーストのように幸せな休日が訪れればいいと、日和はそんな願いを胸に思い描いて、ふわふわをまた一口口に運んだ。
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担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年08月12日
参加申し込みの期限
2015年08月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年08月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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