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寝子島朝ごはん!
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30分以上の長い散歩を終えて、天吉は我が家へと戻った。
玄関の扉を開けると、台所から食欲をそそる香りがふわりと漂ってくる。
「ふむ、今日の朝ごはんも楽しみじゃ」
小さく呟いて、天吉は履物を脱ぐと手を洗い食卓へ向かった。
「おはよう」
「あっ、天吉おじーちゃんお帰りなさい!」
仏壇に供えた後の炊き立てほかほかご飯をお櫃に移してふんわりと混ぜていた一霞が、天吉の挨拶に笑顔で応える。
天吉は、いつもの如くに自身の席へと腰を下ろした。
今日も今日とて三夜家の朝は賑やかだが、珍しいことに、暗がせっせと食器や出来上がった料理を運んでいる。
その姿に、天吉はくるりと目を丸くした。
「これは珍しい。天気は良いが、今日は雪かの」
天吉の言葉に、ついにじーちゃんも天変地異すら起こしかねない俺の神性に気づいてしまったか……などと斜め上なことを思う暗だったが、料理を運ぶ手は緩めない。
何せ暗は今、雷一との(一方的な)勝負の真っ最中なのである。
雷一はすでに目玉焼きをすべて焼き終え、ウインナーの炒め物を作っていた。
納豆と、千暁が薬味を加えて味わいを変えた昨日の煮物を食卓に運び終えた暗は、息つく間もなく最後の目玉焼きを取りに台所へと戻る。
「ほらよ、完成っと」
雷一がウインナー炒めを皿に盛るのと、暗が最後の皿に手をかけたのはほぼ同時。
(まあ今回は痛み分けといったところだな……)
と、それでもどこか満足げに、暗はウインナー炒めと目玉焼きを食卓へと運んだ。
「今日の朝食も美味そうじゃの」
食卓に並んだ料理の数々に、緩く口の端を上げる天吉。
小さく腹の虫を鳴らす天吉の隣に座って、一霞はまずはとばかりに天吉の茶碗にふっくらと白米をよそった。
「はい、天吉おじーちゃんの分」
「うむ、ありがとうの、一霞」
礼の言葉にはにかんだように微笑して、一霞は次々と家族の茶碗をつやつやのご飯で満たしていく。
続々と席に着く家族の様子に、千暁はほんわかと笑みを零した。
「ふふ、皆のお陰で、朝ご飯の準備はばっちり」
休日は皆起き出す時間がばらばらなため、作り立てのご飯を準備するのはなかなかに難しい。
大家族の母として常からそれをきちりとこなす千暁ではあるが、今日のような皆の力添えは、嬉しくもあり頼もしくもある。
さあ、皆が食卓に着けば、一日の始まり、朝ごはんの時間だ。
いただきますと色とりどりの声が響き渡り、集まった面々はそれぞれに食事を楽しむ。
味噌汁を口に運んで、天吉はほうと息を吐いた。
「うむ、やはり朝は和食に限る」
「うんっ。星ヶ丘じゃ朝はパンだったけど、和食な朝ごはんも美味しい!」
「ほらほら、いっちゃんも暗も、育ちざかりなんだからいっぱい食わなきゃおっきくなれねーぞ」
「「言われなくてもちゃんと食べる!」」
一霞と暗の言葉が綺麗に重なり、千暁が口元を抑えて「うふふ」と笑みを漏らす。
何となく居心地の悪い空気を払拭しようと、一霞は味噌汁をすすった。
「わ、なんだか懐かしい優しい味」
「あ! いっちゃんそれ、お袋と俺様ちゃんが作ったやつ!」
「なっ!? べ、別にパパの味だから懐かしいとか思ってる訳じゃないんだから誤解しないでよね! あたしはおばーちゃんの味を褒めたんだから!」
「えー? まあでも、確かにやっぱお袋の飯は最高だよな。ホントうめーわ」
「ライチのくせにいいこと言うじゃない。あたしもおばーちゃんのごはん大好き!」
雷一と一霞の賑やかな声に、天吉も静かに頷いて同意を示す。
家族からの嬉しいメッセージに、千暁は目元を柔らかくした。
「ふふふ、ありがとう。みんなが喜んでくれるのが、一番嬉しいわぁ」
お代わりもあるわよ、と付け足せば、じゃあ早速! と雷一が空の茶碗をかざす。
そんな賑やかしさを尻目に、天吉はほうれん草のおひたしを一口口にした。
舌に慣れた、天吉の長く愛する三夜家の味が口に広がる。
その味わいを口に楽しむ天吉へと、一霞が仄か頬を紅潮させて声をかけた。
「ねえおじーちゃん、あの、おひたしの味、大丈夫?」
どこか落ち着かないその様子に、天吉は何とはなしに事情を察する。
「これは一霞が作ったのか」
「う、うん……」
「ちゃんとうちの味だ。うまい」
不器用で、けれど確かな天吉の言葉に、ぱっと華やぐ一霞の表情。
可愛い娘の微笑ましい姿に、雷一は口元を緩めた。
(よかったな、いっちゃん。そういや俺が料理上手くなったのも、弟妹産むために入院中のお袋の代わりに飯をこさえてたからだ)
自然と、昔の自分のことが思い出される。
大切な誰かのために作るごはんは、きっと尊い。そんな気がした。
「この目玉焼きは誰が作ったんだ? いい焼き加減じゃ」
そこに、天吉の声が降る。雷一は、へらりと笑って挙手をした。
「あ、それ俺様ちゃん作だぜ、じっちゃん」
「何? そうか、雷一が……」
顎に手をあてがって、目を眇める天吉。
(定職にも就かん馬鹿孫だが、やはり料理の才はある気がするの)
それは、天吉が前々から思っていたことだった。
料理人を目指し手に職をつけるのが、雷一にはいいのではないかと。
(だが、今ここでそれを言っては逃げるやもしれんし調子に乗るかもわからんな)
だから、天吉はただ静かに、いい塩梅に焼き上がった目玉焼きを平らげた。
そんなこんなの中、暗は黙々とひじきと根菜の煮物を口に運ぶ。だが、
(今日は俺の偉大さが証明された日なのだから、普段より倍は美味い飯に感じられるな……)
と、密かにテンションは高い。かなり高い。
暗は、まだ胸に残る高揚感、夢の名残に想いを馳せた。
知らずその頬がふにゃりと緩み、少しの幼さが残る自然な笑みを形作る。と、
「……ん?」
本人は無自覚ながらわかりやすく嬉しそうな顔をしている暗に、気づけば家族中の視線が集まっていた。
皆一様に、不思議そうな、あるいは珍しいものを見たような表情をしている。
たくさんの視線を一手に受けて、暗は僅かたじろいだ。
(な、何で皆そんな顔で俺を見る……? ま、まあ、俺の夢を知らないのだから仕方あるまい……あれ?)
密か、内心で首を傾げる暗。
(そういえば、どんな夢だったっけ?)
激しい朝の戦いの中に身を置いているうちに、夢の内容は気づけば遥か彼方。
思い出そうとすればするほど、夢の切れ端は遠く遠くに逃げていくようだったが、
(まあいずれにせよ、俺の偉大さは変わらないな)
なんて、ごくポジティブなことを思って、暗は今度は、ほぐした焼き鮭を口に運ぶ。
それぞれに朝ごはんを味わう個性豊かな面々を見回して、
「折角のお休みの日ですもの。楽しい日になるといいわよねぇ」
と、千暁は包み込むように優しく微笑んだ。
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あとがき
担当マスター:
巴めろ
ファンレターはマスターページから!
お世話になっております、ゲームマスターの巴めろです。
まずは、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました!
『寝子島朝ごはん!』、いかがでしたでしょうか?
皆様から素敵なアクションをいただきまして、私はとても楽しく執筆に当たらせていただきました。
PC様方にとっても皆様にとっても、何気なくも心に残る朝ごはんの時間になっておりましたら幸いです。
重ねてになりますが、ご参加くださった皆様に心からの感謝を。
本当に本当に、ありがとうございました!!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年08月12日
参加申し込みの期限
2015年08月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年08月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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