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MILK HALL
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半開きのドアから、笑顔の少年がひょっこりと顔を出した。
「お早うございます」
さっと灰色の瞳を動かして一人ずつ顔を確認する様子から思慮深げな性格を見たものの、挨拶は少年らしく快活だ。
「入って!」と少年に引き連れられ、彼らはそろりと中へ入っていった。
ウォールナットの丸テーブルに揃いの椅子、壁掛けの振り子時計、恐らく実際はもう使用されていないのであろう年代物の帽子掛など、矢張り暗めのトーンでまとめられた店内を、格子窓から入る朝の光とランプの間接照明が柔らかな光で照らしている。
近頃主流の開放的なカフェに慣れた中高生には、微妙に敷居が高そう……と感じられるレトロな内装だ。
店内を観察していた彼らに一度振り返って合図のように笑顔を見せた少年は、カウンターの前で足を止めると身を乗り出してキッチンを覗き込んだ。
「兄さん、伯母様、きたよ!」
数秒置いて、キッチンから「はいはーい」と足音と返事が聞こえて来ると、一人が顔を出した。男だから『兄さん』の方だろう。
「お早う」
彼は青い目に柔和な微笑みを湛えて、挨拶を続けた。
「おばさん今、手が離せないんだ。オーナーの挨拶は後でだね。
それで——皆、寝子島高校と中学の生徒だよね。高校の連中はもしかして知ってるかもしれないけど改めて。
俺は
レナート・ミハイロヴィチ
。レナート・ミハイロヴィチ・ジュラヴリョフ。……レナでいいよ。高2。
実はここの3階で朝起きて、夜寝てる。それからちょっと店を手伝ってご飯を貰うんだよ、猫みたいなもんだよね」
微笑みから破顔して一度挨拶をしめた兄の長身を見上げていた少年は、あっと声を漏らした。どうやら同年代のアルバイト達がきたことで浮ついていたらしく、自分の挨拶をすっかり忘れていたと思い出したのだ。
「僕、Илья Михайлович Журавлёв、です! お店の手伝いしてます」
慌てた発音は大凡聞き取れるものではなく、聞き手が内心首を傾げたのを察して、レナートがカウンター向こうからこちらに回ってくる。そして弟の両肩に手を置くと、拙い自己紹介を手伝った。
「
イリヤ・ミハイロヴィッチ
。俺の弟で今度寝子島中学の3年に編入するんだ。
俺と違ってここにきて間もないから、この通り不慣れなところもあるけど、『その辺』はサポートしてやってくれると嬉しいかな。
まあ、役立たずではないよ」
終わりにイリヤの肩を掌で叩くと、丁度振り子時計が独特の音で皆に時間を知らせる。まるで仕事を急かしているかのようだ。
「そうだね時計君、挨拶は一旦このくらいにして。早速着替えて貰わないと
裏にロッカーと更衣室があるから。更衣室は数ないから男はその辺で着替えて。それじゃ俺は一旦失礼」
レナートは男性陣に容赦無い声掛けをして、女性にウィンクを残してキッチンへ戻って行った。それがいつも通りなのかイリヤは特に気にも介さず、勝手知ったる動きで皆を招く。
どうやらカウンターの左向こうがキッチンで、右は事務室へ繋がっているらしい。事務所側の奥にあるのが二階の住居スペースに続く階段か。と横目に見ていた時、上から誰かが降りてきた。
てっきり家の誰かと思った中学生達は、その姿を見てぎょっと目を剥いた。キッチンに消えた筈のレナートが、手品のように現れたからだ。
「Ой?」
レナートは先ほど迄きっちり釦を止めていた白いシャツの襟はだらしなくはだけて、今起きたばかりの寝ぼけ顔だ。後頭部をかいて数秒、漸く今日の日がどういう予定だったか思い出して顔を上げる。
「そうかバイト増える日か!」
「そうだよ兄さん。“明日は早起きして先に準備して待ってなきゃな”って昨日自分で言ったじゃない。僕もレーナも何度も起こしたのに、起きないんだから」
「ああうん、ごめん。起きたんだよ、二三度。またすぐ寝たけど」
彼は欠伸をしながら下に並ぶ唖然とした中学生を見て、高校生達が笑い声を漏らす声を聞き、この状況についてもう一つ思い当たったらしい。
「待って」
と、胸ポケットから出したものをごそごそ耳につけている。シルバーに青い石がついたピアスだ。
「赤がレナート青は俺。次男がレナート長男が俺。レナートより1ミリデカイのが俺。中間で物理と世界史の点数が良かったのが俺!」
「そしてお寝坊さんなのが
エリセイ・ミハイロヴィチ
。いいから朝ごはん早く食べちゃってよ」
同じ顔が背後からぬっと現れると悲鳴をあげたくなるが、話しの通り確かにピアスの石の色が違っている。あれは傍目からは寸分違わぬ双子を見分けて貰う為の目印なのだ。
再び現れたばかりの赤いピアスのレナートは、エリセイの首根っこを引っ張って踵を返して行った。しかし呆気に取られている間もなく、イリヤから透明のビニル袋が手渡された。
「ここの制服です」
男は黒いスラックス、ベスト、白いピンタックの立ち襟シャツにクロスタイ。女は矢張りクロスタイと、襟付きの白いピンタックシャツが胸元までのヨーク切り替えになっている黒いワンピース。
これが支給された制服だった。
「エプロンはココに置いておきます。着替えが終わった人から、ホールに戻って下さい」
イリヤがエプロンの入った籠をテーブルの上においた。女性陣が順に更衣室のカーテン向こうに消えると、男性陣もビニール袋から真新しい制服を取り出し始める。飲食店らしいシンプルなデザインだから、着用するのに迷う部分もない。皆すぐに着替えを終え、クロスタイを手に鏡の前に並んだ。
「呉井はサイズが見事に合ってねぇな」
知った声にフンッと鼻を鳴らして笑われ、
呉井 弦月
は自分のシャツの長袖を摘みながら嘆息する。襟裏に表示されていたサイズ表記は確かに『S』だったが、158センチの中学生の身体に、成人を基準にした服は大き過ぎたのだ。
だからと言ってそんな言い方をし無くてもいいじゃないかと、弦月はこのちょっと意地悪な先輩をじと目で見上げる。
「……何ですか、神嶋先輩」
神嶋 征一郎
は、弦月と同じくヴァイオリニストの高校2年生だ。アルバイトに来ていたのは偶然だが、お互いに知った仲である。
「言われなくても分かってますよ。
すみません、もう少し小さいサイズありますか?」
弦月はイリヤを振り返る。しかし『小さい』を示す『S』の下は、残念ながら存在していなかった。
「ごめんなさい。これより小さいものは、女の人のしか——。裾をクルクルで、誤魔化せませんか?」
イリヤは言い辛そうにしてくれたが、始終を聞いていた征一郎は、先ほど見たばかりの女性制服を思い起こしてそれを弦月に当て嵌めたのか、ぷっと吹き出してしまった。
イリヤに手伝われながら袖をまくっていた弦月は、微妙な表情で抗議している。
「またですか。鼻で笑うの、やめて下さい。偉そうですね」
「この態度はいつもの事だ」
征一郎はそう言いつつも、「気分を害したなら謝ってやらねぇ事もねぇ」と後輩に付け足している。そんな風に二人のヒエラルキーは先輩後輩で縦になっているのかと思いきや、弦月も負けてはいなかった。
「神嶋先輩こそサイズが合ってないじゃないですか。
窮屈そうですね、お尻が破れないように気をつけた方がいいですよ」
これはしっぺ返しの発言で、勿論実際に征一郎の臀部は、服をびりっと破るほど大きくはない。ウエストもヒップも丁度良いサイズだったが、裾だけが合っていないのだ。
それにシャツやベストのウエスト部分も緩いから、征一郎は平均より細長いのだろう。お尻が破けそうと聞いてイリヤは慌て、「一寸待って下さい」と駆けていく。
程なくしてクリーニング屋の袋に入ったスラックスを手に戻ってきた。
「これ兄さんの、予備で使ってないズボンです。お腹は余っちゃうかもしれませんけど……」
「悪いな、借りる」
という訳で、エリセイかレナートかどちらの予備かは知らないが、彼等のスラックスを履いてみたところ征一郎の問題は解決したのだった。
その分ウエストはベルトでしっかり締めることになってしまったが、カジュアルダウン?と思わせるようなバッチリくるぶし丈より見栄えは良いだろう。
納得のいく仕上がりに鏡を覗き込んだイリヤと頷いていると、弦月が横から口を出した。
「まさか、神嶋先輩がアルバイトで来ているとは思いませんでした」
「なし崩し的にこうなっただけだ。こんなに好みの店なら客として茶を楽しみたかったんだが」
高校でこの店の話しが上がった時、興味深そうにしていたところを双子に声を掛けられた。あの「良かったら来ない?」は、客としてだと思ったが、日次を指定された時点で疑うべきだったのだ。こうなった以上は全うするつもりではあるが——。
「呉井は?」
「急にうちの母さんが「お気に入りのお店で1日職業体験をやってるから、いってみたらー?」なんて、勧めてきたんです」
「それで中学生も居るのか」
征一郎が得心した通り、中学生のアルバイトは基本的に労働基準法で禁止されている。しかしそれが職業体験なら別だ。職業体験では給料は出ない。労働を学習活動の一環としている為、法規とは別の部分にあたるのだ。どうりでアルバイトに中学生が多い訳だ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年08月09日
参加申し込みの期限
2015年08月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年08月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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