熱血！　寝子島不良外伝！　～西鬼末旧聖主伝説～｜リアクション

熱血！　寝子島不良外伝！　～西鬼末旧聖主伝説～

【裏の活躍】
　
　修は、さながら残されたものを押し付けられたような気分だった。
　しかし、必要なことだし悪いとも思わない。
　何をしているか？
　それは、危険物【分解】である。
　正直、警察に引き渡したくてたまらないが変に疑われるのも問題だ。
　ゆえに、危険物は【分解】し次々と処分していくかわからないくらい細かくし、指定ごみ袋に入れていく。
「とりあえず、こればっかりは俺しかできないからてきぱきやらないと」
　すでに、屋上の煙幕は見えてサキリに処理をお願いした形だ。
　手下は、引き受け手がある種問題ない人種だったので、もう考えるのをやめた。
　本来であれば、ろっこん【分解】に反応する、というのを想定していたが、どうやら僥倖で、自分は裏方に徹することができそうだ。
「さしあたっては、明日普通に使えるようにするのが俺の仕事、かぁ」
　テオはそこらへんは考えてないというか、そこも加味してたぶん丸投げしている、と信じたいと思う修であった。
　ちらりと、第二の懸念事項である西鬼末のほうを見れば。
　復活した源三と新のコンビ、そして荒太郎と亮の合わせて4人の反撃が始まろうとしていた。
「いくらなんでも、天帝よりかは弱いと信じたいが……」
　しかし、頭を振ってその予測をかき消す。
　そこではた、と思いいたる。
「……そういえば、放火は別動隊がいると思っていたがほとんどグラウンドに固まっていた」
　すっと、思考がクリアになるのを感じた。
「つまり、実際は本音の部分はどうなんだ？」
　そこで思い至る、かつても自分もしていたことだ。
　観察。
　どういう能力があり、そして、何が起こっているのか？
（考えろ、確か――確かあいつは。天帝は俺たちのことを知っていた。いつだ。いつから奴は情報を集めていた）
「そこを含めて、一回聞かないとな」
　この後、修はひととおり処理を終え、屋上組に合流することとなる。
　その時、すでにことは終わっていたのだが、それでもやることは多いのだ。