――あの日の事を覚えているだろうか?
そう、木天蓼高校は手を引いた、だが、一人の人物がいなくなっていたことに。
あの時、荒太郎は西鬼末という人間と「喧嘩」をしていた。
西鬼は、炎をまとった拳で荒太郎の顔面を殴りつけ荒太郎は必死に抵抗した。
その結果、西鬼が被っていたカブトを取り去り、西鬼の怒りを買った。
そして両者の殴り合いの末、西鬼は自分の炎に焼かれ逃走。
荒太郎は軽い火傷と幾分かの打撲ですんだが、このあと西鬼末を見たものはいなかった。
『熱血! 寝子島不良伝! ~天帝降臨ッ! 寝子高最後の日~』 より
「くそっ! くそっ! くそがぁっ!」
あのとき、やけどまみれになりながら西鬼は路地裏を這いずっていた。
「絶対に……絶対に許さねぇ。天帝など知るかっ! 俺様は俺様のやり方で寝子校を……阿鼻叫喚の地獄に落としてやる!」
「――そうか、なら、やってもらおう」
「誰だ、お前はっ!」
西鬼の前に、科学者じみた男が現れ、告げる。
「大浄神魂党(だいじょうしんこんとう)。寝子島の力を研究するものだ」
そう言って、その男は西鬼を治療し始めた。
そして、時は流れた。
「……なじまない」
フルフェイスの新しい兜を着けた西鬼は、再び寝子島に現れていた。
「……いいのか、俺様に着いてきて」
西鬼は、不良たちを引き連れていた。
引き連れてきた不良達に、聞く。
「……出すもん、出しちまいやしたしねぇ」
そう言って、不良達は笑う。
「それに、こっち側はほとんど倒れてない喧嘩でさ! 納得がいかねぇ!」
「こんな楽しい祭りに誘ってくれないとか、マジ冷たいっすよ!」
「不良と喧嘩は切っても切り離せねぇ……もう一回仕掛けられるなら、乗るまでさ!」
次々と賛同する言葉が上がる。
そう、この不良グループは木天蓼高校に退学届を出し、なおも喧嘩を仕掛けるのを選んだ連中だった。
「寝子島の不思議な力と、それを受ける巫女ね。まぁいい、俺は俺で利用させてもらう!」
そういって、率いる不良を見て言う。
「だが、気になる。旧世界の聖なる主が野郎どものそばにいる、力を貸しているってことか」
おそらく、ろっこんを彼らは何かしら誤解しているのだろう。
だが、その誤解を西鬼はそのままにした。
「じゃあ、それを使わせる前にこっちから仕掛けりゃいい。ひゃっはっはっは!」
そういうと、笑い声を上げながら、どこかへと消えていった。
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「……行きましたか」
その不良たちの姿を、西鬼末に治療を施した男は見守っていた。
「しかし、これで彼は出てくるのだろうか」
「でてきます」
その疑問に、凛とした女の声が答えた。
「巫女様!」
そういうと、男はその女のもとにひざまずいた。
「われら大浄神魂党は、古来より寝子島の力を探ってきました。そして予言によれば、
テオドロス・バルツァが聖なる主だという予言がもたらされました」
「何者ですか?」
男の疑問に、巫女は首を振った。
「わかりませんが、何かしらの事件が起こると彼が現れる、といわれているようです。私に【力】を授けたのもそのテオとよばれる何者かの関係者でしょう」
そして、巫女は言う。
「あぁ、そのお方はきっと旧い世界を駆逐し、人類を新たなる段階へと進ませる聖なる主に違いありませんわ! まさしく旧聖主様!」
熱を込めて、彼女は続ける。
「いとおしいお方。われらを導いてもらうために今お迎えに上がりますね! お前は彼らに追尾し、そのまま旧聖主様があらわれるのを待つのですよ! 現れたら丁重にお連れし、新世界の導き手になっていただくのです!」
「ははっ! すべては巫女様の予言のままに! 彼らのフツウを壊すために!」
こうして、知られざる戦いが始まろうとしていた。
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「それでどうしろっていうのさ!」
雨崎 荒太郎は、テオからその話を聞いて憤慨したように言う。
いくら何でも一方的だ。
「俺には関係ないことだが、あの巫女は何か勘違いしてやがる。利用されないうちに誤解を解く必要があるが、今回はまず、お前たちの問題を解決すべきだ」
テオは言う。
「西鬼末のことだね。任せてよ」
テオは言う。
「わかった。彼らは《今まさに》寝子島の校舎を燃やすらしい。守衛や宿直は眠らされていどこかに転がっているから気にしなくていい。せいぜい頑張ることだ。あぁそうだ。派手に動くなよ」
「聞いてないよ!」
その言葉とともに、転移が発動した。
どうも、とりあえずこのシリーズリアル何年ぶりでしょうか
がんばって旗回収します。
【状況】
西鬼末と不良グループが夜の寝子高の運動場に集結し、校舎を派手に燃やそうとしている。(どこから手に入れたのか、危険物を持ってきています)
また、その行為を謎の男性が見守っている。(校舎内から運動場付近が見える場所)
これらの行動を「テオ」から連絡を受ける。
【やることの選択】
1、不良を倒し、寝子高校を守る。
2、背後の男性をどうにかする。
どっちかを選んでください。
【参加制限】
高校生のもれいびか一般人のみ
一般人の高校生の参加の場合、寝子高の異変を察知したことになります。
【アクション】
基本的には1の場合は「戦い方」をそして「雑魚」と遊ぶか、「西鬼末」と戦うかを。
2の場合は「探し方」と「尋問方法」を書いてください。
なお、西鬼末はまったく背後関係は知りません。
※不良の数はそこそこ、くらいです。
なお、警察に通報は最初は相手にされませんが、校舎に火が付いたら出てきます。
ただし、西鬼末の背後にいる連中はそれも「織り込み済み」のようです。
火をつけさせると、どうなるかわかりません。
【西鬼末について】
過去のシナリオを参照してください。
以下抜粋
シナリオ「熱血! 寝子島不良伝 ~死闘! 木天蓼不良四天王現るッ!~」より
●西四天王 西鬼末(せいき まつ)
「ヒャァ! 俺様の名前は西鬼末(せいき まつ)だ! 復讐に来てやったぜ!」
西洋の兜をかぶった男。甲高い声で喋る。
火を噴くなど器用に大道芸系の技を使ったりする。
彼のポテンシャルは十全に引き出されており、危険な存在となった。
彼は知らないが、治療時に幾分か痛みを無視する薬物を投下されている。
【巫女のろっこんについて】
何か勘違いしている人。
こちらは今回出てきません。
何らかのヴィジョンを見るろっこんだと思われます。
以上になります。
皆様のご参加お待ちしております。