日曜日の朝、シーサイドタウンに佇む一軒家が賑やかであった。声は外にまで聞こえていた。
「ママ、まだなの?」
「もう少しだから」
女の子が母親を急かせる。同じ会話が幾度も続く。
「ママ、ありがとう!」
弾けるような声が上がった。家の中をドタドタと走って
百岳 甘桃が外に飛び出してきた。
長い髪をリボンの形に結い上げて頭の上にちょこんと載せている。手で確認して笑顔を見せた。
愛らしい子供用のドレスにも、たくさんのリボンが取り付けられていた。
「かわいいは、どこにあるのかな」
甘桃はくりっとした目で歩き出す。
白い柵に巻き付く形で蔦バラが咲いていた。ピンクの花を目にしてにっこりと笑う。
「かわいい!」
可憐な花弁に鼻を近づける。甘い香りに満足して別の薔薇にも目を向けた。
大輪の赤い花は柵の上から道を覗き込む。香りはなかった。茎を覆う棘は鋭く、触られることを頑なに拒んでいた。
甘桃はゆっくりと歩きながら眺めていく。柵から一枚の葉が飛び出していた。その上に何かいる。よく見ると同色のカメムシだった。
一瞬で顔を引いた。頬を膨らませて睨み付ける。
「かわいくなーい!」
プイッと余所を向いて早足になる。
「かわいいは、どこにあるのかな」
甘桃は元気よく腕を振った。寝子島を巡る、小さな冒険の始まりであった。
百岳 甘桃さん、ガイドへの登場、ありがとうございました。
当シナリオにご参加いただける場合、ガイドの内容に関係なく自由にアクションを書いてください。
説明に入りたいと思います。今回のシナリオを簡単に言いますと「かわいい探し」になります!
神魂の影響が加わって過剰に反応してしまいます! はい、そうですね。タイトルのまんまです。
捻りはほとんどありません。いえいえ、手抜きなんてことは……。
ゴホン、下記で詳しい説明を致します。アクションの参考にしてください。
☆★☆ 今回の舞台 ☆★☆
晴天に恵まれた日曜日の寝子島。
☆★☆ かわいい物 ☆★☆
神魂の影響でPCは可愛い物に過剰な反応を示す(効果は、ほぼ一日)。
個人差(アクション次第)がある為、あまり変化が見られない場合もある。
例1:猫アレルギーのPCが、くしゃみをしながら猫を抱き締める。
例2:道端に転がっていた、ただの石が魅力的で嬉々として拾い集める。
例3:大好きな友達が好きすぎて、相手に引かれるくらいに暴走する。
例4:同性や異性に関係なく、ある仕草に魅了されて興奮が収まらない。
アクションに書かれていれば、マスターが過去に作り出したNPCを登場させることができる。
メリーさん(都市伝説):見た目は小学生の女の子。おかっぱ頭で愛らしい顔に反して毒舌を吐く。
底なしの胃袋で愛らしくタカる。瞬間移動を得意とする。
ゼリン(天界のペット):スライムのような形態で目と口を有している。性格は人懐っこく、
地上の生活が忘れられずに一時的に戻ってきた。
猫がみ様(猫の妖怪) :人間の言葉を理解して喋る太った白猫。
がみがみと口煩いことが有名で「猫がみ様」と呼ばれるようになった。
※他のマスターが作られたNPCは指定できません。マスタリングの対象になるのでご注意ください。
説明は以上になります。
かわいい物を見ると気持ちが安らぎます。
かわいい仕草には胸の高鳴りを覚えます。
癒しや恋心をもたらす、かわいいに心から浸ってください!