九夜山の中腹に寂しげな佇まいの落神神社があった。
最近になって新たな神社が発見された。落神神社の近くにある獣道を辿ると、目にすることが出来る。
拝殿の前に設置された賽銭箱は、だらしなく寝そべるように朽ちていた。奥に控えている幣殿や本殿も同様に雨露を凌ぐのに十分とは言えない状態だった。
敷かれた石や砂利のおかげなのか。雑草は抑えられ、広いとは言えないまでも一定の土地を確保していた。
そこに一人の女性、
碓氷 真理が住み着いた。神秘的な蒼色の長い髪は巫女を思わせる。鋭い眼は他者をそれとなく退けた。
朝陽の中、真理は境内を見渡した。
「確かに汚れが目立つな。ここに世話になる身だ。礼として掃き掃除でもするか」
誰かと会話をするような物言いであった。
真理は早速、掃き掃除を始めた。折れた細い幹の先端に沢山の枯れ枝を巻き付けた代物ではあるが、問題なく役目を果たした。
「悪くない」
自分の仕事に満足したのか。真理は山を下りる用意に取り掛かる。世捨て人のような生活であっても金は必要で、バイトは欠かせない収入源であった。
真理は小ぶりのリュックを背負う。ジャケットのポケットの中身を確認。
獣道に相応しい速度で街へと下りていった。
今回は新しく発見された神社が舞台となります。境内に雑草の類いは少なく、木々に囲まれた穏やかなところです。
住人はいますが、諸々の事情で不在の時があります。比較的、出来ることは多いと言えるでしょう。
さらに時間帯によって状況が変わります。日中は生き物が謳歌して、夜は人外で賑やかになります。
下記に昼間と夜間の特徴を挙げておきます。アクションの参考にしてください。
・昼間 様々な野生動物に会える。稀に妖怪もいるらしい(霊感の強さに依存)。視界は良好。
土地は平坦で多岐に渡った行動が可能となっている。
・夜間 人外(霊、妖怪)が多く跋扈する。野生動物は本能に従って近寄らない(霊に憑依された場合は別)。
PCの霊感の有無によっては、昼間に霊や妖怪に遭遇することがあるかもしれません。本人に能力がない場合でも【GA】で同行している者の影響を受けることはあるでしょう。
夜間は霊感の有無に関わらず、ほとんどの人が怪現象を目にします(全く霊の影響を受けない特殊な者もいる)。
今のところ、悪霊の存在は認められていません。寝泊まりをしている人物が間接的に証明してくれています。
次に目撃情報のある妖怪を紹介します。
妖怪の種類
・猫がみ 不機嫌そうにしている太った白猫。人間の言葉を理解して話すこともできる。
がみがみとうるさいせいで命名された。時に尊大に見えるので「猫がみ様」と呼ばれることもある。
・猫また 普通の猫の大きさで尾は二つ。人語を理解し、話す点は猫がみと共通している。
狂暴な面は一切なく、「またまた~」が口癖。猫またの由来でもある。
・猫頭巾 頭に黒い頭巾を被った虎猫。人語を理解はしていても話すことはほとんどない。とにかく無口。
人前に現れる理由は定かではない。自慢の頭巾を見せびらかしたい。そのような欲求があるのかも。
・猫まんま 普通の大きさの猫で柄は様々。人語を理解して流暢に話す。絶えず腹を空かせていて、人に餌をねだる。
名前の由来は猫のまんまであり、食い意地が張っているせいで汁かけご飯の猫まんまにも例えられる。
※上記以外のオリジナルの妖怪を登場させてもいいですが、強力な力を持った妖怪は採用されないおそれがあります。
新しく見つかった神社に、どのような理由で人々は訪れるのでしょうか。
発見されて間がないので偶然の出会いが多いかもしれません。
または若者を中心に夏らしい肝試しの会場になることも考えられます。
七月の中旬、あなたは九夜神社で、どのような思い出を作りますか?