ここは図書室だ。
北校舎(特別教室棟・3階建て)の3階に位置するため見晴らしもいい。
生徒数に見合って図書室も広く本も豊富なようだな…。長机で勉強するのもいいだろう。
図書室では静かにな。
よく来たな、外暑かったろ?
(解理が近づいてくると頭に手を乗せてぽんぽんする)
おっ、見つけた(皇氏の姿を見つけ、とことこと近づく)
ん・・・
(携帯に目を遣り絵本を閉じて立ち上がると入り口の方に向かう)
お、いた
(あっさりその姿を確認すると大声は出せないので解理に向けてひらひら手を振る)
さて…皇氏はどこかな…(キョロキョロと周囲を見つつ入館)
さてと…。
(窓際の席につき、英語の参考書を開く。
暫く参考書と睨み合ったあと
ふと窓から見える外の景色に目を移し)
いい天気だな…。
勉強する気分になれん…。
っと・・・これと、これにするか
(携帯を操作し終えると立ち上がって適当に本を選んで戻り、再び腰掛ける)
・・・・・・・・・・
(持ってきた本は子供向けの絵本などが中心で、一つ選ぶと文章量は極端に少ないのにゆっくり読み進める)
流石夏休み、人が少なくていい感じだ
(いつもの如くコンビニ袋片手に入室し、ひと目につかない奥まったところにあるスペースまで移動して椅子に腰掛ける)
・・・あ、本持ってきてねぇや
(移動中に本を確保するのを忘れてたのでため息をつきつつ携帯を取り出す)
…恨まれるのは…気持ち、良くない…気をつける…。
…貴方は、悪くない…。
…誰だって、見られたく、ないものは、あるもの…。
…そう…?
…可愛いと、思うけどなぁ…。
…貴方は、男の子、だから…あんまり、言われないの、かも…?
ついついやってしまう、というのは多少理解できる
俺もそうなったことがあるからな
ただ、癖になってるならせめて、相手に嫌われても恨みは買わないようにな
それだけは忠告しておこう
いや、気にするな
俺が見られないようにしてるのが悪いんだ
…俺の記憶上、可愛い、なんて言われたのは初めてだぞ
(程々に、という言葉に頷き)
…やり過ぎると…嫌われそう、と思う…
…だけど、つい、やっちゃう…。
…もう、癖になってる、感じが、する…。
…あ…ごめん…。
…左目…見られたく、ないよね…。
…つい…。
(左目を隠そうとしていたことを思い出し
少し申し訳なさそうに眉を下げ)
…誰かが、照れる様子を…見るのは、好き…。
…照れてる人は、可愛い…。
そういってくれると嬉しいというものだ
ふむ、小さな悪いこと、つまり
人をからかったり軽いいたずら程度か
まぁほどほどにな
っ!
(後ろに下がって少し距離をとる
…この気持ちをそう呼ぶなら、おそらく俺は照れてるんだろうな
…いい心がけだと、思う…。
…私は…たまに、サボる…。
…学校も、勉強も…嫌いじゃない…。
…むしろ、好き…。
…だけど…小さな悪いこと、するのは…なんだか、楽しい…。
……照れてる…?
(楽しげな様子で顔を覗き込もうとする
ふむ、先輩もそう思う…か
まぁ、無遅刻無欠席は心がけてはいるがな
…否定はしないが…
そう…面と向かって言われると心にクるものがあるな
(髪で顔をできるだけ隠しながら
…うん…やっぱり、真面目…。
…授業、サボったり、しなさそう…。
…貴方は、やっぱり、優しい…。
…いい人、だね…。
そうか…よく言われるよ、見た目と性格が一致してるって
まぁ、確かに俺は冗談を言える男じゃないからな
…ふむ、できるだけ考えてみよう
君の力になるとついさっき言ったばかりだしな
…私にも…貴方は、真面目そうに、見える…。
…どう…かな…。
(唇に左手人差し指を置き、考え)
…そうかも、しれない…
…でも…人には、向き不向きが、あるから…。
ふむ、意外な一面を見たな
なるほど…俺は生真面目だと自分を思ってるからな…ふむ
(しばらく考えて
…ふむ、その考えで言うと、俺にからかってほしいと思ってるのかな?
…有難う…。
…私…誰かを、からかうの、好きなの…。
…でも…からかわれるのは…もっと、好き…。
…なのに…私のこと…からかって、くれる人、が…
…あんまり、いない…。
…寂しい…。
気にするな、俺は気にしない
…うん…冗談…。
(微笑んで
…私、ひねくれているから…つい…。
…ごめんなさい…。