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秋桜、ふたりぼっち
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足元を二匹の小さな猫が、すっとかすめていきました。
ふふっと
夢宮 瑠奈
は口元をゆるめます。
本日瑠奈もまた、のんびりのんびりと秋桜畑を歩いていました。ひとりです。
一面の秋桜畑は桃色と白と紫色、葉の緑もあいまったその穏やかな色使いは、瑠奈の忙しくい日々を、しばし忘れさせるに十分な優しさとみずみずしさをたたえているのでした。
秋です。瑠奈にとって秋桜は、これ以上ないほどに秋を思わせる花なのです。
――季節は移ろいながら、世界を彩っていく。
なんて素敵なのでしょう、と彼女は思いました。
そんな彼女がいつの間に、その場所に迷い込んだのかは定かではありません。
そもそも地続きの秋桜畑を散策したままですから、迷い込んだという意識すらありませんでした。けれどもたちまち瑠奈の第六感が、何かが変わったということを彼女に告げていました。
はっと足を止めた瑠奈はそこに……会いたいと願っていた人がいることを知りました。
「……ママ……?」
そう、彼女は瑠奈の母親でした。
トップアーティストに分類できる場所で活躍していた彼女でしたが、瑠奈が小さいころにいなくなっています。
亡くなったのではないはずです。けれどもそれから一度だって、彼女は瑠奈の前の姿を見せていません。
正直に言うと、瑠奈の記憶はおぼろげになってきており、彼女の顔をはっきりと思い出せなくなっていました。今だって、光の加減なのでしょうか。どうしてもその顔を細部まで見ることができないのです。
けれどもはっきりと、瑠奈は知っていました。彼女こそ、自分の『ママ』だと。
「どうして、ここに?」
それは瑠奈の心からの声です。理由を、知りたいと思いました。
母親は静かに微笑んでいました。わかっているでしょう、と言わんばかりに。
「あたしを見に……来てくれたんだね?」
瑠奈は確信を持ちました。
だったら、どうしても聞いてもらいたいことがあります。
「聞いて、ママ」
母親に聞いてもらいたかった。知ってもらいたかった。
どうして今、自分が『末明せれね』として、アイドルグループ『CitrusCat's』の一員になっているのかを。
「ママを追いかけて、今、あたしも音楽とパフォーマンスの世界を進もうとしているのよ」
エンターテインメントの世界は残酷です。生き馬の目を抜く、そんな言葉が嘘ではない世界です。
瑠奈だって、いつまでも夢見る少女ではいられなかった。心を傷つけられたことは何度もありました。けれども瑠奈には目標があったから、ここまでやってこれたのです。
それは単純に、有名になりたかったとか、華やかな場所にいたかったから、ではありません。
「ママと同じ世界に、少しでも近づきたかったから」
ふっと体が軽くなった気がします。心に抱えていた重荷を、解き放てたからかもしれません。
さらに瑠奈は言いました。それはもっとずっと幼い少女が、母に寝かしつけられながらベッドで、語る一日の思い出のような口調で。
「この間、あたしは少し思い出したんだよ……ママは、寝子島にいるんだよって、誰かに言われたことを」
そうなの、という言葉を、瑠奈は母親の口から聞いたように思いました。だから続けます。
「それは誰だったかは思い出せなかったけれど……ママは、本当にこの島にいるの? だとしたら、今目の前にいるママは、本物?」
母親の姿はその問いに答えません。さあどうでしょうね、なんて、曖昧な言葉を口にします。本当にしゃべっているというよりは、直接、瑠奈の心に語りかけているような印象がありました。
それを悲しく思う反面、仕方がない、という気持ちも瑠奈の中にあります。
ママが置いていった小さな女の子はそうだったかもしれないけれど、今、ここにいる夢宮瑠奈は、望むものすべてが手に入るとは限らないということを学び、知っているからです。
けれど望み続けていれば、追い求め努力を続ければ、手が届かないとも言い切れない、そのことも瑠奈は知っています。
だからもう、深刻になるのはやめました。
努めて笑顔になって瑠奈は言います。せっかくの機会です。他愛もない話をしましょう。
自分のことを話します。アイドル活動について、少し前にあったネコフェスのこととか。
「『ゼントタナン』って曲を歌って、力いっぱいジャンプしたんだよ。それに……」
ちょっと口ごもりましたが、思い切って言います。
「それに、ママの作った未発表曲、『あなたをもとめて』も!」
母親はちょっと驚いたようですが……喜んでくれました。
学校生活のことも話します。楽しいことばかり選んで話しました。
しかし話が実家のことになると、瑠奈の声のトーンはやや落ちました。
「ママがいた部屋は、ときどき帰って綺麗にしてるよ……」
それはときどきしか帰れないという意味でもあります。それに、
「パパはいつもあの家にいないけれど、掃除したりして帰ってくると、寮にお手紙が届いているのよ」
この言葉を告げるのも、あまり嬉しいものではありませんでした。
「それでね、ママ……」
ここまで言って顔を上げ、瑠奈はもうそこに、母親の姿がなくなっていることを知りました。
やはり幻、だったのでしょう。
けれども……空しいとは思いませんでした。悲しかったり苦しかったりもしません。
むしろ瑠奈の心には夜空の星のように、希望のつぶてが輝いているのです。
「直接会えないだけで、パパもママも、まだこの世界にいるんだよね?」
そっと瑠奈はつぶやきました。強い確信を持って。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年04月05日
参加申し込みの期限
2015年04月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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